敦煌
Dun-Huang
監督佐藤純彌
脚本佐藤純彌
吉田剛
原作井上靖「敦煌」
製作武田敦
入江雄三
製作総指揮徳間康快
ナレーター大滝秀治
出演者西田敏行
佐藤浩市
柄本明
田村高廣
中川安奈
三田佳子
渡瀬恒彦
音楽佐藤勝
撮影椎塚彰
編集鈴木晄
製作会社大映
電通
配給 東宝
トライマーク・ピクチャーズ[1][2]
公開 1988年6月25日
1988年11月16日
1991年12月13日
1992年1月31日[3]
上映時間143分
製作国 日本
中国
言語日本語・中国語
興行収入82億円[4]
配給収入45億円[5]
テンプレートを表示
『敦煌』(とんこう、中: Dun-Huang;英: The Silk Road)は、1988年の日本・中国合作映画。1989年の第12回日本アカデミー賞で複数受賞をした(⇒ #受賞)。原作は井上靖の小説「敦煌」。 北宋のころ、主人公・趙行徳は科挙の最終試験殿試を受けるため首都開封府にやってきた。行徳に出された問題は「西夏対策を論ぜよ」であったが、西夏が単なる辺境だと思っていた行徳はまともに答えることが出来ず、受験に失敗する。 次回の科挙は3年後であり、失望感のあまり自暴自棄になっていた行徳は、西夏出身の女と知り合ったことから西夏に興味を持ち、西へと旅する。しかし、途中で西夏の傭兵の漢人部隊に捕獲されてその兵に編入されてしまう。しかし、漢人部隊々長の朱王礼は行徳に目を掛け、彼を漢人部隊の書記に抜擢する。辺境だとばかり思っていた西夏は、シルクロードの拠点として仏教文化の華開く砂漠のオアシスだった。西夏軍がウイグルを攻略した際、行徳はウイグルの王女・ツルピアを助けて匿い、やがて彼女と愛し合うようになる。やがてその才能を認められた行徳は、西夏の首都への留学を命じられ、ツルピアの庇護を朱王礼に託して旅立つ。 しかし留学期間が延び、ようやく西夏に戻ったときには、ツルピアは西夏の皇太子・李元昊のウイグル支配の手段として、強制的に彼の妻となることになっていた。婚礼の席上、ツルピアは李元昊を殺害しようとするが失敗、そのまま城壁から身投げしてしまう。李元昊に対して反感をつのらせた朱王礼は、李元昊が敦煌を制圧してそこに入城する機をとらえて反乱をおこすが、すんでのところで李元昊を逃してしまい、壮絶な戦闘の後に戦死する。戦乱の中で大混乱に陥る敦煌。行徳は敦煌の文化遺産を戦乱から守ることを決意し、貴重な書籍や経典を敦煌郊外の石窟寺院に運び出しに成功し、後世に敦煌文献として遺された。
あらすじ
出演
朱王礼:西田敏行
行徳が入隊した西夏漢族部隊の長であるが、特に識字能力のある行徳を目にかけて、首都・興慶に留学させる。ツルピアの保護を行徳から引き受けたが、行徳の帰りが遅いので君主に奪われ、帰ってきた行徳を責めるもツルピアの死後、行徳を除隊させる。
趙行徳:佐藤浩市
北宋出身者。科挙に失敗した日に売りに出された西夏の女を助けたことがきっかけで、隊商に混ぜてもらい、西夏へ行くことにした。王礼に留学を進められるが、代わりにツルピアの保護を代わりに頼んだ。その後、王礼の軍隊が解体状態となり、王礼は彼を軍籍から解放する。
李元昊:渡瀬恒彦
西夏の君主。王礼がツルピアをかくまっていたのを知り、西夏の利益になると考えてツルピアとの結婚を画策してしまう。
呂志敏:柄本明
行徳と一緒に隊商に入り、西夏軍に確保された。けがで歩けなくなり、王礼に切られそうになるが、未遂で終わり、延恵に救助される。だが、その時の後遺症で聾唖者になってしまった。
曹延恵:田村高廣
志敏を助けた敦煌の大家。君主(李元昊)に対して、太守にしてほしいと訴えるが断られてしまい、自暴自棄となり、志敏たちがすくった書物などを入れた洞窟もろとも道連れに爆死しようとして、死ぬ。
段茂貞:新藤栄作
ツルピア王女:中川安奈
ウイグルの王女(原作では王弟の娘)。恋人が行方不明になって探したところ、行徳に確保される。その後、王礼の保護を受けるが、李元昊に強引に王妃にさせられそうになり、自殺死。
西夏の女:三田佳子
科挙に失敗した行徳が町に出ると、売りに出された人。行徳は彼女の身代金を払い、彼女を救出。代わりに、行徳にイルガイ(興慶と思われる)の通行許可書(パスポート)を渡される。
漢人の無頼漢:綿引勝彦
「西夏の女」を街中の市場で売りだしていた男。原作では、「西夏の女」曰く、「ウイグル出身」らしいとのこと。
尉遅光:原田大二郎
行徳を隊商に入れて、西夏へ連れてきた男で、もともとは于?の王族だったらしいが、李元昊によって王族の資格を奪われたらしい(この当時はホータンは滅びていなかった)。今でも元王族のプライドはあって、「うちは西夏やウイグルよりも格上」と行徳に豪語する。
没蔵嗣文:蜷川幸雄
志敏と一緒に洞窟に書物などの保護をしている。
野利仁栄:鈴木瑞穂
孫史衝:辻萬長
呉憲:伊藤敏八
劉智順:頭師孝雄
陳玄達:頭師佳孝
絵師:加藤和夫
松村冬風、山田明郷、木村栄、森岡隆見、天田益男、宮坂ひろし、小林清志、勝生真沙子ほか
スタッフ
監督:佐藤純彌
脚本:吉田剛
ナレーター:大滝秀治
音楽:佐藤勝、佐藤純彌
製作:武田敦、入江雄三
製作総指揮:徳間康快
撮影:椎塚彰
照明:梅谷茂
美術:徳田博、冠鴻烈
編集:鈴木晄
録音:橋本泰夫
整音:橋本文雄
音響効果:斎藤昌利
衣裳デザイン:柳生悦子、田代洋子
プロローグ・タイトルクレジット:ソウル&イレーヌ・バス
題字:飯島春敬
視覚効果:中野稔
技斗:久世浩
セカンドユニット監督:松永好訓
現像:IMAGICA
スタジオ:にっかつ撮影所、大映スタジオ
協賛:日本航空、中国民航
プロデュース:結城良照、馬万良、佐藤正大
統括:木暮剛平
製作顧問:春名和雄
製作者:武田敦、入江雄三
合作公司代表:時継純
八一廠代表:徐潮
特別製作:丸紅
特別協賛:松下電器産業
提携:日本テレビ放送網
ロケ協力:中国文物事業管理局、甘粛省人民政府、敦煌市、酒泉市、嘉峪関市
製作協力:IMAGICA、徳間書店、東光徳間