拓跋 寔君(たくはつ しょくくん、生没年不詳)は、代王拓跋什翼?の庶長子。北魏の初代皇帝拓跋珪の伯父。孫は拓跋勿期。 代王拓跋什翼?の庶長子として生まれる。性格は愚鈍・愚直で、残忍であり、仁徳に欠けていたという。 建国2年(339年)、拓跋什翼?は他国から帰順してきた者を二部に分けた。そして、拓跋寔君に命じて南部を監督させた。 建国39年(376年)、前秦の苻堅は大司馬の苻洛へ二十万の兵を与えて代国へ侵攻させた。拓跋什翼?は病を患っていた為、まともに指揮が取れず、代軍は連戦連敗した。その為、軍を率い北に逃走したが、前秦軍が少し後退すると、拓跋什翼?は再度雲中郡まで戻った。 拓跋什翼?はかつて、代国の半分を弟の拓跋孤へ与えていたが、拓跋孤の死後、その子の拓跋斤
生涯
彼が殺されたことが前秦軍に伝わると、前秦の李柔と張?は瞬く間に雲中郡を攻略した。これにより代国は前秦の支配下に入り、東西に分割された。
代国平定後、苻堅は代国の長史である燕鳳を召し出し、この混乱の原因を尋ねた。燕鳳は起きたことをありのままに答えた。苻堅は「天下の悪である」と述べ、拓跋寔君と拓跋斤を捕らえた。拓跋寔君は長安へ連行され、車裂きの刑に処された。 『晋書』には拓跋寔君という人物は現れず、拓跋什翼?の子である拓跋翼圭が、父を捕らえて前秦へ降伏したと記載されている。拓跋翼圭は拓跋珪の別名であるとされている。
晋書との食い違い
参考資料
『魏書』(列伝第三)
『北史』(魏本紀第一)
『資治通鑑』
『晋書』苻堅伝
【拓跋氏系図】(編集
『魏書』巻1?巻22、『北史』巻5・巻14を元に作成。
拓跋部 (1)拓跋毛