放浪息子
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放蕩息子」とは異なります。

放浪息子
ジャンル青年学園トランスジェンダー
漫画
作者志村貴子
出版社エンターブレイン
掲載誌コミックビーム
発表号2002年12月号 - 2013年8月号
巻数全15巻
話数全123話
アニメ
原作志村貴子
監督あおきえい
シリーズ構成岡田麿里
脚本岡田麿里
キャラクターデザイン牧野竜一
音楽神前暁岡部啓一
アニメーション制作AIC Classic
製作放浪息子製作委員会
放送局フジテレビ系列
放送期間2011年1月13日 - 3月31日
話数全11話(オンエア時)
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画アニメ
ポータル漫画アニメ

『放浪息子』(ほうろうむすこ 英題: Wandering Cock)は、志村貴子による漫画作品。『コミックビーム』にて2002年12月号から2013年8月号まで連載された。単行本はエンターブレインから全15巻刊行。性自認に揺らぎを抱える二人の主人公・高槻よしのと二鳥修一の、葛藤や恋愛を経て成長してゆく小学生から高校生までの姿を描く。また、二人の友人や家族など周囲の多くの登場人物の思春期を描いた群像劇でもある。トランスジェンダー異性装男の娘)をテーマとし淡々としながらも温かみのある独特の筆致で描いている。

フジテレビノイタミナ」枠にてテレビアニメ化され、2011年1月から同年3月まで放送された。
あらすじ

「女の子になりたい男の子」である二鳥修一は、転校先の小学校で、背が高くてかっこいい女の子高槻よしのと出会う。最初は女の子になりたいという気持ちを隠し通していた修一だったが、クラスメイトの千葉さおりに偶然女装しているところを見られてしまう。かねてから修一に好意を持っていたさおりは、それ以来彼を積極的に女装させたがるようになり、誕生日にワンピースを贈る。

ある日、遊びに来たよしのに部屋に置いてあったワンピースを発見されてしまい、修一は困惑する。だが、よしのもまた「男の子になりたい女の子」であり、時折男装して遠くの街へ出ているのだった。お互いの秘密を知った2人は、修一がセーラー服を、よしのが学ランを着て、遠くの街で遊ぶことになる。

2人は成長による体の変化に悩み、周囲とのすれ違いに傷つきながらも自分の生き方を模索していく。

単行本15巻のうち、第1-4巻(第1-33話)は小学生編、第5-12巻(第34-96話)は中学生編、第12-15巻(第97-123話)は高校生編となっている。第1話のサブタイトルである「ぼくは、おんなのこ」は、志村のコミックビームへのデビュー作短編(2004年に刊行された単行本『ぼくは、おんなのこ』収録)と同名であり、この短編は主人公が脚本を書く劇中劇として作中に登場している[1]
登場人物
主人公
二鳥修一(にとり しゅういち)
声 -
畠山航輔[2]主人公。女の子になりたい男の子。愛称は「シュウ」や「にとりん」。一人称は「ぼく」。父(博之)、母(さとみ)、姉(真穂)の四人家族。二人姉弟の弟で長男。連載開始時は小学5年生で10歳。お菓子作りが得意。普段はとても大人しく優しい性格で、他人に逆らうこともほとんどないが、たまに周囲が驚くような思い切った行動に出る。女装姿は普通の女の子より可愛らしく、男であることを見破られないばかりか、男に惚れられたことすらある。よしのと出会った事で、自身の内面にある「女の子になりたい」という願望をはっきりと自覚し、男装したよしのと異性装デートを繰り返すようになる。よしのやさおりのいる学校に転入してきてクラスメイトとなる。よしのとの関係をクラスの男子に冷やかされたことが引き金になって、よしのへの恋心に気づき告白するが、よしのは友達と思っていた修一に告白されたことに戸惑い断ってしまう。さらによしのに告白した直後にさおりにも告白されたことから3人の友人関係が悪化。よしのとさおりが大喧嘩した余波で一時、修一も2人とは疎遠になってしまうのだが中学校入学後仲直りをした。入学直後は部活動はしていなかったが、1年生の文化祭で劇の脚本が評価され、さおりと共に演劇部に部員としてスカウトされ入部した。女の子の友達が多く、同性との付き合いは苦手。可愛い女の子に強い憧れを持っており、中学入学後に安那に交際を申し込み、付き合い始める。しかし、中学2年生になってから、男子の制服を着て学校に登校し始めた千鶴とよしのに触発されて、ついに女子の制服を着て登校してしまった。学校では大騒ぎになり、安那にも別れを切り出されてしまった。一時、不登校になるが友人たちに励まされ再び登校するようになるも、遂に自身に訪れた声変わりにショックを受ける。しかし、中学3年生に進級してからも度々女装をし、一時疎遠となった安那とも再び交際を始める。高校受験でさおり・よしのと同じ高校を受験したが、三人の中で一人だけ不合格になり、誠たちと共に男子校に進学することになった。高校入学後に喫茶店で女装したまま姉の真帆の名前でアルバイトを始める。学校では文弥の後輩になり、合唱部に誠と共に入部した。
高槻よしの(たかつき よしの)
声 - 瀬戸麻沙美[2]もう一人の主人公。男の子になりたい女の子。修一の友人。父、母、姉、兄の五人家族。三人兄妹の末っ子で次女。連載開始時は小学5年生で修一と同学年。負けん気は強いが、根はナイーブかつ優柔不断な性格で、くじけやすい。小学生時代には男子の集団相手に一歩も引かない強い意志を露にすることもあったが、成長するにつれ弱気なふるまいを見せることが多くなる。すらりと背の高いハンサムな女の子。女子からは「高槻くん」と呼ばれている。転入してきた修一が隣の席になり、最初に仲良くなったクラスメイトである。修一が女の子になりたい男の子だと気付き、男装して女装した修一と倒錯的なデートを繰り返すようになる。小学6年生、中学1年生時も修一と同じクラスになる。中学2年生では別のクラスになったが、3年生では再び同じクラスになる。中学校に入ってからは千鶴に誘われたこともあり、女子バスケット部に所属している。男子からからかわれることの多い修一や、クラスの中で孤立しているさおりを庇うことが多いが、修一を好きなさおりからは、よしのを嫌悪する言葉を投げかけられてしまう。「かわいい格好」をさせたがる母や、宝塚歌劇団に入って欲しいという父に対して複雑な感情を抱いている。小学生時代は、普段から男の子のような格好をしており、スカートを履くのが嫌いだった。中学では男装をする勇気がなくスカートを履いて登校していたが、千鶴が男子の制服を着てきたことに刺激されて、学ラン登校に踏み切ったことがある。いわゆるボク少女ではなく、「私」という一人称を気に入って使っている。また同年代の男の子に嫌悪感と対抗意識が入り交じった感情を持っており、女の子の友達が多い。生理や胸の膨らみなど、成長して女らしくなっていく自分に悩み、女である自身を受け入れられずにいる。女装した修一との初デート時に初潮を迎え、その際には修一に助けてもらった。よしの自身が成長するにつれ、周囲から魅力的な美少女と見られるようになり、男子からは何度も告白されるが、それをどう受け止めるべきか悩む。周囲の同級生たちが恋愛を経験しているのに、自身には初恋すらないことに複雑な感情を抱いていたのだが、中学3年生になってから自身の進路相談を担任の兼田先生にするうちに兼田先生に対して淡い恋愛感情を抱くようになってくる。兼田先生にナプキンを購入するところを見られて恥ずかしがったり、修一と一緒にいるところをデートと勘違いされた際に必死に否定するなど、初めての感情に戸惑いを隠せない。結局、先生に気持ちは伝えないまま中学校を卒業して、さおりと共に私服通学の出来る高校に入学する。
2人の友達
千葉さおり(ちば さおり)
声 -
南里侑香[2]修一たちの友人。通称「さおりん」。兄弟はなく、一人っ子の長女。連載開始時は小学5年生で、修一と同学年で同じクラス。6年生時は1人だけ別のクラスになってしまうが、中学1年生時は同じクラス。よしのと同じく2年生時は修一と別クラスになったが3年生時は再び同じクラスになった。情緒不安定な性格で、独特の感性の持ち主。周囲の目を気にしない自己中心的な行動が目立つため、一部の女子からは嫌われているが、容姿端麗なことから男子からは人気がある。普段はおとなしいが、感情的になると過激な行動に走る“デンジャラスビューティー”。修一に強く執着しており、彼の性癖をからかわれると本人の代わりに相手に激情をぶつける事が多い。桃子とは不仲で、千鶴のことも嫌っている。内心ではよしののことを大切な友人だと信じているものの、よしのに対して嫉妬心を抱いており、素直に向き合うことができない。修一とよしのがクラスの噂になった際、修一に告白するが、同じ日に修一はよしのに告白しており、ふられる形となってしまう。中学入学後はかなこに誘われる形でバレー部に入部するが、入学直後のさおりとよしのは冷戦状態にあり、よしのと共に女子バスケット部に誘われていたかなこがさおりとよしのの衝突を回避するために敢えてバレー部に(さおりと共に)入部した。中学1年の文化祭の終了後、演劇部にスカウトされる形でバレー部を辞めて修一と共に演劇部に入る。しかし、修一が安那と付き合っているのを知ってショックを受け、学校に行かなくなる。そんな中、よしのに繰り返し仲直りを持ちかけられ、彼女への嫉妬心が次第に好意へと変わってゆく。さおりは学校に再び通い始め、よしのと親しく付き合うようになるが、修一への未練を隠すことができない。そんな中、中学3年生のクリスマスにかねてから好意を寄せられていた文弥に交際を申し込まれ、付き合うことになった。高校はよしのと共に私服通学の学校に通う。
佐々かなこ(ささ かなこ)
声 - 南條愛乃[2]修一たちの友人。通称「ささちゃん」。彼女の弟と千鶴は「カナブン」と呼んでいる。2人姉弟の姉で長女。連載開始時は小学5年生で、修一と同学年で同じクラス。6年生時、中学1年生時、2年生時も続けて修一と同じクラスになった。小柄な外見と天真爛漫な性格で、幼い印象のある女の子。頭を使うと頭がかゆくなり、交換日記はすぐ忘れてしまい長続きしない。メンバーの中では数少ない常識人で、事あるごとに関係がギクシャクする周囲の仲を取り持つために苦労する。よしのとは幼稚園以来の幼馴染で、何かと周囲の人間から浮きがちなさおりからも好かれている。中学生になってからは千鶴と親しくなった。よしのの男装癖や修一の女装癖を知っても2人にそれ以前と変わらぬ態度で接し、それをからかうような周囲の視線に怒りを見せるなど2人に対する友情と理解は深い。身体は小さいがパワーがあり、中学1年のマラソン大会では学年の女子で1番になった(2番は千鶴)。


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