探偵物語
Detective Story
監督ウィリアム・ワイラー
脚本フィリップ・ヨーダン
ロバート・ワイラー
原作シドニー・キングスレー
『探偵物語』(原題: Detective Story)は、ウィリアム・ワイラー監督、製作による1951年のアメリカ映画である。シドニー・キングスレーの同名の舞台を原作としている。
日本での邦題は「detective」を「探偵」と直訳したことによるものであるが、作品の内容を踏まえれば「刑事物語」と訳す方が適切であり、誤訳の一種と言える。 ニューヨーク21分署の刑事部屋を舞台に、様々な人間模様を描く。 ジム・マクラウド刑事(カーク・ダグラス)は犯罪を一切許さない非情な男である。担当する事件の捜査の過程で、彼は自分の新婚の妻メアリー(エリノア・パーカー)が、彼が憎んでいる容疑者、シュナイダー医師によって堕胎の手術を受けていた事実を知ることとなる。 心優しく、美しい妻を許したいと思いつつも、生来の厳格な性格から、心から許すことができないマクラウドは苦悩する。そのことを悟った妻は身を引くように、彼のもとを去ってゆく。 ブロディ刑事は会社の金を使い込んだ青年アーサーと話をし、海軍の事故で亡くなった自分の息子に似ている彼を、なんとか立ち直らせたいとの想いを抱く。その想いは面会に刑事部屋に来ていたアーサーの幼なじみのスーザンも同じだった。ブロディはアーサーを担当しているマクラウドに「公判請求を取り下げてもらえないか」と頼むが、厳格なマクラウドは受け入れない。 取調べが済み、拘留待ちの強盗犯チャーリーとルイスの二人組みは手錠をされて、椅子に座っていた。自暴自棄になったチャーリーは目の前を通った刑事の腰から拳銃を奪い、周囲の警官を下がらせ立てこもろうとする。しかし、その場にいたマクラウドはチャーリーの警告を無視し、彼に近づき腹に三発の銃弾を受ける。同時にチャーリーはその場で取り押さえられる。 救急車を呼ぼうとするが、マクラウドは死を覚悟し牧師を呼べと言う。死を目前にしてマクラウドはブロディにアーサーの調書を持ってくるように言う。マクラウドは目の前でそれを破らせる。そして、分署長に告訴は取り下げだと告げ、メアリーの名を呼び、神に救いを祈りながら息を引き取る。 ブロディ刑事はアーサーに二度と馬鹿なことをするな、と厳しく言い聞かせて彼を釈放する。アーサーとスーザンは手をとりあって21分署を去ってゆく。
ストーリー
キャスト
ジム・マクラウド - カーク・ダグラス:刑事。犯罪を一切許さない頑なで非情な男。
メアリー・マクラウド - エリノア・パーカー:ジムの妻。
ルー・ブロディ - ウィリアム・ベンディックス
スーザン・カーマイケル - キャシー・オドネル:姉ジョイの恋人で、幼なじみのアーサーを救おうとする。
カール・シュナイダー医師 - ジョージ・マクレディ(英語版):堕胎医。ジムに目の敵にされる。
モナハン警部補 - ホレイス・マクマホン(英語版):分署長。
ミス・ハッチ - グラディス・ジョージ(英語版):面通しの証人としてジムに呼ばれて来た女。
チャーリー・ゲニーニ - ジョセフ・ワイズマン:強盗犯。
万引き犯 - リー・グラント:二十一分署に連行され、分署内の様々な人間模様を目撃する。
タミ・ジャコペティ - ジェラルド・モーア(英語版):メアリーの過去に関わる男。
ギャラガー刑事 - フランク・フェイレン(英語版):電話番、相談窓口担当。
エンディコット・シムズ - ワーナー・アンダーソン:シュナイダーの弁護士。
アーサー・キンドレッド - クレイグ・ヒル(英語版):金の使い込みで捕まった青年。
ルイス・アボット - マイケル・ストロング(英語版):強盗犯。チャーリーの相棒。
ジョー・フェインソン - ルイス・ヴァン・ロッテン:新聞記者。
ダーキス刑事 - バート・フリード(英語版)
エンディコット・シムズ - ワーナー・アンダーソン(英語版)
オブライエン刑事 - グランドン・ローデス(英語版)
パット・キャラハン刑事 - ウィリアム・フィリップス
バーンズ警官 - ラッセル・エヴァンズ
日本語吹き替え