この項目では、作品について説明しています。「攻殻機動隊」と通称される部隊については「公安9課」をご覧ください。
「GHOST IN THE SHELL」、「ゴースト・イン・ザ・シェル」はこの項目へ転送されています。
押井守の映画1作目については「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」をご覧ください。
押井守の映画2作目については「イノセンス」をご覧ください。
黄瀬和哉の映画については「攻殻機動隊 ARISE」をご覧ください。
テレビアニメについては「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」をご覧ください。
Webアニメについては「攻殻機動隊 SAC_2045」をご覧ください。
ルパート・サンダースの実写映画については「ゴースト・イン・ザ・シェル (映画)」をご覧ください。
『攻殻機動隊』(こうかくきどうたい、英語タイトル:GHOST IN THE SHELL)は、士郎正宗による漫画作品。ジャンルとしてはSF(パラレルワールド含む)に属する。『攻殻機動隊』のロゴ
この作品を原作とする劇場用アニメ映画が1995年に公開され、またテレビアニメ作品が2002年に公開された。士郎正宗の原作版と押井守の映画版、神山健治の『S.A.C.』、黄瀬和哉と冲方丁の『ARISE』では、時代設定や主人公草薙素子のキャラクター設定、ストーリーを始め多くの相違点があり、それぞれが原作を核とした別作品といえる。その他、小説やゲームなどの派生作品が展開されている。 時は21世紀、第3次核大戦とアジアが勝利した第4次非核大戦を経て、世界は「地球統一ブロック」となり、科学技術が飛躍的に高度化した日本が舞台。その中でマイクロマシン技術(作中ではマイクロマシニングと表記されている)を使用して脳の神経ネットに素子(デバイス)を直接接続する電脳化技術や、義手・義足にロボット技術を付加した発展系であるサイボーグ(義体化)技術が発展、普及した。結果、多くの人間が電脳によってインターネットに直接アクセスできる時代が到来した。生身の人間、電脳化した人間、サイボーグ、アンドロイドが混在する社会の中で、テロや暗殺、汚職などの犯罪を事前に察知してその被害を最小限に抑える内務省直属の攻性公安警察組織「公安9課」(通称「攻殻機動隊」)の活動を描いた物語。作中の年表は別項、攻殻機動隊シリーズの年表を参照。 登場人物に関しては各作品の記事を、また、『S.A.C.』シリーズの登場人物については「攻殻機動隊 S.A.C.シリーズの登場人物」を参照。 なお、以下の登場人物については下記リンクを参照。
あらすじ
概要
タイトル
原作マンガ全3巻を通じたタイトルは『攻殻機動隊』であり、1巻サブタイトルのみ『GHOST IN THE SHELL』となっている。マンガと関連作品 全般に、英語版では『攻殻機動隊』が『GHOST IN THE SHELL』に置き換わっている。当時担当編集者 由利耕一によると「最初は士郎さんから『GHOST IN THE SHELL』というのが出てきたんだけど、もうちょっと派手なものはない? ってお願いしたら『攻殻機動隊』というタイトルをつけてくれてね。ただ彼は『GHOST IN THE SHELL』にこだわっていて、小さくても載せてくれって(笑)」[1]という。『GHOST IN THE SHELL』は、アーサー・ケストラー著『The Ghost in the Machine(機械の中の幽霊)』に由来するとも言われているが、その『Ghost in the Machine』もまた ギルバート・ライル著『心の概念』において心身二元論を批判する反語「機械の中の幽霊というドグマ」からの引用である。士郎正宗自ら作品内外で、心身二元論への懐疑を繰り返し注釈している。
世界観
原作の舞台は1988年以降(本作品の初出の前年)の歴史が異なるパラレルワールドで、大規模な核戦争による第3次核大戦[注 1]、および第4次非核大戦[注 2]を経て荒廃した2029年より始まる。特徴として、架空の都市[注 3]を舞台の中心にしている事が挙げられる。また、著者のもうひとつの代表作『アップルシード』と同じ時間軸上に位置する物語である[2]。神山健治によるアニメ『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』シリーズは『東のエデン』とは地続きの世界となっているが[3]、原作とは時代設定や主人公草薙素子のキャラクター設定、ストーリー[注 4]を始め多くの相違点があり、士郎正宗自身も原作とSACは違う世界観だと明言している。「攻殻機動隊シリーズの年表」も参照
ストーリースタイル
SFを主体とした中、ネットワークや義体化(脳と脊髄以外の器官を人工器官とマイクロマシンを用いたボディに移植した人間)した人間との係わり合い、そして人間とアンドロイドやサイボーグ、AIなどとの対峙で浮き彫りにされる、人間の人間たる所以はどこにあるのかという疑問[注 5](詳しくは後述、「技術」節の「ゴースト」を参照)などを、独自のスタイルで紡ぎ出している。
登場人物
草薙素子
荒巻大輔
バトー
トグサ
登場兵器
多脚戦車
「多脚戦車」を参照
自動爆撃ヘリ
「自動爆撃ヘリ」を参照
アームスーツ
自衛軍で使用される強化外骨格。
用語
企業・団体・組織
公安9課
主人公草薙素子らが所属する内務省・首相直属の防諜機関・攻性組織(非公開組織)。表向きは国際救助隊の名目で設立された[4]。電脳化・義体化の普及により、凶悪化の一途を辿る犯罪に対応するため、9課には、憲法を超越する権力と戦闘能力が付与されている。日本政府にとっての後ろ暗い仕事を、9課は“銃と戦車”によって解決してきた[4]。犯罪の芽を事前に探し出し、これを除去するために、法に縛られない超法規的な活動と、暴力装置の行使が認められている9課は、思考戦車という“殻”を着て戦う“攻性”の組織であることから“攻殻機動隊”とも呼ばれている[4]。本作のタイトルはこの組織の通称である。
条約審議部
外務省条約審議部(通称・公安6課)。原作や映画版第1作、『攻殻機動隊 S.A.C. Solid State Society』で登場する。日本政府にとっての後ろ暗い仕事を、6課は“金と工作員”によって解決してきた[4]。『攻殻機動隊 S.A.C. SSS』では、シアク共和国の独裁者であり、日本に亡命していたカ・ルマ将軍の暗殺を行ったほか、条約審議部・第6資料室で部長の中村と草薙が会話するシーンがある。
内務省
本作における日本の行政機関。公安9課は内務省に直属している。政府から公安9課に出動要請がなされる場合は、内務省を通じて行われる[5]。