文理融合
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文系(ぶんけい)と理系(りけい)とは、主に高等教育(あるいはその準備段階としての中等教育最後期)において学問を大まかに二分類する際に用いられる用語である。それぞれ文科系(ぶんかけい)、理科系(りかけい)とも呼ばれ、両者を合わせて文理(ぶんり)という。
目次

1 概要

2 文系と理系とを特徴づける性質

2.1 数理科学の応用

2.2 業績評価の違い

2.3 論文様式の違い

2.4 研究適齢期


3 歴史と現状

3.1 歴史

3.2 現状

3.2.1 専門教育の準備段階において

3.2.2 専門教育において

3.2.2.1 学位(修士号・博士号)取得状況とその扱い

3.2.2.2 専門化と学際化


3.2.3 社会とのかかわり



4 文系と理系とをめぐる観念的な印象

4.1 数学のできない「普通の」文系、それ以外の「特殊な」理系

4.2 文系は優雅、理系は律儀

4.3 文系は言葉で考える

4.4 文系は前提の吟味をしない

4.5 理系は会話下手

4.5.1 理系男子は結婚できない


4.6 理系にはオタクが多い

4.7 男子は理系、女子は文系


5 文系人気・理系人気

6 文理別・学部別収入に関する調査

6.1 日本

6.2 海外


7 政治における文系と理系

7.1 日本

7.1.1 政界

7.1.2 官界


7.2 海外


8 文系的と捉えられることが多い学問

9 理系的と捉えられることが多い学問

10 脚注

11 関連項目

概要

伝統的に、文系とは主に人間の活動を研究の対象とする学問(主に人文科学社会科学に分類される)の系統とされ、理系とは主に自然界を研究の対象とする学問(およそ自然科学に分類される)の系統とされてきた。しかし現在では、研究対象よりもむしろ課題解決のために用いる手法で分類されることが多い。たとえば金融工学社会工学は、研究対象こそ「人間の活動」であるが、研究対象をほとんど同じくする経済学社会学とは異なり一般には理系とみなされる。[1]

個別の学問分野がいずれに属するのかについては、文系的と捉えられることが多い学問理系的と捉えられることが多い学問を参照のこと。

有意な成果や果実を得るためには総合的な知見や能力が重要であるため、実際のところは、研究の現場において研究者自身が文理の別を強く意識する機会はなく、自分の専門分野がどちらに属するかをことさらに強調することもない。ただ自らの興味や社会の要請に従って、扱う問題をあらゆる手法の中から適切なものを選んで解決した結果、用いた手法がたまたま「文系的」であったか「理系的」であったかという違いに過ぎない。

しかしながら、教育現場では便宜上、生徒・学生を文系と理系に分けて扱うことが多く、高等教育の普及につれてその区別を知る者が大半を占めるようになった。どちらの分野も直接的であれ間接的であれ社会において重要な役割を果たしているが、実際には社会でしばしば「文系」「理系」の区別は利用され、そこに属する者の性向や思想信条、男女比、年収に有意な差があるなどと論じられることがある。
文系と理系とを特徴づける性質

細胞生物学者の太田次郎が「どうも、文科と理科というのは、(中略)旧制高校時代にはそれなりにはっきりしていたが、しだいにその区別がぼやけてきたような感じがする」[2]と述べているように、近年では昔に比べると文系・理系のそれぞれに特有の性質というのが明確ではなくなってきている。しかしながら、それでもなお、依然として文系・理系の区別は社会にも教育・研究の現場にも根強く残っている。ここでは、いまだ失われていない文理それぞれの特徴を洗い出し、見ていく。
数理科学の応用

一般に、理系の学問は数学との親和性が高いため、「理数系」と呼ばれる場合もある。物理学計算機科学はまさしくその代表であるし、化学生物学のように数学とはかけ離れているように思える分野も、実際には数学と密接に関連する物理学を基礎として成り立っており、突き詰めて研究していけばやがては物理学、あるいは数学上の問題に帰着する(生物物理学なる分野も存在する)。高分子化学分子生物学は純粋数学、とりわけ幾何学解析学等の研究成果を直接応用する(特に分子生物学に対する位相幾何学の貢献は計り知れない)し、ナビエ-ストークス方程式のような非線型微分方程式の研究が進めば気象学工学など幅広い分野を刺激するだろう。また理系分野全体にわたって種々の統計手法は重視される。一方で、法学文学歴史学等は、まだ数学・物理学との密接な関係が見出されておらず、政治学言語学においても、数理的手法の応用は(増えつつあるが)まだまだ限定的である。このように、数学や物理学との繋がりの深さは理系分野に特徴的である。

ただし、同じ理系であっても、全分野で一様に高度な数学を用いるとは限らない。工学博士の森博嗣は、解剖学者の養老孟司と対談した際、「総じていえば、実験科学に高度な数学は不要でした」と述べ[3]、たとえば自身の専門であるコンクリートの研究においては「研究の六割方は実験」「微積分も不要」「文系の人でもできる作業」などと発言した[3]。しかしその後「どうしてその強度が発現するのか」が研究者の視点であって、そうなると数学が必要になります。 ? 森博嗣による発言[4]、『文系の壁―理系の対話で人間社会をとらえ直す』(養老孟司、PHP新書、2015)24頁

とも述べ、実験科学においても突き詰めて研究していけば数学が必要になることも認めている。

また、後に述べるように、文系分野における数学・物理学の活用は皆無ではない。それら例外については文系的と捉えられることが多い学問を参照のこと。
業績評価の違い

太田次郎は、研究業績の評価について、文理間では大きな違いがあると指摘している。いわく、理工系では、ふつう論文第一主義である。オリジナルな研究論文を、いつ、何編、発表したかが問題であって、その他の業績は付随的にしか扱われない。たとえば、その専門分野で一般に認められている著書を書いたにしても、あまり評価されないことが少なくない。啓蒙書や専門向きのテキストなどは、業績としてはノー・カウントにされることが多い。先端の研究をまとめた総説にしても、論文ほどには認められない。 ? 太田次郎、『文科の発想・理科の発想』(講談社現代新書、1981)15頁

とのことであり、少なくとも理工系においては「一次情報第一主義」がとられているという。また、理系の多くの分野は、研究に際して高額な実験器具や測定器具があったほうが有利であり[5]、そのための研究費は論文数にほぼ比例して支給されるので、研究費を求める理系の研究者はとにかくたくさんの論文を量産しなければならない[6]


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