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.mw-parser-output .pathnavbox{clear:both;border:1px outset #eef;padding:0.3em 0.6em;margin:0 0 0.5em 0;background-color:#eef;font-size:90%}.mw-parser-output .pathnavbox ul{list-style:none none;margin-top:0;margin-bottom:0}.mw-parser-output .pathnavbox>ul{margin:0}.mw-parser-output .pathnavbox ul li{margin:0}チャノキ > 茶 > 緑茶・日本茶 > 抹茶
抹茶
中国語
中国語 抹茶
抹茶(まっちゃ)とは、摘む前の茶葉を2?3週間日光をさえぎる事で作った茶葉を揉まずに乾燥させた「碾茶」(てんちゃ)を臼などで粉末状にしたもの(詳細後述)。
日光をさえぎる事により乾燥茶葉中のアミノ酸量が煎茶の2倍程度になり[1]、うま味の強い味がする[1]。日本では茶道で飲用される。
ただし実際には上記の定義を満たさないものも「抹茶」として売られている[2][3][4]。これらは正しくは抹茶ではなく粉末茶の一種である[6][7](詳細後述)。こうした「抹茶」は安価であるので菓子、料理、飲料などの素材として広く用いられる。
「碾茶」と「抹茶」の流通量を比較すると、世間で流通している抹茶の7割弱は本来の意味の抹茶ではないと見られている[2]。
なお「粉末状の緑茶」には(本来の意味での)「抹茶」、「粉末茶」の他に「粉茶」と「インスタントティー」がある。これらの違いについては後述する。 公益社団法人日本茶業中央会は抹茶を以下のように定義している:.mw-parser-output .templatequote{overflow:hidden;margin:1em 0;padding:0 40px}.mw-parser-output .templatequote .templatequotecite{line-height:1.5em;text-align:left;padding-left:1.6em;margin-top:0}碾茶を茶臼等で微粉末状に製造したもの[8]—公益社団法人日本茶業中央会、緑茶の表示基準 表1 名称 ここで「碾茶」は以下のように定義される:「碾茶」とは、摘採期前に棚施設等を利用して茶園をよしず、コモ、寒冷紗などの被覆資材で 2?3 週間程度覆った「覆下茶園」から摘採した茶葉を蒸熱し、揉まないで碾茶炉等で乾燥させて製造したもの[9]—公益社団法人日本茶業中央会、緑茶の表示基準 「注」について この定義は消費者庁の食品表示企画課による食品表示基準Q&Aにも「参考」として引用されている[10]。 茶類を分類したISO 20715:2023「Tea ? Classification of tea types」では抹茶は以下のように定義されている:tea (3.2) derived solely and exclusively, and produced by acceptable processes, notably enzyme inactivation using a steaming process followed by drying, without rolling the leaves, and a fine grinding process for the leaf to make tea powder from harvested tender leaves, buds and shoots, which are grown under the shade, of varieties of the species Camellia sinensis (L.) O. Kuntze var. sinensis, known to be suitable for making tea for consumption as a beverage[11] 抹茶は「覆い香」という青ノリのような独特の香りがし[14]、高価なものほど味は「旨味(甘み)が濃厚」[15]で、「苦渋みが少なく」[15]、「まろやか」[15]で「後味が良」[15]いものなり、色も「鮮やかなみどり色」[15]になる。これは「旨味を生む十分な肥料や、香りや少ない苦渋みを実現する覆い(遮光)の設備や手間・技術など、多くのコストがかかることに由来」[15]する。 化学的には、抹茶の製法である茶葉の被覆によりうま味・甘みを呈するテアニンなどのアミノ酸が葉部に蓄積され[16]、「渋み・苦みを有するカテキン類の生産は抑制される」[16]。高価格な抹茶ほどテアニン含有量が高い傾向がある[17]。覆い香はジメチルスルフィドによる[18][14]。色に関しては茶葉の被覆により多くの光を集めるべく葉緑体量が増える事により濃緑色になる[16]。 抹茶を湯と混ぜたものを飲用する。用いる水の量により薄茶(うすちゃ)と濃茶(こいちゃ)に分かれる。薄茶を作ることを「薄茶を点てる(たてる)」[19]、濃茶を作ることを「濃茶を練る(ねる)」[19]という。 後者の方が抹茶の味が濃くなるため、渋みが少なくうま味が多い高価な抹茶を用いる[19]。また薄茶では渋みを抑えるため泡を立てるが[19]、濃茶は泡を立てない[19]。 千利休の時代には「お茶といえば濃茶を指し、薄茶の時のみ、特に薄茶または後の薄茶と記述されて」[20]おり、現在の茶道でも、濃茶を「主」、薄茶を「副(そえ)」、「略式」と捉えている[20]。 なお茶菓子を食べながら飲む紅茶とは異なり、茶道では主役たる抹茶の味を味わう為、菓子を食べ終わった後に抹茶を飲む[21][22]。「回し飲み」をするのは濃茶のみである[23]。 茶道・茶の湯では混ぜる際に専用の道具(茶道具)を使い、「棗」(薄茶の場合)や「茶入」(濃茶の場合)などに保管された抹茶を「茶杓」で「茶碗」に入れ、湯を注ぎ、「茶筅」で混ぜる。古くは抹茶は碾茶の状態で茶壺に保管され[24][25]、それを自分で茶臼で碾(ひ)いて抹茶を作った。現在でも「口切の茶事」の際にはこれを行う[25][26]。 薄茶・濃茶それぞれの特徴は以下の通りである(値段、茶の量、湯音、湯量等はあくまで目安): 呼称特徴作り方茶道具茶事/茶会
定義
日本茶業中央会による定義
ISOによる定義
(試訳) Camellia sinensis
本来の意味での抹茶
特徴
飲み方「茶道」および「茶道具」も参照
薄茶
濃茶
茶入
棗
茶筅(左上)、茶碗(右上)、茶杓(右下)
名称別名作る事の名称味値段商品名茶の量湯温湯量泡茶碗茶筅位置づけ回し飲み菓子