『探偵小説四十年』(たんていしょうせつよんじゅうねん)は、江戸川乱歩による、探偵小説作家としての自伝作品である。10年以上にわたり連載され、連載期間、ページ数ともに、乱歩最大の作品である。
連載中の1954年(昭和29年)11月に、『探偵小説三十年』として岩谷書店
から出版された(著者還暦記念)。また、完結後の1961年(昭和36年)7月に、『探偵小説四十年』として桃源社から出版された(菊判三段組562ページ、定価1300円、初版は限定)。現在では、光文社より、江戸川乱歩全集第28、29巻『探偵小説四十年(上)』、『探偵小説四十年(下)』として刊行されている。日時 1961年(昭和36年)7月1日
場所 日活國際會館シルヴァールーム
発起人のうち主な人物
宇野浩二
大下宇陀児
城昌幸
徳川夢声
野村胡堂
松本清張
山田風太郎
横溝正史
渡辺啓助
など豪華な面々だった。 乱歩が自らに関する資料(新聞記事、雑誌の切り抜きなど)を集め、コメント等を付したスクラップブック。全9巻。1、2冊目が戦前で、3冊目が戦中、それ以降が戦後である。戦前のものは、戦争中の暇な時間を活用して作られたもので、丁寧なコメントが書き添えられている。3冊目以降は、『探偵小説四十年』の執筆に併せて作られたもの。なお、この時『探偵小説三十年』は一時休載し、整理後、『探偵小説三十五年』として執筆が再開された。 戦前分の第1・2巻は、次の形で公刊されたことがある。
貼雑年譜
『貼雑年譜 『江戸川乱歩推理文庫』特別補巻』(講談社、1989年7月) ISBN 4-06-195266-8 - 抄録。
『貼雑年譜 完全復刻版』上・下(東京創元社、2001年3月) ISBN 4-488-02366-5 - 限定200部。
関連項目
横溝正史 - 江戸川乱歩と深い関わりがあり、自身も随筆集として『探偵小説五十年
表
話
二銭銅貨 - 一枚の切符 - 恐ろしき錯誤 - 二癈人 - 赤い部屋 - 算盤が恋を語る話 - 盗難 - 白昼夢 - 人間椅子 - 闇に蠢く - 踊る一寸法師 - モノグラム - お勢登場 - 人でなしの恋 - パノラマ島奇談 - 鏡地獄 - 陰獣 - 芋虫 - 孤島の鬼 - 押絵と旅する男 - 蟲 - 盲獣 - 目羅博士 - 地獄風景 - 恐怖王 - 鬼 - 火縄銃 - 悪霊 - 妖虫 - 石榴 - 堀越捜査一課長殿