新・夜逃げ屋本舗
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『夜逃げ屋本舗』(よにげやほんぽ)は、光和インターナショナル制作の映画、および同社製作で日本テレビ系列にて放送されたテレビドラマシリーズ。
概要

多重債務者の逃亡や隠匿のバックアップを合法的に請け負う“夜逃げ屋”の活躍を描くアクション・コメディ。劇場映画として3作品が製作された後、日本テレビ系にてテレビシリーズ化された。

借金の返済方法、自己破産、契約不履行、信販会社の強み、街金の実情など金融界の裏話や法律・専門的な解説なども盛りこまれており、ハウツー的要素も強い。映画版、テレビドラマ版とも中村雅俊が主演を務め、映画版は一貫して原隆仁が脚本・監督を務めた。映画版には消費者金融問題に詳しい宇都宮健児弁護士が協力しているほか、夜逃げを題材とした小説『夜逃げ屋』(幻冬舎刊)の著者である羽鳥翔が協力した。
組織
夜逃げ屋本舗

ライジングサン(Rising Sun)源氏が経営する経営コンサルタントオフィス兼夜逃げ屋(映画版では2作目以降に源氏が旗揚げした自己破産専門の代書屋)。ドラマ版では捕まえ屋・田上のせいで夜逃げ屋であることがばれてしまい、消滅。その後、「新・夜逃げ屋本舗」で社長である源氏以外の社員を一新してリサイクルショップとして復活した。

ミッドナイト・ラン(Midnight Run)源氏が運営する、夜逃専門引越業を主業務とする企業。映画第1作では正規の運送業者だったが、映画2作目以降およびドラマ版ではライジングサンの裏商売として描かれる。黒塗りのトラック、黒塗りのダンボール、遮光カーテンなどの夜逃げ専門ツールを装備。また、アパートなどの2階以上部分からでも迅速な逃亡が可能なよう、トラックには荷台部昇降ジャッキや緊急発進装置などの様々なギミックが搭載されている。

この2組織の名は「借金の深夜(Midnight)を逃げ走り(Run)希望の朝日(Sun)を昇らせる(Rising)」という意図の下で名付けられた。
大帝都信販

この物語に登場する架空の金融企業東証大証一部上場で、途方もない資本力と顧客数をかかえる超一流大企業。

そのため、多少の債務不良やこげつきなどではびくともせず、執拗に夜逃げを追いかけ債権回収に全力を注ぐ必要もないのだが、管理部長・麻生(演:千堂あきほ、TV版)などに代表される管理社員は「借金踏み倒す人間は絶対に許せない」という異常な信念を持ち、徹底して債務者や夜逃げ屋を追い掛け回している。
街金

大帝都信販と異なり、同じ金融業でもノンバンク、非合法、暴力団のサイドバンクビジネスのたぐいである。
映画
登場人物

ポータル 映画
プロジェクト 映画


源氏雅彦 - 中村雅俊シリーズの主人公。夜逃げの請け負いはビジネスと割り切っていると自称するが、実際は情にもろくやさしい一面も。二枚目ゆえかちらほら女の影もみられるが、独身である。顧客を逃がす際の手口は、債権側が悪辣であればあるほど卑劣さを増してゆく(『2』では豊富への制裁として『客を根こそぎ逃がす』という手段に打って出ている)。大抵の客は自己破産させてから逃がすが、これは貸した側に取立てと破産者への報復をさせないためであると同時に、貸した側へのトラップも兼ねている可能性がある[注 1]。「会社も客を選ぶ」を企業ポリシーとしており、負債に苦しむ弱者には手厚い救いの手を差し伸べる一方、意志薄弱な顧客は制限行為申請などを用いて容赦なく切り捨てる非情さも持ち合わせる。

野口浩介 - 益岡徹全3作に登場。映画シリーズにおける源氏の右腕的な存在であり、明晰な頭脳と並み外れた行動力で源氏をサポートする。社内における肩書きは「部長」。常に飄々とした風体で、時に味方すら欺くほどの狡猾さも持ち合わせるが、悪徳債権者の卑劣な言動を前にすると感情を抑えきれなくなる場面もある。顧客を説得する際には自らの身の上話を語ることが多いが、語る度に経歴がコロコロと変わる。

相沢康子 - 高木美保第1作、2作に登場。変装と潜入調査を得意とするミッドナイト・ランの紅一点。密かに源氏に想いを寄せており、会社の衣装保管庫に、彼の姿がプリントされたハンガーを大量に隠し持っている。

新藤恭 - 榊原利彦第1作に登場。ミッドナイト・ランのアルバイト社員。実は富豪の御曹司であり、夜逃げ屋に足を踏み入れたのも当初は遊び感覚だったが、仕事への情熱は持っている。持ち前の口の軽さが災いし、源氏の不興を買って会社を一時クビにされるが、相沢の機転で間もなく復職した。

三神五郎 - 中島陽典第2作に登場。ライジング・サンの新米社員。前作の新藤と同様に少々口が軽く、何気なく口走った「明るい自己破産」という一言が新珠を激怒させてしまう。豊富ファイナンスの悪辣な手口に堪えかね、源氏にミッドナイト・ランの復活を直訴する。

辛島杏子 - 西山由海第3作に登場。ミッドナイト・ランの新たな紅一点。野口とともに夫婦を装い、ニコニコヴィレッジへ潜入した。

緒方遼太郎 - 山本陽一第3作に登場。物怖じがなく、「夜逃げのギャラ」と称して磯野の金庫の現金(=ヴィレッジの入居者から取り立てた金)に手を付けようとするなど大胆な性格。

第1作『夜逃げ屋本舗』

夜逃げ屋本舗
監督
原隆仁
脚本真崎慎
長崎行男
原隆仁
製作青木勝彦
三沢和子
製作総指揮鈴木光
出演者中村雅俊
高木美保
益岡徹
榊原利彦
大竹しのぶ
音楽大谷幸
撮影前田米蔵
編集冨田功
配給東宝
公開 1992年1月18日
上映時間106分
製作国 日本
言語日本語
配給収入3億円[1]
次作夜逃げ屋本舗2
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1992年1月18日公開。
あらすじ.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}

この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。あらすじの書き方を参考にして、物語全体の流れが理解できるように(ネタバレも含めて)、著作権侵害しないようご自身の言葉で加筆を行なってください。(2018年7月)(使い方

かつて家族が借金苦にあって夜逃げ屋によって救われた少年、源氏。大人となった彼は、幼い頃の自分と同じ苦しみを持つ人々を救うため、自らもまた夜逃げ屋「ミッドナイト・ラン」となって苛烈な負い立て追い込みに苦しむ人々を助け続けていた。「絶対に他人に迷惑をかけない夜逃げ」をモットーとする源氏は、顧客の徹底したリサーチを下にカンペキなアフターサービスを実現し「夜逃げ証明書」「連帯保証人同時夜逃げ」など様々なプランで借金苦に喘ぐ人々を救っていく。

しかし、それに業を煮やす者たちもいた。街金融・闇金融を営むヤクザたち、そして大手消費者金融の大帝都信販であった。特に大帝都信販・不良債権処理部門にて陣頭指揮を執る女部長、秋川芙美子は「『借りたら返す』は人間としての最低限のルール。守れぬ者は生きる価値の無い者」をモットーとし、欠損金や保険で事なきを得ようとする上層部を押し切る形で「夜逃げ狩り」を強行。その知らせは元顧客たちから源氏の元へ悲鳴や涙の抗議と共に届く事になる。

次から次へと血も涙も無く夜逃げ者を捕まえていく秋川。見つけた者は身包みを剥がし、下手をすれば社会生活すら再起不能なほどにされていく。しかし、彼女はある時、スタッフが夜逃げ者の子どものぬいぐるみすら持って行こうとした事を咎めた。秋川はぬいぐるみを子どもに返し、きちんと社会のルールである「借りたら返す」を守れる大人になるように、そして「どんな借金でも諦めなければ返せる」という事を諭す。実は彼女は幼い頃に親が他者の連帯保証人となり、その他者が夜逃げをしたがために借金苦を背負わされ、そしてそれを家族一丸となって苦難と努力の末に完済したという過去の持ち主だったのだ。

夜逃げによって人生を救われた源氏。夜逃げによって人生を破滅寸前にまで追い込まれた秋川。両者とも共に「借金をするものの苦難」を知り「借金に苦しむ人を救いたい」と願いながら、方法と立場が正反対であるが故に互いに譲れぬ苛烈な戦いを展開する事となる。

そんな折、源氏は街金を営んでいたヤクザの組長・浜崎に拉致される。浜崎もまた「ミッドナイト・ラン」によって顧客を逃がされた街金だった。拉致された源氏は浜崎配下のチンピラに痛めつけられる。しかし、しばらくして浜崎は驚くべき事実を源氏に打ち明ける。実は浜崎が街金運営の資金としていた金は大帝都からの借金であったのだ。そして彼はヤクザであり続けることにも疲れていた。浜崎は源氏に自らの「夜逃げ」を依頼する。大帝都からの、そしてヤクザからの夜逃げを。

かくて、大帝都信販とミッドナイト・ランの最終決戦の火蓋が切られたのである。
キャスト


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