抗菌
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この項目では、殺菌の一般的概念について説明しています。抗生物質の殺菌作用については「抗生物質」をご覧ください。

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殺菌(さっきん、: sterilization)とは、病原性や有害性を有する糸状菌細菌などの微生物を死滅させる操作のことである。滅菌と違って具体的な程度は定義されておらず、効果は保証されない。電磁波温度圧力、薬理作用などを用いて細菌などの組織を破壊するか、生存が不可能な環境を生成することで行われる。病原体の除去(感染症の予防)、食品の鮮度保持、などが主な目的である。対象とする細菌などによっては効果が期待できない方法もある。人体や有益な生物への障害、高熱や腐食による装置の破損、食品の風味の変質などを引き起こすことがあるので、適切な方法を選択することが重要である。低温殺菌法のパスチャライゼーション(英語名: pasteurization)はルイ・パスツールからきている。目次

1 類似概念との違い

1.1 専門的な概念

1.1.1 殺菌

1.1.2 消毒

1.1.3 滅菌


1.2 その他の概念

1.2.1 除菌

1.2.2 抗菌

1.2.3 防カビ


1.3 殺菌と相対する概念

1.3.1 静菌



2 方法による分類

2.1 物理的な方法

2.1.1 高温処理

2.1.2 電磁波

2.1.3 濾過滅菌

2.1.4 高圧、真空など

2.1.5 通電殺菌

2.1.6 光触媒反応

2.1.7 マイクロバブル(二酸化炭素など)

2.1.8 超音波

2.1.9 オゾン

2.1.10 電解水


2.2 化学的な方法

2.2.1 ガス滅菌

2.2.2 殺菌剤、殺菌消毒薬



3 対象物による分類

3.1 医療、理容など

3.2 食品

3.3 飲料用以外の水

3.4 靴

3.5 台所用品、調理用品

3.6 建築物・住宅

3.7 農業、工業用


4 無菌作業のための装置

5 問題点

6 脚注

7 関連項目

類似概念との違い

一般に「殺菌」は、滅菌あるいは消毒のことを言い、効能などを表記する際、殺菌と消毒をまとめて殺菌消毒などと言われたりするなど、ほぼ同じ概念として扱われてしまっていることが多いが、専門的には異なる概念である。その他、類似する概念として、除菌、抗菌などもあるが、これらも微生物学や医学、食品科学の分野において、意味が異なる概念である。この項目ではこの概念の違いにつき解説する。また、抗生物質の作用機序を表す言葉として殺菌や静菌という用語を用いることがある。市販の洗剤などにおいて、「殺菌」、「除菌」、「抗菌」などと謳った製品が存在するが、メーカー自称であり効果は保証されない。
専門的な概念

具体量が定義されているのは「滅菌」のみである。
殺菌

殺菌 (microbiocidal effect, bacteriocidal-) は文字通り菌を殺すことである。対象や程度は保証されない。極端な話をすれば、1%の菌を殺して99%が残っている状態でも「殺菌した」と言える。
消毒

消毒 (disinfection) は、対象物に存在している病原性のある微生物を、その対象物を使用しても害のない程度まで減らすことである。この手段として殺菌が行われることもあるが、殺菌せずに病原性を消失させることにより消毒が達成されることもあるので、殺菌や滅菌とは少し意味合いが異なる。
滅菌

滅菌(sterilization 英語の語源は不妊手術のように、不妊化すること)は、有害・無害を問わず、対象物に存在しているすべての微生物およびウイルスを死滅させるか除去することである。実際には菌数が完全にゼロとすることは現実的ではないため、無菌性保証レベル(sterility assurance level, SAL)を満たすことをもって『滅菌した』とする。SAL≦10-6(滅菌操作後、被滅菌物に微生物の生存する確率が100万分の1以下であること)が国際的に採用されている。同じ概念が、日本薬局方においても「最終滅菌法」として採用されている。

本記事で扱う殺菌、消毒、除菌、等の用語の中で、滅菌がもっとも厳重な方法であり、その用途は限定される。手洗いの際「ヒトの手指を消毒する」ことはできるが、滅菌することは不可能である。実際にヒトの手指を滅菌しようとすれば、手指の細胞ごと全部殺すことになる。

また、対象物をたとえ滅菌できても、一般的な外気に触れれば、再び菌が繁殖することになる。例えばカビの除去で、たとえカビを滅菌した状態(俗に言う「カビの根」が残らない状態)にしたとしても、空気中に漂う胞子が着落すれば、再びカビが増殖することになる。
その他の概念

以下は学術的な専門用語としてはあまり使われず、より噛み砕いた、あるいは曖昧な意味で用いられることがある。
除菌

除菌は、対象物から菌を除いて減らすことである。手を水で洗うことから、ろ過などにより菌を取り除くなど、様々な程度の範囲がある。対象や程度を含まない概念である。


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