数学記号の表
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .hatnote{margin:0.5em 0;padding:3px 2em;background-color:transparent;border-bottom:1px solid #a2a9b1;font-size:90%}

導入年別の表については「数学記号の表 (導入年別)」をご覧ください。

「数学記号」はこの項目へ転送されています。ウィキペディアにおける数式の書き方については「ヘルプ:数式の書き方」をご覧ください。

数学的概念を記述する記号を数学記号という。数学記号は、数学上に抽象された概念を簡潔に表すためにしばしば用いられる。

数学記号が示す対象やその定義は、基本的にそれを用いる人に委ねられるため、同じ記号に見えても内容が異なっているということがあれば、逆に、異なって見える記号が同じ対象を示しているということもある[注 1]。従って本項に示す数学記号とそれに対応する数学的対象は、数多くある記号や概念のうち、特に慣用されうるものに限られる。
記号論理の記号

以下の解説において、文字 P, Q, R はそれぞれ何らかの命題を表すものとする。

記号意味解説
∧ {\displaystyle \land } 論理積、連言 (AND)「P ∧ Q」は「命題 P と命題 Q がともに真」という命題を表す。
∨ {\displaystyle \lor } 論理和、選言 (OR)「P ∨ Q」は「命題 P と命題 Q の少なくとも一方は真」という命題を表す。
¬ {\displaystyle \neg } 否定 (NOT)「¬P」は「命題 P が偽」という命題を表す。
⇒ {\displaystyle \Rightarrow } 論理包含、含意「P ⇒ Q」は、「命題 P が真なら必ず命題 Q も真」という命題を表す。P が偽の場合は P ⇒ Q は真である。
→ {\displaystyle \rightarrow }
⇔ ,   iff ,   ≡ {\displaystyle \Leftrightarrow ,\ {\text{iff}},\ \equiv } 同値「P⇔Q」、「P≡Q」は P と Q の真偽が必ず一致することを意味する。iff は if and only if の略である。
⊨ {\displaystyle \vDash } 論理的帰結、伴意主に意味論的な帰結関係に使われる。

「Γ ? φ」と書いて「Γの全ての論理式が真であるなら、論理式φが真である」を意味する。

「M ? Γ」と書いて「(事前に定まっている理論の)モデルMにおいて、Γに属する論理式がすべて真である」を意味する。

「? φ」と書いて「(事前に定まっている理論の)任意のモデルにおいて、論理式φが真である」を意味する。

⊢ {\displaystyle \vdash } 推論主に形式的な帰結関係に使われる。「Γ ? φ」と書いて、論理式の集合(または多重集合)Γから、形式的に論理式φが推論できることを表す。
∀ {\displaystyle \forall } 全称限量記号しばしば ∀x∈S(P(x)) のように書かれ、集合 S の任意 x に対して命題 P(x) が成立することを表す。
∃ {\displaystyle \exists } 存在限量記号しばしば ∃x∈S(P(x)) のように書かれ、集合 S の中に条件 P(x) を成立させるような元 x が少なくとも1つ存在することを表す。
∃ 1 ,   ∃ 1 ,   ∃ ! {\displaystyle \exists _{1},\ \exists 1,\ \exists \,!} 一意的に存在しばしば ∃1x∈S(P(x)) のように書かれ、集合 S の中に条件 P(x) を成立させるような元 x が唯一つ存在することを表す。他の記法も同様である。
∴ {\displaystyle \therefore } 結論文頭に記され、その文の主張が前述の内容を受けて述べられていることを示す。ゆえに。
∵ {\displaystyle \because } 理由・根拠文頭に記され、その文の内容が前述の内容の理由説明であることを示す。”なぜならば”。
:= ,   :⇔ {\displaystyle :=,\ :\Leftrightarrow } 定義「A ? X」は、A という記号の意味するところを、X と定義することである。「A :⇔ X」とも書く。また " = {\displaystyle =} " の上に " d e f {\displaystyle \mathrm {def} } " ないし " △ {\displaystyle \bigtriangleup } " を書くこと( = d e f , = △ {\displaystyle {\stackrel {\mathrm {def} }{=}},{\stackrel {\bigtriangleup }{=}}} )もある。   :⇔ {\displaystyle \ :\Leftrightarrow } は命題を定義するときに使い、 := {\displaystyle :=} は何らかの数量や対象を定義するときに使う。

集合論の記号

以下の解説において、S, T は任意の集合を、 ∙ {\displaystyle \bullet } は記号の作用素を表す。

記号意味解説
{   :   } ,   {   ∣   } ,   {   ;   } {\displaystyle \{\ :\ \},\ \{\ \mid \ \},\ \{\ ;\ \}} 集合の内包的記法
(英語版){ (代表元) : (代表元の満たすべき条件)} のように用いる。例えば {x  |  x ∈ S, P(x)} は S の元のうち、命題 P(x) が真であるものすべてを集めた集合を意味し、これはまた {x ∈ S | P(x)} のようにもしばしば略記される(「x ∈ S」のような条件が省略されている場合、無制限の内包(英語版)であるか紛れのおそれがないので省略したのかは文脈を読むべきである)。
∈ ,   ∋ ,   ∉ ,   ∌ {\displaystyle \in ,\ \ni ,\ \notin ,\ \not \ni } 集合に対する元の帰属関係「x∈S」は、x が集合 S の元であることを意味する。「x∉S」は、x∈S の否定、すなわち x が S の元でないことを意味する。
= {\displaystyle =} 集合の一致「S = T」は集合 S と集合 T が等しいことを示す。
≠ {\displaystyle \neq } = {\displaystyle =} の否定「S ≠ T」は集合 S と集合 T が等しくないことを示す。
⊆ ,   ⊇ ,   ⊂ ,   ⊃ , {\displaystyle \subseteq ,\ \supseteq ,\ \subset ,\ \supset ,} ⊊ ,   ⊋ ,   ⊄ ,   ⊅ {\displaystyle \subsetneq ,\ \supsetneq ,\ \not \subset ,\ \not \supset } 集合の包含関係「S ⊆ T」は S が T の部分集合であることを意味する。必要に応じて「T ⊇ S」とも書く。他も同じ。

⊆ は S と T が等しい場合を含み、真部分集合に対しては ? が用いられる。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:92 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef