接触変成作用
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変成作用の概略の図。左は角閃岩相(英語版)、右は緑色片岩相(英語版)。gtは柘榴石、hblは普通角閃石、plagは斜長石、chlは緑泥石、actは緑閃石、epは緑簾石の略である。これらの他に石英カリ長石があるが、変成作用には関与しない。

変成作用(へんせいさよう、英語: metamorphism)とは、既存の岩石(原岩)が当初と異なる温度圧力のもとで、あるいは流体による化学反応に伴い、岩石の組織が変化する作用のことで[1]、この作用によって変成岩が形成される[2]。変成作用の大半は地殻の内部で起こる[1]

変成作用は、大きく広域変成作用(英語: regional metamorphism[3])と接触変成作用(英語: contact metamorphism[3])に分けられる[4][5][6]
広域変成作用

広域変成作用(regional metamorphism)は、地球内部における広域な運動に伴い、既存の岩石が地下深部で受ける変成作用のことであり、広域変成岩を形成させる[7]。広域変成作用は岩石を再結晶させ、片麻岩となり片理面や片麻状構造、縞状構造ができる[8]。なお、高温低圧型変成岩では主に片麻状構造や縞状構造が形成される一方、低温高圧型変成岩では結晶片岩として片理面が形成されることが多い[8]

なお、広域変成作用はさらに造山帯変成作用、海洋底変成作用、埋没変成作用に分類される[9]。造山帯変成作用は、造山運動大陸プレート島弧どうしの衝突、海洋プレートの沈み込みなど)による変成作用のことで、変成岩組織がよく確認される[9]。海洋底変成作用は、中央海嶺大洋底下において、地殻上部マントルで発生する[10]。ここでは原岩がマフィック岩超マフィック岩であり、変成岩組織は見られない[10]。埋没変成作用は厚い堆積岩層の下部で起こる、続成作用と造山帯変成作用の中間にあたる作用のことで、原岩の堆積構造や岩石組織が残ったり、不完全な再結晶作用だったりする[11]
接触変成作用中央の火成岩体に近づくにつれ高温で変成作用を受ける。

接触変成作用(contact metamorphism)は、マグマの貫入に伴う周辺の加熱により原岩が再結晶される変成作用のことであり[11]接触変成岩を形成させる[12]。この岩石は一般にホルンフェルスとよばれる[13]

接触変成作用が起こる範囲は、マグマの貫入により形成された火成岩体の周囲であり[14]、火成岩体から数キロメートル以内であることが多い[12]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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