散歩の日々(さんぽのひび)は、1984年(昭和59年)6月に「COMICばく1」(日本文芸社)に発表されたつげ義春の24頁からなる短編漫画作品[1]。のちの1998年9月28日の24:45 - 25:15にテレビ東京でテレビドラマ化され放送された。 1984年、47歳のつげは体調不良で家族サービスのため伊豆の湯ヶ野
目次
1 概要
1.1 畑中純
2 あらすじ
3 二作目
4 テレビドラマ
4.1 ストーリー
4.2 キャスト
4.3 スタッフ
5 脚注
6 出典
概要
仕事がこなくて暇になった漫画家の退屈な日常を描いたもので、シリーズ化するつもりでストイックな生き方をする中年の主人公という設定で描き、顔はこれまでにない静かで端正なタイプとなり、権藤晋は漫画的であるよりも文学的な表情と評した。つげ自身は最初は中年として書くつもりが途中から顔が若くなり、妻の顔も想定よりは若い感じになったが本当は中年として描きたかったという。しかし、漫画の世界では特に女性は中年を描くと受け入れられない風潮があり、妻の顔はかわいく描いた。夫婦ともに物静かな印象が強いが、当時はノイローゼがひどく、変化を好まず片隅で静かに生きたいという個人的な願望があったためである。その結果、作品は一人称で淡々と進んでいく雰囲気が濃厚である。また男の子が登場するのはこの作品が最初である。また、最後にお金を盗むシーンを挿入したのは、あまりに淡々とした日常を描くことで読者を退屈させないための工夫であるが、最後まで入れるかどうかは迷ったとしている[1]。 『COMICばく』はつげ作品の発表の場として夜久弘が編集長となり新たに発刊された雑誌だったが、作中のH君を夜久はつげと同じ町内に住む畑中純だと直感した。夜久は畑中の仕事場で多くのイラストを見る機会を得たが、鳥や魚、獣をイメージの世界に自由に遊ばせ際限なく描き続けた作品の一部を「月夜の音楽会」と題して創刊号巻頭に11頁にわたり掲載(カラー3枚、モノクロ6枚)した[2]。 原稿依頼の来ない漫画家が暇を持て余し、野川に沿ってG寺までの散歩を日課としていた。ある日に、子供連れで境内に入ったところ、賭け事をしている男たちに出会い、参加したもののポケットに入れていた300円を負けてなくしてしまう。ジュースをほしがる子供に買ってやることもできず、古本屋へ赴くと夜祭り この作品には、連作として2作目がすでに構想されていたが、作品化されなかった[1]。 出張する散髪屋の話で、床屋を構えるほどの資金もない散髪屋が物売りのようにやってくるのを気の毒に思い、自分の子の散髪を依頼する。ベランダで散髪するのだが、毎月やってくるようになり親しくなったため、家を聞きだし行ってみると、いま時珍しいボロ家だった。ボロ家には巨大な椎の木があって、いつも出張してもらうのも悪いような気になった主人公が散髪をしてもらうためにその家に行く。庭で散髪をしてもらった主人公は坊主刈りであるために椎の実が頭にコツンコツンと落ちてきて、よいムードに浸るという筋書きである[1]。 作品化されなかったのは『ばく』の連載が忙しくなったことと、その後『無能の人』へ傾倒していったためである。『ばく』に作品を発表し始めた当時は3年間ほど描いていなかったため、作品の構想はいくらか溜めていた。『散歩の日々』も発表のずっと以前から構想していたものである[1]。 つげ義春原作のドラマシリーズ『つげ義春ワールド』[4]の1本として製作された。CMディレクター・映画監督の長尾直樹のテレビドラマ初演出作品。 わたし(豊川悦司)は売れない漫画家である。妻が封筒張りの内職をして生活を支えている。暇なわたしは、いつもポケットに300円を入れて散歩の日々であった。しかしある日、神社で博打遊びに興じる職人につきあい大事な300円をすってしまう。 [ヘルプ]
畑中純
あらすじ 野川(入間川との合流点付近。)
二作目
テレビドラマ
ストーリー
キャスト
豊川悦司
木村多江
小野田英一
山本義孝
スタッフ
原作:つげ義春
企画:中沢敏明
プロデューサー:相原英雄、菅原章
アシスタントプロデューサー:川島裕、阿比留一彦、宮崎大
撮影:渡辺真
照明:小中健二郎
美術:中道隆
音楽:梅野貴典
監督・脚本:長尾直樹
制作:プラネットエンターテイメント
製作:丸紅、電通、プラネットエンターテイメント
脚注
^ a b c d e f 『つげ義春漫画術(下巻)』(1995年10月 ワイズ出版)
^ COMICばくNO.1(1984年春季号)
^ 『つげ義春漫画術(上巻)』(1995年10月 ワイズ出版)
^ ⇒allcinema
出典
⇒散歩の日々 - テレビドラマデータベース
更新日時:2018年1月13日(土)15:26
取得日時:2019/07/22 21:34
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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