教育福祉学部
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教育学部(きょういくがくぶ, the Faculty of Education)とは、大学において、教育学教育研究、または加えて教員養成を目的とする学部のこと。特に教員養成系のものについていえることであるが、名称からのイメージとは関係なく学際的である。


目次

1 日本の教育学部

1.1 国立大学

1.2 公立大学

1.3 私立大学


2 日本の国立大学における教育学部の歴史

2.1 成立期

2.2 創成期

2.3 教員養成課程の縮小

2.4 教員大量退職時代を迎えて


3 卒業後の進路

4 取得できる主な資格

5 教員養成系の学部を置く国立大学

5.1 教育学部の名称を持つ大学

5.2 他の教員養成系学部名称を持つ大学


6 過去において教員養成系学部を有した国立大学

7 教育学系の学部・群を有する国立大学

8 教育学部を置く公立大学

9 教育学部を置く私立大学

10 脚注

11 関連する学部

12 関連項目

13 外部リンク


日本の教育学部

日本国内においては、教育学部は、多くの国立大学に置かれているほか、若干の私立大学にも置かれている。公立大学では福山市立大学のみが設置している。このような事情から、日本の教育学部に関しては、国立大学が主導的な役割を果たしていると考えられている。

なお、学士称号の扱いであった際は、ゼロ免課程(後述)以外の学生は、教育学部を卒業すると「教育学士」と称することができた。1991年平成3年)の学士の学位への昇格にともない表記が変更となり、現在、教育学部を卒業して授与される学位としては「学士(教育学)」や新課程の「学士(教養)」「学士(学術)」が主な例となっている。
国立大学

日本の国立大学の教育学部には、一般に「教員養成系」と呼ばれるものと「教育学系」と呼ばれるものの2つがある。

教員養成系
旧制の(高等師範学校以外の)師範学校の流れをくむもので、小学校教員中学校教員の養成が主な役割である(「歴史」も参照のこと)。従って、教育学を含む諸学問を学校の教育へ応用することを主眼に教育研究がなされる。教育学を含む諸学問を教育研究する主たる目的が教員の養成にあることから、教員養成大学・教員養成学部などとも呼ばれる。
教育学系
旧制の国立総合大学(旧・帝国大学)の文学部法学部、および旧制の文理科大学からの分離独立、もしくは新制大学が発足する際の学部の新設によって成立したもので、教員養成をもっぱらにはせず、教育とその関連領域に関する基礎的な教育研究が主たる役割であり、卒業生の進路は、教育学の研究者、一般企業での人事などの仕事、公務員の一般職である。中には社会科公民科等の教員免許が取得可能な場合もあり、教職に就く卒業生も少数ながらいる。狭義の教育学の他、社会学心理学などの分野を含む。
公立大学

日本国内の公立大学で、教育学部を置く大学は長年なかったが[1]2011年(平成23年)に女子短期大学から四年制大学に転換した福山市立大学に教育学部が設置された。
私立大学

私立日本大学早稲田大学等には、旧学制では高等師範部が併設されていた。第二次世界大戦降伏後、日本大学高等師範部は文学部を経て文理学部に、早稲田大学高等師範部は私立大学としては初めて教育学部に改組された[2]。 他にも教育学部を置く私立大学は、関西学院大学などいくつか存在するが、多くは教育学研究を主眼とするものであり、教員養成を主目的としているのは文教大学常葉大学岐阜聖徳学園大学明星大学秀明大学など少数である。なお、東洋大学では、文学部の中に教育学科が置かれているが、他学科卒業生に対しては「学士(文学)」の学位が授与されているのに対して、教育学科の卒業生に対しては「学士(教育学)」の学位が授与されるなど[3]、文学部の中に置かれていても教育学科についてはその特殊性に考慮している場合もある。

教育学部としては設置していないが、教員養成を行っている大学は多数ある。近年は、幼稚園・小学校教員を中心に養成する学科が増設されている。
日本の国立大学における教育学部の歴史
成立期

第二次世界大戦終了後の学校教育法昭和22年法律第26号)などの施行に伴う学制改革により、就学前教育幼稚園などにおける教育)・初等教育小学校などにおける教育)・中等教育(中学校高等学校などにおける教育)の教員養成は、アメリカ合衆国にならって大学が担うこととなった。このとき、既存の教員養成機関である日本全国の師範学校・青年師範学校も、改組により新制大学への転換を図った。この経緯は教員養成機関も参照のこと。

新制大学では、各学部での専門教育を行うための基礎としてリベラル・アーツ学芸)としての一般教育科目をおくことになった。そのとき、旧制高等学校を母体とする文理学部などを置く大学では、旧制高等学校を母体とする学部が一般教育を行い、旧制高等学校を母体とする学部を置かない大学では旧師範学校の守備範囲の広さも手伝って、新設の学芸学部が一般教育を行った[4]。こうして、「教師という鋳型にはめこむ機関」と後世批判された[5]師範学校は学問領域のほぼ全分野をカバーする総合学部に生まれ変わった。なおこの経緯から新制国立大学の設置された1949年昭和24年)当初、「学芸学部」を持つ国立大学と「教育学部」を持つ国立大学が並立した。


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