拉致(らち)とは、略取及び誘拐[2][3]、強制失踪させる行為のこと[4][5][6][7][8][9]。 オウム真理教による拉致事件や、朝鮮戦争以降の北朝鮮による日本人拉致や韓国人拉致(韓国人捕虜や脱北者強制送還)の問題がマスメディアによって頻繁に報道されるようになって、急速に使われるようになった言葉である。 以前は「拉」の字が常用漢字に含まれていなかったため、新聞などでは「ら致」と交ぜ書き表記することが多かったが、2010年(平成22年)の改定で「拉」の字が常用漢字に追加されたため、現在では「拉致」表記を行うのに問題はない。 北朝鮮へ強制送還された脱北者、北朝鮮による日本人拉致被害者、朝鮮戦争時の韓国人捕虜などの問題は[5]、国際法では『強制失踪』の形態の一つであり、人道に対する罪として扱われる[4][6][7][8][9]。韓国では北朝鮮による拉致問題への関心は低く、歴代の韓国政府も南北対話の障害だと見なし、被害者送還を求めてこなかった。そのため、2012年の開催をしてから「拉致被害者対策委員会」は、2023年に人権問題を重視する尹錫悦政権に交代するまで放置されていた[10]。日本国刑法では226条に日本国外への移送目的での略取・誘拐した者は2年以上の懲役と規定している。北朝鮮による拉致問題に取り組む特定失踪者問題調査会が認定した失跡者家族らは同容疑で加害者らを告発している[3]。 創作ではスティーヴン・キングの『ミザリー』が有名である。 外国人配偶者目線では、実親の日本人親(特に日本人の母親)による子どもの拉致(実子誘拐)が大きな社会問題であり、国連や欧州連合から非難勧告が出されている[11]。 拉致の具体例としては、 などがある。 手足を縛られることがある。 (手錠、ガムテープ、縄、拘束具) また拉致には以下の様な例も含まれる。
概要
具体例
変質性愛の対象として、小中学生の児童・生徒を連れ去る、あるいは連れ去って、性的暴力の後に殺害、あるいは長期にわたり監禁する。
身代金目的での拉致行為。
親族・奪回・強制改宗屋
商取引上の不首尾のため相手を拉致・監禁し、取引の同意を求める、恫喝する。
政治的な理由で、外交官、ジャーナリストを拉致する。政治的にきわめて不安定で、諸外国の軍隊や国際連合の監視団などが入り込んでいる国では頻発することが少なくない。
監禁時に猿轡で口を塞がせる事がある。
裁判所により親権(監護権)を認められなかった片方の親が子供を連れ去る - 殆どの国では誘拐として処罰される。日本では従来は犯罪と見做されていなかったが(家庭裁判所の勧告は受けていた)、2006年3月に福岡地裁が、福岡市で弁護士の男が妻と同居する実娘を拉致した事例に対して、執行猶予付きの有罪判決を出している[12]。