文学忌
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文学忌(ぶんがくき)とは、作家命日(例外あり)をその雅号ペンネーム、代表作などにちなんで、その文学的な業績を偲ぶ日としたものである。また、俳句においては、著名な俳人やその他の有名人の忌日を季語として用いる[1]
概説

物故した文学者などに対し、その遺族や友人などのゆかりのある人やファンが命日に偲ぶ催しなどを「文学忌」という[2]。文学忌は、文学者の氏名や筆名、作品名を冠するものが多い[3][4]。文学忌の行事には、法要や集会のほか、シンポジウムや講演会が開かれたり、地方自治体などが忌日に合わせて文学賞を発表したりされるものもある[2][3]

文学忌の起源は江戸時代歳時記にさかのぼり、京の年中行事の解説書である『日次紀事』(1685年貞享2年〉)には忌日に関する記載があり、松尾芭蕉の死によってその忌日である芭蕉忌が広く知られるようになった[3]明治時代以降には夏目漱石芥川龍之介などの俳句との関わりがあった文学者を中心に忌日が俳句の季語として定着していった[3]第二次世界大戦後には、太宰治の桜桃忌など、一般の作家にまで浸透していった[3]。近年では作家・詩人のような文学者のみならず、没した作詞家シンガーソングライター漫画家も文学忌に数えられることもあり、前者なら宮城道雄村下孝蔵忌野清志郎などが、後者では手塚治虫水木しげるなどが挙げられる。
主な文学忌の一覧
1月

1月忌日文学忌名人名生没年出典
1月1日水穂忌太田水穂1876-1955『文学忌俳句歳時記』18頁
1月2日一雄忌
夾竹桃忌
花逢忌檀一雄1912-1976『文学忌俳句歳時記』18頁
コトバンク[5]
毎日新聞[6]
1月9日青々忌松瀬青々1869-1937『文学忌俳句歳時記』19頁
コトバンク[7]
1月10日作之助忌
織田作忌織田作之助1913-1947『文学忌俳句歳時記』20頁
朝日新聞[8]
1月11日有三忌
一一一忌山本有三1887-1974『文学忌俳句歳時記』20頁
コトバンク[9]
朝日新聞[10]
1月13日聖一忌舟橋聖一1904-1976『文学忌俳句歳時記』21頁
1月18日蓼汀忌福田蓼汀1905-1988『文学忌俳句歳時記』21頁
1月19日豊水忌山下豊水1896-1971『文学忌俳句歳時記』22頁
鬼房忌佐藤鬼房1919-2002『文学忌俳句歳時記』23頁
1月20日乙字忌
寒雷忌
二十日忌大須賀乙字1881-1920『日本大歳時記』1414頁
『文学忌俳句歳時記』24頁
コトバンク[11][12]
1月21日久女忌杉田久女1890-1946『日本大歳時記』1415頁
『文学忌俳句歳時記』25頁
コトバンク[13]
大寒忌里見ク1888-1983川内まごころ文学館[14]
1月22日木阿弥忌
其水忌河竹黙阿弥1814-1893『文学忌俳句歳時記』26頁


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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