放課後ていぼう日誌
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放課後ていぼう日誌

テレビアニメ版のロゴ
ジャンル釣り[1]部活料理
漫画
作者小坂泰之
出版社秋田書店
掲載誌月刊ヤングチャンピオン烈
レーベルヤングチャンピオン烈コミックス
発表号2017年No.3 -
巻数既刊12巻(2024年5月20日現在)
アニメ
原作小坂泰之
監督大隈孝晴
シリーズ構成志茂文彦
キャラクターデザイン熊谷勝弘
音楽櫻井美希
アニメーション制作動画工房
製作海野高校ていぼう部
放送局AT-Xほか
放送期間2020年4月7日 - 9月22日
話数全12話
その他中断期間あり
ラジオ:放課後ていぼうラジオ
配信期間2020年3月31日 - 9月29日
配信サイト音泉
配信日隔週火曜日
パーソナリティ高尾奏音川井田夏海
ドラマ
原作小坂泰之
監督堀江貴大
脚本宮本武史
音楽フジモトヨシタカ
制作東海テレビ
ハピネットファントム・スタジオ
(プロダクション)
製作NTTドコモ
配信サイトLemino
配信期間2023年6月13日 - 8月8日
話数全9話
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画アニメ
ポータル漫画アニメラジオドラマ

『放課後ていぼう日誌』(ほうかごていぼうにっし、英題: Diary of Our Days at the Breakwater)は、小坂泰之による日本漫画作品。『月刊ヤングチャンピオン烈』(秋田書店)にて、読み切りが2017年No.1に掲載された[1]後、同年No.3から連載中[2]

読み切り版は小坂が第2回ヤングチャンピオンコミック杯で準入選を果たした作品で[1]、小坂の漫画家デビュー作でもある。連載版も、小坂の初連載作となる[2]。読み切り版は部活の名称が「釣り部」になっているなど、設定が一部異なるものの、連載版と一連の作品である。

2021年11月時点で単行本の発行部数が電子版も併せて100万部を突破している[3]

2020年4月より、AT-Xほかにてテレビアニメ化[4]

2023年6月より、Leminoにてドラマ化[5][6]
ストーリー

高校進学に合わせて都会から父親の故郷である臼州地方熊元県[注 1]にある海辺の小さな町・芦方町[注 1]に越して来たばかりの鶴木陽渚。彼女は持ち前の手先の器用さを生かし、手芸部で楽しい高校生活を送ろうと考えていた。しかし漁港の堤防でゆるい釣りをする「ていぼう部」部長の黒岩悠希と出会ったことで状況が一変。陽渚が海野高校の新入生だと知った黒岩の強引な勧誘で、勢いに流されるままに入部することになってしまう。生来、生き物が苦手で釣りの経験もない彼女にとって不本意だったが、黒岩や部員たちとの活動を経て、次第に釣りの楽しさと奥深さを実感していくことになる。
ていぼう部の活動

「ていぼう部」は熊元県[注 1]立海野高校の部活である。同校のOBである陽渚の父によれば、彼の在学時にはすでに存在し学校創立時からあるらしい、とのことである。

ていぼう部の部室は校内にはなく、漁港の近くにあるプレハブ小屋である。学校からは距離があるため、部員たちは基本的に自転車か、顧問教員の運転する自動車で移動する。部のOBであるたこひげや店長によれば、かつては男子部員もいたが、一時期、男子部員は学校から遠い部室に集まるのを嫌い勝手に釣りに行ってしまうため全員退部となり、以降は部員が女子のみになった、とのことである。作中で描かれる年度の部員は女子のみ4人、前年度も女子のみ5人だった。

「釣ったら食べる」が部のモットーのため、備品としては釣りに必要な道具のほか、調理用具や加熱用のカセットコンロ、七輪なども揃っている。近場への重たい機材の運搬には、かつて漁師からお下がりで貰い、使いやすいように改造を加えながら代々受け継がれてきた、「汎用型運搬台車 海王丸」と称するリヤカーを用いる。

陽が照った屋外での活動がメインとなるため、熱中症予防として帽子の着用は事実上必須である。部活動中の服装は学校指定の制服またはジャージと決められている。また、その上に外套を羽織るのは許容されている。なお、休日や長期休暇中の活動については、服装は自由である。

作中で行われる釣りは、部室がある漁港周辺での海釣りがメインである。有料の遊漁券が必要となる川釣りは、6巻までの範囲では第15話でテナガエビ釣りを行った1回のみ。一方、定番のアジは、子供のアジゴを含めて、数回に渡って竿などを変更して釣っている。その他、漁協が開放している干潟での潮干狩りや、沿岸の無人島で日帰りの釣りツアーなどをしており、夏休みには長咲県伍島列島富久江島[注 1]での合宿が恒例である。ただし合宿費用は部費だけでは賄えず、直前にたこひげやの運営する海の家でのバイトも恒例となっている。なお合宿などは、自分たちで張ったテントで過ごし、食事は釣果や物々交換のみで賄う、陽渚にとってはサバイバル色の濃い催しである。

活動費用は学校が出す部費以外に、海水浴場の海の家でのアルバイトや大潮で干上がった海底から清掃奉仕も兼ねて回収したルアーのうち、状態の良い品をフリーマーケットで販売するなどで賄っている。また、傷んだルアーも修理して自分達で使うことで、部費の節約に役立てている。なお、回収したルアーは拾得物として警察に届け、3か月経って所有権が移った後に使用している。

15cm以下の稚魚や、潮干狩りの稚貝、テナガエビの繁殖期で卵を抱いて育てていたメスなどは、取れても資源永続確保のために成長や繁殖に期待して放流している。

心無い釣り人が捨てたゴミの釣り糸がアオサギの足に絡まった際は、捕獲は役所の許可が必要なので救助目的で捕獲の許可を取って捕獲し、釣り糸を取って救助するなど活動の幅は広い。
登場人物

・出演者は、テレビアニメ版 / ドラマ版の順に掲載。
鶴木 陽渚(つるぎ ひな)
声 - 高尾奏音[7][8] / 演 - 莉子[6]本作の主人公。高校1年生でクラスは1年A組。部活で使用する、腰に装着する膨張式ライフジャケットの色はピンク色。帽子は、当初は黒岩から麦わら帽子を借りて使い、部員たちから新しい帽子をプレゼントされて以降はそれを愛用している。入学前に悠希と遭遇し強引に入部させられるが、最初に体験したアジゴ釣りが楽しめたことと、幼馴染の夏海が既に入部していることもあって部活を続けることにする。普段は大人しく、内向的な性格である。ただし負けず嫌いで、夏海や悠希に悪態をつくこともある。釣果が悪いと「くそー」など下品な言葉遣いになり、夏海にたしなめられることもある。運動神経は悪く、体力がない。「ていぼう部」に入る前はインドア派で、帽子や屋外活動用の服も持っていなかった。入部までは釣りの経験も全く無かった。釣りの技術は上達中だがまだまだで、原作ではキャスティングの際に「ヘロヘロ?」等の擬音が添えられることが多い。釣りに対する向上心や探究心はあり、父親の所有するパソコンを使ってインターネットで魚や釣り方の情報を調べるなどしている。水泳能力はかろうじて犬かきができる程度で自力ではほとんど泳げない。ただし大野ほど水に対する恐怖心はなく、足がつく深さなら平気で、足がつかなくとも浮き輪などがあれば問題ない。幼いころに芦方町に来た際、海で一緒にフロートマットに乗っていた夏海が飛び込んでしまったためにバランスを崩し落ちて溺れたことがあり、それが水泳への苦手意識に繋がっているようである。生き物全般が苦手で、手や足に触れただけで激しく取り乱し、露出したタコの内臓やマゴチの姿料理を見ただけで失神する。虫は特に苦手で、虫餌を使う釣りだと聞くと一気に逃げ腰になる。生き物嫌いは、4歳のころに芦方町[注 1]で白い猫に引っかかれ、白い犬に飛びつかれて眉の上を2針縫う怪我をしたことに起因する。これは夏海が、当時自宅で飼われていた2匹を陽渚に見せようとした際の出来事だった。勉強も不得意で、学校の成績は中の下。記憶力はあまり良くなく、幼少時に溺れたことも、動物嫌いの原因が夏海だったことも覚えていない。料理の経験もあまり無いようで、大野に教わりながら下ごしらえや調理を行うことが多い。魚を捌くのも苦手で、内臓や血を見て失神することもしばしばである。なお、調理時に魚をぬいぐるみだと思い込むことで、夏海や黒岩に「マシーンになった」と称される、無意識で呆然自失になりながらも作業をこなす状態になることがある。趣味は手芸で、それによる手先の器用さは「ていぼう部」でも活かされている。「ていぼう部」の部活にも手芸道具は持ってきており、暇を持て余した際などにフェルト細工をニードルで突いていることがある。自宅2階にある自室には、大量の自作ぬいぐるみが並べられている。なお、その後一度だけ手芸部を訪れたことがあるが、海野高校手芸部は男子部員ばかりだったので入部は断念した。絡まった糸を見ると放っておかない性分で、どうにかしてほどきたくなってしまう。可愛いものが好き。初めてアジゴの下ごしらえをさせられた際には、ぬいぐるみだと思い込むことで半ば放心状態ながらこなしており、慣れるためとして直後に実際に、内臓を外せるアジゴのぬいぐるみを自作している。コモンフグが釣れた時は小柄で可愛い見かけに心を奪われるが、歯が強靭で釣り糸を切断してしまう、毒があって食べられないなど、釣り人に嫌われるやっかい要素満載であることを夏海に指摘されて、冷めてリリースしている。
帆高 夏海(ほだか なつみ)
声 - 川井田夏海[7][8] / 演 - 池間夏海[6]「ていぼう部」部員。高校1年生で、クラスは1年B組。膨張式ライフジャケットの色は水色。帽子はサンバイザーを使うことが多い。陽渚が小学校3年生以前の夏休みに芦方町の祖父の家を訪れていたころの幼馴染。黒岩を姉の様に慕い普段は「ユウ姉」と呼んでおり、「部活では部長と呼べ」とたしなめられることもしばしば。体を動かすことが好きで、夏は日に焼けている。陽渚とは対照的に陽気で順応力が高い。料理の経験もそれなりにあるようで、魚は一通り捌ける。運動全般も得意で、泳ぎも上手である。生き物もウミケムシ以外は平気で、多少のことでは物怖じしないため、陽渚からは野生児だと思われている。見かけによらず成績は優秀で、中学生の時は常に学年1桁内だったとのことでテスト前に陽渚に勉強を教えている。陽渚の初めてのキャスティング練習の際、釣り針でスカートを捲られたり錘を頭に当てられたりしたため、陽渚の腕前を全く信用しておらず、夏休みの時点でも陽渚がキャスティングをする際には遠く離れて物陰に隠れている。容姿では、八重歯が特徴的。普段は右の前髪をまとめて額の上に跳ねさせた、本人が「でこしっぽ」と称する髪型にしており、また視力が悪くコンタクトレンズを付けている。家では「でこしっぽ」にはしておらず、またコンタクトではなく眼鏡着用である。シーバス釣りにこだわっているが、実際に釣れたのは2回のみ。1度目は中学のころで、嬉しさのあまり父親に写真を撮ってもらおうとしたようである。スマホを持ち歩いており、部活中に陽渚が知らない話題が出ると調べて見せてくれる。ただし、陽渚が怖がりそうな嘘の情報を見せることもある。教え方は下手で、陽渚に対して適当など曖昧な表現や擬音ばかり使う。自宅は母が営んでいる「洋食・喫茶ほだか」という食堂であり、部員たちのミーティングに使われることがある。弟がおり、自宅の自室は弟と同室である。なお、弟は昔バリに刺されたのがトラウマで、以来、釣りは一切やらないらしい。
黒岩 悠希(くろいわ ゆうき)
声 - 篠原侑[7][8] / 演 - 鶴嶋乃愛[6]「ていぼう部」部長。高校3年生で、クラスは3年C組。左利き。膨張式ライフジャケットの色はオレンジ色。帽子は麦わら帽子をかぶっている。部員が足りず部が存亡の危機にあったこと、および、陽渚の手先の器用さを見込んで、強引に部に勧誘した張本人。悪知恵が働き、悪だくみをするときには狐の耳としっぽが生えるイメージ描写がお約束。流暢な熊元弁[注 1]を話す。気だるげで飄々とした態度が目立ち、一見、怠け者のようにも見える。部活にもあまり積極的ではなく、部室にあるソファーで昼寝をしたり、部員たちが釣りをしている様子をデッキチェアに座って眺めているだけだったり、ということも多い。部員たちに卒業後の進路を聞かれた際も、小声で「隠居」と言った後、はぐらかしている。部員に対しては基本的に、放任主義かつ各自の自主性に任せるスタイルである。陽渚がキス釣りを提案した際には仕掛けの選定を陽渚に任せ、疑似餌で全く釣れなかった際も、陽渚がアドバイスを求めに来なかったため直接的な指導はせず、ヒントを与えるに留めた。釣りに関する知識や技術は充分にあり、質問されれば分かりやすく適切な説明を返せる。また、釣った魚の〆を陽渚にさせるなど、部長らしい指導も時には行う。泳ぎは夏海以上に上手い。料理は出来るが、部活では調理に関わることは少ない。靴下やレギンスなどは窮屈で苦手らしく、部室に来るとすぐさま靴下を脱ぎ、部活中は裸足かサンダル履きが基本である。制服姿で脚を広げたりあぐらをかいたり、と、おしとやかさとは程遠く、ファッションにも無頓着で、陽渚や夏海からは「オヤジ臭い」と思われている。ただし、帽子にはこだわりがあるらしく、陽渚へのプレゼントの帽子を選んだのも彼女である。兄がおり、校則で禁止されている二輪免許を取得して兄のおさがりのバイクを時折乗り回している。なおバイクについては、学校の教師の中ではさやかに最初に見つかっており、本来なら停学となるところを、「家庭の事情」により特例で許可をもらったようである。兄と父はたまにしか家に戻らないらしい。
大野 真(おおの まこと)
声 - 明坂聡美[7][8] / 演 - 菊池日菜子[6]「ていぼう部」部員。高校2年生で、クラスは2年C組。膨張式ライフジャケットの色は緑色。帽子はキャップを使うことが多い。生徒会委員もしており、部活への参加が他の部員たちより遅れることがある。眼鏡をかけた大柄な女子で、身長が高いことと胸が大きいことを気にしている。身長は陽渚や夏海と比べ、頭1つ分程度大きい。髪は腰丈程のロングヘアで、部活中はポニーテール状にしていることが多い。眠る際は緩めの三編みにしている。眼鏡を外すことはほとんど無い。一見近寄り難い雰囲気を醸し出しているが、大人しく真面目な常識人。面倒見が良く、陽渚と夏海から慕われている。恥ずかしがり屋で声が小さく、普段は口数が少ない。原作では彼女のみ台詞の文字が小さく書かれていることが多い。釣りや魚が大好きであり、それらに関する事柄については非常に饒舌である。釣具店での買い物や、釣りに向かうまでの道程で、冷静を装いつつもそわそわしていることもある。知識も豊富だが、まくし立てるような早口で専門用語も使った説明をするため、陽渚には理解できない教え方をしてしまうことも多い。なお、母親は釣りに興味が無く、新しい釣具を購入するたびに文句を言われるらしい。家は「大野鮮魚店」という魚屋で、仕事の手伝いなどで力仕事にも慣れている。部活でも機材の運搬をメインで務めるほか、陽渚を抱え上げたり、おんぶして堤防から部室まで運んだりすることも出来る。魚の調理も得意で、釣果を食べる際も調理をメインで担当する他、陽渚への指導もする。小学生の時に初めて父と釣りに行った際、海に転落して溺れかけたのがトラウマで、当初はカナヅチだった。プールなどの水場も苦手でパニックを起こして動けなくなることもしばしば。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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