「文化」のその他の用法については「文化 (曖昧さ回避)」をご覧ください。
文化(ぶんか、ラテン語: cultura)には、いくつかの定義が存在するが、総じていうと人間が社会の構成員として獲得する多数の振る舞いの全体のことである。社会組織(年齢別グループ、地域社会、血縁組織などを含む)ごとに固有の文化があるとされ、組織の成員になるということは、その文化を身につける(身体化)ということでもある。人は同時に複数の組織に所属することが可能であり、異なる組織に共通する文化が存在することもある。もっとも文化は、次の意味で使われることも多い。 「文化」は一方では、日本の元号の一つで、江戸時代の19世紀前半に享和の後、文政の前に使われた。その語源は『易経』賁卦彖伝にある「観于天文、以察時変、観乎人文、以化成天下」」(天文を観て以て時変を察し、人文を観て以て天下を化成す)にあるとされている。他方、ラテン語 colere(耕す)から派生したcultura ラテン語 colere
ハイカルチャーのように洗練された生活様式
ポップカルチャーのような大衆的な生活様式
伝統的な行為
語源
文化の定義
概説
古典的・日常的な文化
人類学においては、人間と自然や動物の差異を説明するための概念が文化である[6]。
こうした定義の最初のものはイギリスの人類学者エドワード・バーネット・タイラー (1871) の、広く民族学で使われる文化、あるいは文明の定義とは、知識、信仰、芸術、道徳、法律、慣行、その他、人が社会の成員として獲得した能力や習慣を含むところの複合された総体のことである ? エドワード・バーネット・タイラー、Primitive culture[7]
である。この文に続く進化主義的な議論は批判されているが、タイラーの定義は今でも基本的には正当性が認められている[8]。
この定義は動物に社会が存在しないことが自明とされていた時代の定義であり、後に野生動物も社会を形成することが認められるようになると、新たな制約が加えられた。動物が使うことがない言語によって特徴づけるようになったのである。この場合、動物の音声コミュニケーションとは異なる特徴である再帰性や象徴性が強調された。レヴィ=ストロースによれば、言語は文化の条件であるという[9]。つまり文化は、それが非言語的なものであっても言語的な性質を備えている象徴的な事象と定義するもので、構造主義文化人類学者によく使われる[注 1][10]。