放課後さいころ倶楽部
[Wikipedia|▼Menu]

放課後さいころ倶楽部
ジャンル
少年漫画テーブルゲーム学園
漫画
作者中道裕大
出版社小学館
掲載誌ゲッサン
レーベルゲッサン少年サンデー
コミックススペシャル
発表号2013年4月号 - 2021年7月号
巻数全19巻
話数全106話
アニメ
原作中道裕大
監督今泉賢一
シリーズ構成前川淳
キャラクターデザイン伊部由起子
音楽片山修志
アニメーション制作ライデンフィルム
製作放課後さいころ倶楽部製作委員会
放送局朝日放送テレビほか
放送期間2019年10月3日 - 12月19日
話数全12話
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画アニメ
ポータル漫画アニメ

『放課後さいころ倶楽部』(ほうかごさいころくらぶ)は、中道裕大による日本漫画作品。『ゲッサン』(小学館)にて、2013年4月号から2021年7月号まで連載された。京都のとある高校を舞台に、アナログゲーム[1]を通じて成長していく少女たちの姿を描く。
作風

作者によれば、アナログゲームのみをテーマとした漫画は知名度が低いとの理由から編集部の反応が悪く、一旦不採用になっていた。そのため女子高生のコンビが毎回様々なホビーを体験する漫画としてネームを作り始め、第1話で綾と美姫が出会い、第2話でアナログゲームが登場したものの、第3話の内容が定まらず、ボルダリングや茶道、カラオケなど様々なテーマで何度も書き直したもののことごとく没となったという。結局編集長より「君が好きなアナログゲーム一本で」との許可が出たため、タイトルも『放課後さいころ倶楽部』と決まった。第1話ではアナログゲームが出てこないのはその名残とのこと[2]

基本的に実在のゲームが1話につき1本登場。登場人物がゲームをプレイするシーンがあり、簡単なルール説明とそのゲームを通じて浮き出る登場人物の友情や恋愛感情といった心情が描かれる。単行本では話の後に作者の知人である丸田康司(アナログゲームショップ「すごろくや」店主)による登場したゲームの解説コラムが掲載されている。

当初は綾と美姫、翠の3名がメインだったが、第30話でアナログゲームの本場であるドイツから来日したエミーリアも加わり4人組となる。そして綾たちが進級して2年生となる直前の第45話(7巻ラスト)でいったんストーリーに区切りがつき、第46話以降は新1年生である奈央と環菜が新たに加わり、2年生に進級したそれまでの登場人物も交えた群像劇となっている。
登場人物

声の項はテレビアニメ版の声優
7巻以前からの主要人物

アナログゲームで遊ぶグループ。2年生に進級して以降は理系文系でクラス分けされるため、第45話でアナログゲーム同好会「放課後さいころ倶楽部」を結成して友情を確認し合ったが、この時以外にサークル名を呼称するシーンは無い。なお、メンバー内で名前を呼ぶ時は表記がカタカナになっている。
武笠 美姫(たけかさ みき)
声 -
宮下早紀[3]人付き合いが苦手な少女。髪型は水色の天然パーマ。大人しく引っ込み思案で、夢中になれるものがなく退屈な毎日を過ごしていたが、綾と出会い「楽しいこと」を探すようになり、翠から教わったボードゲームに今まで知らなかった楽しさを見出す。泣き虫で気弱な性格ゆえ幼少期にいじめられた経験を持ち、その分他人の痛みを理解し思いやりがある。しかしボードゲームのプレイ中においては、負けず嫌いな一面が垣間見えることも。幼いころから他人の顔色をうかがってきた観察力から心理ゲームに強い。また幼いころから物語を作る遊びをしていたためストーリーやイメージを言語化する術に長けており、ディクシットで遊んだ際は途中からメンバー全員がゲームの主旨そっちのけで、美姫の紡ぐ独創的なストーリーに聞き入っていた。反面、描画のセンスはかなり悪く、テレストレーションではその伝達能力の低さが吉岡をキリキリ舞いさせた。両親は山奥で旅館を営んでおり、その旅館とは別の大きな屋敷に住んでいる。母親の実家も金沢で旅館を営んでいる。似た者同士のナオとは当初は意思疎通が上手く行かなかったが、ゲームを通じて距離を縮め、また彼女を思いやって野良猫トラを飼うことになった。東京への進学を決めた吉岡に「一緒に東京の大学へ」と誘われ思い悩むものの、他に東京へ行く目的を見つけられず、最終的には地元に残ることを決めた(進路については明言されていないが、吉岡に誘われた際「たぶん(京都の大学に進学する)」返答している)[4][5]
高屋敷 綾(たかやしき あや)
声 - 高野麻里佳[3]好奇心旺盛でいつも明るい天真爛漫な転校生。おさげ髪に四つ葉のクローバーのピアスが特徴。両親は離婚しており、父親は動物カメラマンとして世界中を飛び回っているため、姉の花と二人暮らしをしている。父親の仕事の関係で幼少期をアフリカで過ごしていた帰国子女で、そのため野生の動物に詳しく、ファウナプレイ時には花と共にその知識を遺憾なく発揮し、周囲を驚かせた。ただし、蛇は大の苦手。メンバーの中で最も社交的で、誰に対しても物怖じせず間を詰めた接し方をするので、人によっては「馴れ馴れしい」という印象を与えることもあるが、持ち前の行動力と無邪気さが人と人とを結びつける。また、寂しがり屋の一面もあり、常に人と関わり賑やかな雰囲気を好む。その一方で人に対する洞察力は鈍く、誰がどう見ても綾目当てで接近する田上の恋心には全く気づかないどころか、田上は翠が好きだと思い込んでおり、それが田上の悩みのひとつ。高校生にしては精神的にやや幼く、感情をストレートに表面に出すため、心理戦を孕むタイプのゲームにはめっぽう弱い。頭も良くなくテストで60点以上を取ったことがない。またスキンシップを好む傾向が強く、すぐメンバーに抱きついたり腕を組んだりする。卒業後は父親の元に行き一緒に世界を回る予定[5]
大野 翠(おおの みどり)
声 - 富田美憂[3]クラス委員長。融通の聞かない優等生で、赤いアンダーリムの眼鏡をかけている。序盤においては特に厳格で大人びた性格だったため同世代の友達がいなかったが、綾達と触れ合うことで徐々に軟化していく。自分の気持ちを素直に出せないが、さいころ倶楽部のメンバーを大切に思っており、なんだかんだ言いながらも面倒見がいい。基本的にはドライで理知的、冷静だが、美姫やエミーなどの可憐なタイプには弱いらしく、「キュン」とすることも。一方、自分と正反対の性格である綾に対しては呆れたりSな言動をぶつけることもあるが、彼女なりの良さを認めている。ボードゲームショップ『さいころ倶楽部』でアルバイトをしている。物心ついたころから大人に混じってボードゲームを遊んでいたが、特に小学6年生のときに兄・涼平と遊んだカタンの開拓者たちにハマったことが切っ掛けで、将来はゲームデザイナーになることを目指している。作中ではゲーム紹介やルール解説も担当する。登場するゲームは彼女の私物であることも多い。周囲の年長者たちに揉まれて様々なボードゲームを遊んだ経験から、ボードゲーム全般に対して造詣が深く、ジャンルを問わず何でもこなすオールラウンダーで勝率は高め。どちらかと言うと、アメリカ製よりもユーロ系のゲームを好む。京都生まれの京都育ちだが「京都弁は曖昧な表現が多く論理的思考に不向き」という理由から普段は標準語で話している。しかし感情が高ぶると京都弁が出ることがある。兄との仲は悪くないが、過去の誤解から涼平の女癖が悪いと思っており、涼平も敢えて誤解させたままにしていたため、涼平に対しては手厳しく、ときに冷静さを欠くこともある。実はプロポーション抜群で、胸の大きさを綾や美姫に羨まれている。卒業後はアメリカへ留学。ジョージの元でゲーム作りを学ぶ[5]。父親の大野泰三は、高級輸入家具販売会社「株式会社OFD」取締役。同社は採用の最終試験にボードゲームを課すことで知られている。また琵琶湖近くの別荘に趣味のボードゲーム専用プレイルームを作るなど、泰三自身もかなりのボードゲーム好きである。
エミーリア
声 - M・A・O[6]30話で初登場。加茂川北高校の近くにオープンしたゲームカフェ「ゲシェンク」店長の娘。ニックネームは「エミー」。父クラウスはドイツ人と日本人のハーフ、母はアイルランド人。金髪碧眼で赤いリボンをしている。ドイツ・ハンブルク出身で9月から加茂川北高校に編入しているが、1年時は他の3名とは別のクラスだった。転入直後から「カワイイ留学生が来た」と男子の間で話題になっており、ファンクラブが存在するという噂もある。ドイツで育ったため小さいころからゲームに親しんでおり、翠と共にゲームの紹介・解説役を担うことも多く、将来は翠と同様ゲームデザイナーを目指している。一番好きなゲームはケルトで、翠に敗れるまでは一度も負けたことがないというやり込みぶり。のんびり屋でマイペース、天真爛漫で綾に似た部分もあるが、その美貌プラス無意識に同性すら激しく萌えさせる言動で、メンバーを骨抜きにすることもしばしば。一方でゲームの本質的な構造に対する分析力は翠以上で、少し遊んだだけで問題点や改善点を見抜く。12巻で自作ゲームをメーカーに持ち込んだ。大幅な改良は必要だが製品化したいと提案された。タランチュラが好きで、ペットとして飼っている。母マリーは仕事でイギリスに赴任していた。父クラウスの帰国前に現れエミーリアの卒業まで保護者として日本にいることになった。卒業後はドイツへ帰国した[5]
8巻以降の主要人物

翠たちの1学年下に当たる。8巻(第46話-第50話)では彼女たちがメインの話が続くが、第51話で上級生である放課後さいころ倶楽部のメンバー全員と知り合いとなり、再び以前からの4名もメインとなるエピソードもみられるようになった。
黒崎 奈央(くろさき なお)
第46話から登場。加茂川北高校の新1年生。金髪で三白眼かつ左耳に3 - 4個のピアスを付け、「大丈夫っス」や「なんスか?」などのように「
」を付けて話す。頻繁に授業をサボるためクラスメイトからは不良と見られており、目つきが悪いなどの理由からクラスでは孤立している。普段は無愛想だが、猫好きで優しく、嘘がつけない素直な性格。ゆえにブラフ系のゲームにはとことん弱いが、反面記憶力が抜群に良く、普通は覚えられない他プレイヤーのプレイまで覚えている。一人の時にはよく携帯ゲーム機でRPGを遊んでおり、アンドールの伝説などのRPG系ボードゲームに関しては飲み込みが早い。両親は離婚しており、ホステスでネグレクト気味な母親と二人暮らし。そのため料理は得意だが、掃除は苦手。小学生のころ、親友の父親が奈央の母親に入れあげて家庭不和に陥ったことから親友に憎まれ、挙句誹謗中傷を拡散されて以来、周囲に心を閉ざすようになった。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:124 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef