揖保川
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揖保川
揖保川(兵庫県たつの市)
水系一級水系 揖保川
種別一級河川
延長69.736 km
平均流量21.37 m³/s
(龍野観測所 2000年)
流域面積810 km²
水源藤無山(兵庫県)
水源の標高1,139 m
河口・合流先播磨灘(兵庫県)
流域 日本 兵庫県
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俯瞰。兵庫県たつの市日山より

揖保川(いぼがわ)は、兵庫県の南西部を流れる一級水系本流である。加古川市川夢前川千種川と並び播磨五川と呼ばれている。流域面積は播磨五川のうち加古川に次ぐ広さ。目次

1 地理

2 名称の由来

3 水生昆虫

4 流域の自治体

5 主な支流

6 産業

7 並行する交通

7.1 鉄道

7.2 道路


8 主な橋梁

9 流域の観光地

10 環境

11 参考文献

12 外部リンク

地理

兵庫県宍粟市の藤無山(標高1,139m)に源を発し南流。たつの市を貫流し、姫路市余部区付近で中川を西に分け、三角州を形成。姫路市網干区播磨灘に注ぐ。流川69.736キロメートル[1]。中川は姫路市とたつの市の境を成す。

たつの市内の堤防には、増水時に住居の畳を使って護岸を嵩上げする畳堤を行う地域がある。
名称の由来

揖保川は揖保郡を流れる大河として名付けられた[2][3]

播磨国風土記』によると、「揖保」は渡来神アメノヒボコ(天日槍命)播磨国の国神であるアシハラノシコオノミコト(葦原志挙平命、伊和大神)の2つのの土地争奪の話に由来する。揖保川の河口に到着した天日槍命が伊和大神に宿を乞うたところ、伊和大神はの中を許した。すると天日槍命は海水をかきまぜて、を作り宿した。驚いた伊和大神は天日槍命が自分の国を占拠しようと思い、大慌てに川を遡った途中に、食事をしながらを登ると、口からの粒がこぼれた。故にその丘が「粒丘」(いいほのおか、現在のたつの市揖保町中臣にあるとされる)と呼ばれ、転じて地名も「揖保郡」(いいぼのこおり)となった。なお、伊和大神は現在、揖保川上流の宍粟市(旧一宮町)の伊和神社に鎮まっている[2][3]

また、揖保川の下流部は古く「宇頭川」(うずがわ)とも呼ばれる。激流でよく暴れた川で、が多数発生したから「渦」の当て字とされる[2][3]
水生昆虫

[4]

カゲロウ目・カワゲラ目・トビケラ目などの多くの水生昆虫が生息している。

カゲロウ

タニヒラタカゲロウ:上流域から中流域にかけて分布

ナミヒラタカゲロウ:上流域から中流域にかけて分布

チラカゲロウ:上流域から下流域まで広く分布

ユミモンヒラタカゲロウ

エルモンヒラタカゲロウ

シロタニガワカゲロウ

アカマダラカゲロウ


カワゲラ

ヤマトヒメカワゲラ:中流域に分布


トビケラ

ヒゲナガカワトビケラ:上流域から下流域まで広く分布

チャバネヒゲナガカワトビケラ

コガタシマトビケラ


源流である氷ノ山では、コエグリトビケラ属の新種や、オンダケトビケラ属の未記載種、カメノコヒメトビケラ属の一種など、非常に希少な種が生息している。

支流の引原川の水源は、最も高い地点では本流の水源とされる藤無山の標高を上回る標高約1170mにあり[5]、水系全体でも水温が広い範囲で比較的低いため、冷水を好む種が広い範囲で豊富に見られることが特徴である。下流部で合流する支流中垣内川においても、冷水を好む水生昆虫の分布が確認されている(ただし中垣内川の夏季最高水温16℃‐24℃の場所は、本流・引原川の同温度帯水域とは連続していない)[6]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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