文法用語については「数 (文法)」をご覧ください。
数(かず、すう、英: number)とは、
ものの順序を示す語[1]。また、その記号[1]・数字[1]。
個々の物(もの)や事(こと)が、(全体または一定の範囲で)いくつあるか(あるいは何回おきるか)ということを表すもの[1]。
ITなど特定の分野においては「数値(すうち)」ともいう。 数の概念は人類の歴史とともに、非常に長い年月をかけて、ゆっくりと、徐々に、拡張されてきた。 もっとも素朴な数は、ものの順番や個数としての自然数である。つまり「1, 2, 3, ....」などという数である。 その自然数に加えて、古代バビロニアや古代インドにおいて、現代で言う「ゼロ」に似たような概念を使おうとする人が現れた。なお、「1, 2, 3, 4, 5...」という概念しか知らなかったところに加えて、「ゼロ」という概念を発明し 数を拡張したことは、数学の長い歴史の中でも特に大きな跳躍だった、とされることがある。「無い」ということを「ひとつの概念」として扱おうとしたこと、つまり、(最初は引き算などの中で)自然数では表記できない事例に遭遇した時に、単に文章の中で「(何かが)無い」「...をすると、(ちょうど、それが)無くなる」などの表現をして終わらせるのでなく、その状態を「ひとつの概念」として意識を向けてそれを扱おうとしたことや、特定の記号でその概念を表現しようとしたことや、その状態まで含めて(大胆にも)「『数』の一種」だと位置付けようとしたこと、などが行われたことによってはじめて、(ゼロを発明した当時、発明した人も、そんな展開になるとは夢にも思っていなかったであろうが)現代の広大な数の体系へと続く長い道のりが始まった。そもそも先例も無く、思考の足掛かりらしい足掛かりも無いのに、「ゼロ」という概念の萌芽のようなものを最初に思いつく、ということ自体が人類にとって非常に大変なことであった。また、「無い」ことを概念として本当に扱ってよいのか?思考の対象として良いのか?良くないのか? ということすら良く判らず、非常に長い間、得体の知れない、不気味な概念だった。また、(現在の「ゼロ」に比べれば不完全な形ながらも)やっとなんとか「ゼロ」に近いものを思いつき、扱ってみようと試みる人が現れた後も、そのアイディアを口にしたり文章に書いたりすると、「そんな妙なアイディアは認めるべきでない」や「危険なアイディアだ」などと否定する人のほうがはるかに多く、結局、古代ギリシア文明のように「ゼロ」概念を(文明全体として)否定(や禁止)してしまったものもあったなど、古代のさまざまな文明で「ゼロ」という概念を巡り人々は迷い、争い、葛藤した[2]。 長い時代を経て、自然数にゼロ(零)、およびひとつひとつの自然数と一対になっている「負の数」という概念(今で言う「負の整数」という概念)を加えることで、「整数」(英: integer)というまとまりが考えだされた。なお、この段階では「自然数」「ゼロ」および「負の数」で、「全ての数」と考えられていた(信じられていた)ので「integer」と呼ばれていたのである(もともとintegerとは「全体」や「欠けの無い」という意味を持つ)。 さらに整数の商を考えて有理数と拡張され、四則演算が自由に行える体系を得る。有理数から実数への拡張はこのような演算とは異なるギャップを埋めることで得られ、代数方程式の解法を通じて虚数を含む複素数へと拡張された。複素数を構成するさまざまな数どうしの関係を表す図。 フランスの数学者、アンリ・ポアンカレは「数」の定義は難しく、0、1などを厳密に定義するのは難しいと説明している[3]。 数の分類(十進法の場合) 複素数 : C {\displaystyle :\;\mathbb {C} } 実数 : R {\displaystyle :\;\mathbb {R} } 有理数 : Q {\displaystyle :\;\mathbb {Q} } 整数 : Z {\displaystyle :\;\mathbb {Z} } 0 00 0 00(自然数に0を含めない場合) - 偶数 自然数 : N {\displaystyle :\;\mathbb {N} } 00 奇数偶数
数の概念
数の体系
数概念の拡張の歴史
自然数 → 整数 → 有理数 → 実数 → 複素数
複素数 - 虚数、実数
複素数 - 代数的数、超越数
実数 - 無理数、有理数
有理数
整数 - 自然数、負の整数
自然数 = 正の整数
(代数的数)
0-0(自然数に0を含む場合)
11-
素数2以外の素数2