この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。
文化芸術基本法
日本の法令
法令番号平成13年法律第148号
種類教育法
効力現行法
成立2001年11月30日
公布2001年12月7日
施行2001年12月7日
所管文部科学省
主な内容文化芸術に関する基本法
関連法令文化財保護法、コンテンツ促進法
制定時題名文化芸術振興基本法
条文リンク文化芸術基本法
文化芸術基本法(ぶんかげいじゅつきほんほう、平成13年12月7日法律第148号)は、文化芸術に関する基本法として、2001年(平成13年)に制定された日本の法律である。2017年(平成29年)6月23日の法改正までは、文化芸術振興基本法という題名であった。 当初公明党を中心に日本の古典芸能やクラシック音楽の保護を念頭とした芸術文化振興法が検討された。後に民主党も加わり、国語やアニメなども取り入れた法案が立法化されることとなった[1]。 2001年(平成13年)に、文化芸術の振興に関する基本法として文化芸術振興基本法という題名で制定された。同年12月7日の参議院文教科学委員会で「小中学校における芸術に関する教科の授業時数が削減されている事態にかんがみ、児童期の芸術教育の充実について配慮すること」という文言を挿入する附帯決議がなされた[1]。 2017年(平成29年)6月23日に、法改正により現在の題名に改められた。 議員立法による法制定から16年が経過し、第4次に渡り策定された「文化芸術の振興に関する基本的な方針」に基づき文化芸術に関する様々な施策を取り組んできた。一方でグローバル化、少子高齢化など社会的な状況が変化する中で観光やまちづくり、国際交流等幅広い分野での文化芸術の振興が求められるようになったこと、また2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会はスポーツの祭典だけでなく文化の祭典であることから文化芸術の新たな価値の創出を広く示す機会である。
概要
法律の内容
文化芸術を創造し、享受し、文化的な環境の中で生きる喜びを見出すことは、人々の変わらない願いである。また、文化芸術は、人々の創造性をはぐくみ、その表現力を高めるとともに、人々の心のつながりや相互に理解し尊重し合う土壌を提供し、多様性を受け入れることができる心豊かな社会を形成するものであり、世界の平和に寄与するものである。更に、文化芸術は、それ自体が固有の意義と価値を有するとともに、それぞれの国やそれぞれの時代における国民共通のよりどころとして重要な意味を持ち、国際化が進展する中にあって、自己認識の基点となり、文化的な伝統を尊重する心を育てるものである。
我々は、このような文化芸術の役割が今後においても変わることなく、心豊かな活力ある社会の形成にとって極めて重要な意義を持ち続けると確信する。しかるに、現状をみるに、経済的な豊かさの中にありながら、文化芸術がその役割を果たすことができるような基盤の整備及び環境の形成は十分な状態にあるとはいえない。二十一世紀を迎えた今、文化芸術により生み出される様々な価値を生かして、これまで培われてきた伝統的な文化芸術を継承し、発展させるとともに、独創性のある新たな文化芸術の創造を促進することは、我々に課された緊要な課題となっている。このような事態に対処して、我が国の文化芸術の振興を図るためには、文化芸術の礎たる表現の自由の重要性を深く認識し、文化芸術活動を行う者の自主性を尊重することを旨としつつ、文化芸術を国民の身近なものとし、それを尊重し大切にするよう包括的に施策を推進していくことが不可欠である。ここに、文化芸術に関する施策についての基本理念を明らかにしてその方向を示し、文化芸術に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、この法律を制定する(前文)。
この法律は、文化芸術が人間に多くの恵沢をもたらすものであることに鑑み、文化芸術に関する施策に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに、文化芸術に関する施策の基本となる事項を定めることにより、文化芸術に関する活動を行う者(文化芸術活動を行う団体を含む。)の自主的な活動の促進を旨として、文化芸術に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図り、もって心豊かな国民生活及び活力ある社会の実現に寄与することを目的とする(1条)。
第一次改正