探偵・由利麟太郎
ジャンル連続ドラマ
原作横溝正史
脚本小林弘利
仲井陽
演出木村弥寿彦
『探偵・由利麟太郎』(たんてい ゆり りんたろう)は、2020年6月16日から7月14日までカンテレ制作・フジテレビ系の「火曜21時枠」で放送された横溝正史による「由利麟太郎シリーズ」を原作とするテレビドラマ。主演は吉川晃司で、吉川は本作品が地上波連続ドラマ初主演となる[1][2][3]。全5回。 横溝が自身の代表作である「金田一耕助シリーズ」よりも前に執筆していた探偵・由利麟太郎が活躍するシリーズ作品を初めて連続ドラマ化した作品である[注 1][4]。 原作の時代設定は戦前の昭和であるが、ドラマでは令和[注 2]に置き換えるなどの変更が行われている(詳細は#原作との相違点を参照)[4]。 キャッチコピーは「観察すれば、真実は自ずと浮かび上がる。」[5]。 由利麟太郎は、元・警視庁捜査一課長の経歴を持つ探偵にして犯罪心理学者。頭脳明晰で「警視庁にその人あり」と言われるほど優秀な人物であったが、ある事件をきっかけに警視庁を退職し、現在では学生時代を過ごした京都に居を移している。由利は波田聡美が営む骨董品店「加茂句堂」の一室を活動拠点に、出版社の山岸克平から紹介された由利を「先生」と慕うミステリー作家志望の青年・三津木俊助を助手に従え、大学時代の旧友である京都府警の等々力警部の協力を受け、類稀なる洞察力と論理的思考で次々と難事件の解決に挑戦する。
概要
あらすじ
キャスト
主要人物
由利麟太郎(ゆり りんたろう)
演 - 吉川晃司[4][1]元・警視庁捜査一課長の経歴を持つ探偵にして犯罪心理学者。白髪の紳士。犯罪心理学に関する書籍を執筆する傍ら、過去の経歴と実績から嘱託で事件の捜査協力を依頼されるなど、警察から全幅の信頼を寄せられている[注 3]。ある事件をきっかけに警視庁を退職し、学生時代を過ごした京都に移住している。執務中以外は椅子に深く腰掛け目を閉じ、蓄音機で趣味のオペラ[注 4]のレコード鑑賞をしていることが多く、時折、風防のガラスがひび割れた懐中時計を傍らにして、ある女性のことを追憶し物思いにふけることがある[注 5]。食事の際は自宅、外食を問わず紙エプロン[6]をかけることが流儀。ミステリー映画への造詣も深い[7]。学生時代に北米のロッキー山脈で出会ったハンターから学んだトレース技術に基づき、ひたすら事件現場を観察し続けて浮かび上がる違和感、不自然な箇所を追跡することで捜査を行う[8]。先端恐怖症[注 6]でありながら弓道の心得があり、静寂の中、弓を構え、的を見据えて精神を集中させることが難事件解決の一助となっている[4]。あまり多くを語らない静かな男だが、その洞察力と論理的思考力には目を見張るものがある。決め台詞は「今、的を捉えました」[注 7]。愛車は黒い1949フォード・カスタム
三津木俊助(みつぎ しゅんすけ)
演 - 志尊淳[4][1]ミステリー作家志望の青年。由利を「先生」と慕い、難事件の捜査で助手を務める。由利を崇拝するあまり、自身の小説の執筆もそこそこに彼の活躍の記録を配信するWEBサイト『由利麟太郎の事件簿』の運営に心血を注いでいる。パソコンやスマートフォンなどのIT機器の取り扱いに精通しており[注 8]、現場検証で警察よりも先にパソコンのデータ解析をしても、鑑識よりも作業が早いことから等々力警部から黙認されている[11]。童顔のため波田からは学生と勘違いされている[注 9]。高校時代はミステリー同好会に所属していた[7][注 10]。愛車はベージュ色のホンダ・スーパーカブ[12]。
主要人物の関係者
等々力警部(とどろきけいぶ)
演 - 田辺誠一[4][1][13]京都府警の警部で、由利とは京都で大学時代をともに過ごした旧友で、同じ弓道部の仲間[注 11]でもあった。由利の事件解決能力に一目置き、難事件の捜査に協力する。たい焼きが大好物で、たい焼きを片手に殺人現場に顔を出す。IT機器を使いこなす三津木とは対照的に、スマートフォンやカーナビの扱いにも手間取る機械音痴[14][注 12]。学生のころは由利のことを「ユリリン」[注 13]と呼び、等々力は由利から「トド」[注 14]と呼ばれていた。