文芸雑誌
[Wikipedia|▼Menu]

文芸雑誌(ぶんげいざっし)とは、雑誌の一種で、書評や評論、小説・詩歌・随筆などの短い作品を中心に掲載するもので、同人の間で刊行されてきたものや、個人や出版社などが発行人となり、原稿を文芸家に依頼したり、一般から募集するものなどがある。内容はいわゆる「文学」だけでなく、美術・音楽・漫画・旅行・料理・哲学・思想などにおよぶものもある。また企画を組み、テーマに合わせた文章や関連事項などを扱い、研究などの発表にも多く利用される。

欧米の19世紀初頭の、出版やジャーナリズムの昂揚に伴って文芸雑誌が誕生した。特にイギリス、ロシア、アメリカ合衆国において盛んであった。初期のものは評論雑誌から発達したもので、必ずしも文芸に特化したものではなく、また発行も長く続かなかった。しかし、19世紀末年ごろになると、文芸雑誌は世界的に大変な活況を見せ、作家の拠点とされるようになる。
日本の文芸雑誌

日本における文芸誌の最初期のものには、尾崎紅葉山田美妙らが1885年に始めた『我楽多文庫』、女流作家を輩出した『女学雑誌』(1885年)『以良都女』(1887年)、評論誌ながら文芸作品も多く文壇の登竜門とも言われた『国民之友』(1887年)、大手出版の金港堂が有名作家を揃えて始めた『都の花』(1888年)、春陽堂書店の発行する『新小説』(1889年)などがある[1]

日本の文芸雑誌として、商業的に安定的に発行されたのは、20世紀はじめ創刊の『新潮』(1904年)を本格的なものとして考えることができる。これによって、それ以前は新聞を主な発表媒体としてきた日本の文学が、雑誌中心になっていくことになった。ただし、戦前には、『中央公論』『改造』などの総合雑誌が権威ある発表舞台として定着しており、『新潮』『文藝』などの文芸雑誌は、その次の存在としてみられていた。しかし、1970年代から、総合雑誌が文芸作品をエンターテインメント系にシフトしてからは、文芸雑誌の比重がましている。

日本の文学の特徴として、準商業的な文芸雑誌の力がおおきいことがあげられる。『早稲田文学』『三田文学』のような大学と関係した雑誌、『戦旗』『新日本文学』『民主文学』のような文学運動の雑誌、『白樺』『新思潮』『近代文学』のような半同人誌が、商業文芸誌に劣らぬすぐれた作品をうみだしてきている。

なお、狭義の〈文芸雑誌〉には、『オール讀物』のような小説雑誌、『新青年』などの推理、SF誌などは含まれないのが普通である。また、詩・短歌・俳句の雑誌も含まないのが通例である。

近年日本の文芸雑誌の売り上げは、純文学雑誌だけでなく中間・大衆小説誌も赤字になってきており、これを単行本の売り上げで回収している現状である。
主な文芸雑誌

過去の文芸雑誌に関しては、Category:文芸雑誌を参照のこと。
アメリカ合衆国

Southern Review

Russell's Magazine

North American Review

現在の日本

新潮1904年創刊)

文學界1933年創刊)

群像1946年創刊)

すばる1970年創刊)

文藝1933年創刊、季刊誌)

早稲田文学1891年創刊)

三田文学1910年創刊)

民主文学1965年創刊)

九州文学1938年創刊)

脚注[脚注の使い方]^ 明治時代文学雑誌解題『明治文学雑記』蛯原八郎,学而書院, 1935, p97-120

関連項目

小説誌

外部リンク

明治時代文学雑誌年表
『明治文学雑記』蛯原八郎、学而書院, 1935
.mw-parser-output .asbox{position:relative;overflow:hidden}.mw-parser-output .asbox table{background:transparent}.mw-parser-output .asbox p{margin:0}.mw-parser-output .asbox p+p{margin-top:0.25em}.mw-parser-output .asbox{font-size:90%}.mw-parser-output .asbox-note{font-size:90%}.mw-parser-output .asbox .navbar{position:absolute;top:-0.90em;right:1em;display:none}

この項目は、文学に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めていますP:文学/PJライトノベル)。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:11 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef