芸術祭(げいじゅつさい、National Arts Festival)は、1946年(昭和21年)から文化庁の主催(文化庁設置前の1967年(昭和42年)までは文部省の主催)により、毎年秋に日本国内で行なわれている諸芸術の祭典。
ここでは1985年(昭和60年)から一時期、文化庁主催により設けられていた「芸術作品賞」についても述べる。 文化庁文化部芸術文化課にある「文化庁芸術祭執行委員会」が主管しており、毎年10月から11月の間に実施される。この期間中に、以下のような区分で「芸術祭」に関する公演・作品が発表される。 なお、開催地は関東圏(主に東京)と関西圏(主に大阪)に定められており、この2都市圏内で主催・協賛・参加の各公演が行われる。なお関西では、主催公演は第33回(1978年(昭和53年)度)から、参加公演は第51回(1996年(平成8年)度)から実施されている。さらに必要に応じて、他の1都市による地方開催も行われることがある(詳細は後述)。 文化庁芸術祭賞 「参加公演」と「参加作品」については毎年、各部門の審査委員会によって審査が行われ、優秀な成果を収めた個人・団体に対して贈賞を行っている(第1回では賞の授与はなし。1947年(昭和22年)度の第2回から授与を始める)。毎年12月下旬から翌年1月上旬頃に受賞者が発表され、1月下旬から2月上旬頃に授賞式が東京と大阪の2会場で行われる。受賞者には文部科学大臣賞として文部科学大臣より賞状が贈られ、トロフィー及び賞金が贈呈される。なお大阪の授賞式は2003年(平成15年)度より、「関西元気文化圏賞」の贈呈式を兼ねて開催されている。 2014年(平成26年)度の第69回現在、賞の区分は芸術祭大賞、芸術祭優秀賞、芸術祭新人賞がある。これらは総じて「芸術祭賞」と呼ばれる。 現在の賞の区分および賞金は以下の通り。 大賞:公益財団法人世田谷文化財団 優秀賞:メメントC 優秀賞:伊丹市立演劇ホール 優秀賞:みやなおこ 玉造小劇店「おもてなし」における演技 新人賞:和田正人 Dステ「駆け抜ける風のように」における演技 新人賞:笠井友仁
目次
1 概要
2 文部科学大臣賞(芸術祭賞)
2.1 現在の参加部門と各賞
2.1.1 参加部門
2.1.2 各賞
3 2014年(平成26年)度の第69回文化庁芸術祭賞
3.1 参加部門
4 歴史
4.1 過去に存在した参加部門
5 記念事業・出版など
6 その他
7 関連項目
8 参考文献
9 外部リンク
概要
主催公演 - 執行委員会の企画・依頼によって発表される公演。文化庁は経費の負担や、脚本・楽曲等の募集などを行うことができる。なお、10月1日には芸術祭開幕祝典が行われる。
協賛公演 - 実績のある個人・団体が発表するものの中で、執行委員会が選定・委嘱する公演。文化庁は経費を負担することができ、公演の広報・宣伝にも努める。
参加公演 - 芸術祭に参加を希望する個人・団体の中で、参加にふさわしいと各部門の審査委員長が認めた公演。
参加作品 - 芸術祭に参加を希望する個人・団体の中で、参加にふさわしいと各部門の審査委員長が認めた媒体作品。
文部科学大臣賞(芸術祭賞)
受賞対象企画性に富み意欲的な内容を有し、芸術祭にふさわしいと認められた参加公演・参加作品のうち、優れた成果をあげた者・団体
会場明治記念館
リーガロイヤルホテル
※第69回(2014年度)現在
国 日本
授与者文化庁
報酬賞状(文部科学大臣賞)、トロフィー、賞金
初回1947年
現在の参加部門と各賞
参加部門
演劇部門
音楽部門
舞踊部門
大衆芸能部門
テレビ・ドラマ部門
テレビ・ドキュメンタリー部門
ラジオ部門
レコード部
各賞
芸術祭大賞(賞金:60万円)※1968年度までは「芸術祭賞」
芸術祭優秀賞(賞金:30万円)※1968年度までは「芸術祭奨励賞」
芸術祭新人賞(賞金:20万円 / 演劇・音楽・舞踊・大衆芸能の各部門)※1995年度から
2014年(平成26年)度の第69回文化庁芸術祭賞
参加部門
演劇部門
音楽部門
大賞:清元美寿太夫・清元美治郎「二人会」 「二人会」の成果
大賞:学校法人大阪音楽大学 「鬼娘恋首引」「Curlew River」の成果
優秀賞:近藤伸子 近藤伸子ピアノリサイタルの成果
優秀賞:新内志賀
新内志賀の会の成果新人賞:田島謙一 田島謙一尺八リサイタルの成果
新人賞:石堂翠子 石堂翠子歌の会の成果
舞踊部門
大賞:横浜能楽堂 「琉球舞踏 古典女七踊」の成果
大賞:地主薫バレエ団 [アリ・ババと40人の盗賊」の成果
優秀賞:中村梅彌 中村梅彌の会の成果
新人賞:久保紘一 「ドラキュラ」公演における芸術監督の成果
新人賞:川崎麻衣 「眠れる森の美女」における風呂里奈王女の演技
大衆芸能部門
大賞:三遊亭遊馬 三遊亭遊馬独演会の成果
大賞:キダ・タロー 音の語り部 キダ・タロー博覧の成果
優秀賞:有限会社スタス スタスレビューファンタジー2014の成果
優秀賞:林家花丸 林家花丸独演会の成果
新人賞:蜃気楼龍玉 「お直し」の話芸
テレビ・ドラマ部門
大賞:株式会社テレビ朝日 山田太一ドラマスペシャル『時は立ち止まらない』
大賞:中京テレビ放送株式会社 マザーズ
優秀賞:株式会社BS-TBS 『おやじの背中』「ウエディング・マッチ」
テレビ・ドキュメンタリー部門
大賞:日本放送協会 君が僕の息子について教えてくれたこと
優秀賞:長崎放送株式会社 人間神様
優秀賞:日本放送協会 女たちのシベリア抑留
優秀賞:株式会社WOWOW 愚安定遊佐 ひとり芝居を生きる
ラジオ部門
大賞:株式会社エフエム福岡 ラジオドラマ『鉄の河童』
優秀賞:株式会社山梨放送 ラジオドラマ『婚活バスは、ふるさとへ』
優秀賞:東海ラジオ放送株式会社 大衆演芸場繁盛記?笑ってさよなら
優秀賞:日本放送協会 『語り出す被爆遺品?69年目に明らかになる真実』
文部省社会教育局の芸術課長を務めていた作家・今日出海(後に初代文化庁長官)の提唱により、1946年(昭和21年)9月5日 - 10月31日に第1回が開催された。翌年の第2回より、演劇と音楽の2部門で贈賞を開始。以後その贈賞の対象となる参加部門が増設されていった。 1985年(昭和60年)度の第40回には、舞台芸術を中心とした祭典を目指すべく、参加部門が演劇・音楽・舞踊・演芸の4部門に縮小された。同時に贈賞についてもコンテストの色合いを抑えるため、「大賞」「優秀賞」といった区分が廃止され、「芸術祭賞」に一本化された。ただし、これらは1994年度の第49回をもって終了し、1995年度の第50回以降は再び「大賞」「優秀賞」という区分がなされている。 参加部門縮小にともなって芸術祭から分離した媒体芸術、すなわち映画・テレビ・ラジオ・レコードの4部門については、新たに「芸術作品賞」(文化庁主催)が設けられた。同時期の芸術祭と同様、こちらも贈賞について区分はなく「芸術作品賞」だけであった。映画は1989年度まで、テレビとラジオは1995年度まで、レコードは1998年度まで設けられていた。 その後、映画については芸術祭へ戻ることなく独立。「文化庁優秀映画作品賞」(1990年(平成2年) - 1998年(平成10年))、「文化庁優秀映画賞」(1999年 - 2002年)を経て、2003年からは「文化庁映画賞」を設けている(文化記録映画作品と映画関係功労者が対象)。一方、テレビ・ラジオ・レコードの3部門については、再び芸術祭の参加作品部門へ戻された。
レコード部門
歴史
過去に存在した参加部門
能楽部門 (古典部門、古典芸術部門) … 第3回(1948年度) - 第39回(1984年度)。演劇部門へ統合