文明化
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この項目では、都市や社会などの高度な文化体系について説明しています。その他の用法については「文明 (曖昧さ回避)」をご覧ください。
ピラミッドとスフィンクス。エジプト文明はメソポタミア文明と並ぶ世界最古の文明のひとつである

文明(ぶんめい、: civilization、ラテン語: civilizatio)は、人間が作り出した高度な文化あるいは社会を包括的に指す。目次

1 文明の概念

1.1 文明の発生

1.2 文明の特徴

1.3 文明の変遷と完成、文明の型

1.4 文明の種類


2 文明論

2.1 文明論の概要

2.2 文明と野蛮・未開


3 脚注

3.1 注記

3.2 注釈

3.3 出典


4 参考文献

5 関連項目

文明の概念
文明の発生

文明が発生するには、まず前提として農耕による食糧生産の開始と、それによる余剰農産物の生産がなければならない。最初期の農耕はオリエント肥沃な三日月地帯において11,000年前、パプアニューギニアで9,000年前の証拠が発見されている。これらは、2万年前に最も寒くなった最終氷期の終わり、1万年前に相当する時期に当たる。この時期は紀元前5300年頃にはメソポタミアにおいて灌漑施設が建設されるようになり、ウバイド文明と呼ばれるメソポタミア最古の文明が成立した。その後、紀元前4000年ごろからはウルウルクといった都市がメソポタミア南部に相次いで建設されるウルク期と呼ばれる時期に入り、紀元前3200年ごろには楔形文字が発明された。

なぜ人類社会が高度に組織化され文明が発生するようになったのかは明確にはわかっておらず、いくつかの説がある。この中で、乾燥化や地球寒冷化などによって人々がより条件の良い土地に移住して集中するようになり、その人口を支えるために大規模な農耕がおこなわれ、文明が成立したとする説がある。

地球寒冷化によってそれまでの分散していた生活環境が苛酷になった為、河川周辺への人口集中が促されるなど、文明の発生に大きな役割を果たすという説[注 1][注 2]

サハラ砂漠は2万年を頂点に12,000年前まで乾燥し、その後、7000年前まで森林が増え、5000年前まで森に覆われていた。その後、乾燥により砂漠化が今も進行している。砂漠化により、砂漠にとどまるものと、ナイル河畔に移動したものにわかれた。移動と共に生活様式を変えたものが、ナイル河畔で文明を創ったと言う説がある[注 3]

文明の特徴

西欧語の "civilization"(英語)などの語源は、ラテン語で「都市」「国家」を意味するキウィタス(civitas)に由来する。ローマ時代の文明とは、字義通りに都市化や都市生活のことであった。
文明の要素

マルクス主義の考古学者ゴードン・チャイルド(1892年-1957年)の定義では、文明と非文明の区別をする指標として次のものを挙げている[1]

効果的な食料生産

大きな人口

職業階級の分化


都市

冶金

文字


記念碑的公共建造物(ピラミッドなど)

合理科学の発達

支配的な芸術様式

上記の定義は、ひとつの連続する過程として説明することができる。まず農耕が開始され、効果的な食料生産によって農耕民たちは大きな人口を抱えるようになる。

またこれによって大きな余剰農産物が生まれ、その富を元にして農業以外を生業とするスペシャリストが生まれ、多様な職業に従事する人々が生まれる。

同時に、食糧生産をより効率的にするためには灌漑施設の建設などの土木作業が不可欠であり、これを可能にするために社会の組織化が推進される。


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