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政府通信本部(せいふつうしんほんぶ、Government Communications Headquarters;略称GCHQ)とは、イギリスの情報コミュニティーにおいて、偵察衛星や電子機器を用いた国内外の情報収集・暗号解読業務(シギント)を担当する情報機関である[1]。 機密保持のため、組織上は外務省の機構に含まれ、本部長は外務次官となっているが、実質的には首相直属の独立機関である。イギリス軍基地領域に位置する末端部署は、国防省の機構に編入されている。 前身は第一次世界大戦直後の1919年、ブレッチリー・パークに作られた政府暗号学校(GCCSあるいはGC&CS; Government Code and Cipher School)。第二次世界大戦時、政府暗号学校は、ドイツの解読困難な暗号「エニグマ」を解読できたことで密かに名声を上げた。このことはアラン・チューリングの功績に依るところが大きい。1946年、現在の政府通信本部に改編された。 政府通信本部の庁舎は、2001年に発生したアメリカ同時多発テロ事件で、世界貿易センタービルがハイジャックされた航空機によって攻撃されたのを教訓に、ボーイング747が衝突しても耐えられるよう設計されている[2]。 現在の本庁は、ロンドンの西129km、グロスタシャー州チェルトナムに位置する。職員数は、11,000人に達する。ベッドフォードシャー州チックサンズ、ドイツ、ジブラルタル、トルコ、オマーン、キプロス(アクロティリおよびデケリア)、イースター島に無線傍受施設を有しており、電子スパイ網「エシュロン」に関して、アメリカ国家安全保障局(NSA)と密接な関係を維持している。GCHQとNSAとは姉妹機関であるとされる[1]。GCHQには数百人の言語学者が働き、ヨーロッパ最強のコンピューターシステムが設置されており、いくつかの方面の通信の安全やミサイル発射の確保以外にも、首相の携帯での通信も管理している[2]。
概要