出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。記事の信頼性向上にご協力をお願いいたします。(2013年10月)
抗結核薬(こうけっかくやく、英: Anti-tuberculosis drugs)とは結核の化学療法で用いる薬物である。 結核の最初の有効な治療薬は1944年にワクスマンらが放線菌の培養濾液から抽出したストレプトマイシンであった。それまでの結核の治療は自然治癒力を助長し、それを妨害するものを防ぐという原則に基づき大気、安静、栄養療法が主な柱となっていた。ストレプトマイシンの発見に引き続きパラアミノサリチル酸が合成され、1950年にはイソニアジド、1952年にピラジナミドの抗結核作用が発見された。1961年にエタンブトール、1961年に放線菌の培養濾液より抽出したリファマイシン 抗結核薬は抗菌力が強く初回治療に標準的に用いるべき一次抗結核薬と、抗菌力が劣るが一次薬が使用できない場合に用いる二次抗結核薬に分けられる。 イソニアジド(イスコチン)は細胞壁のミコール酸の合成阻害によって抗菌活性を有する。経口摂取した場合は内服後1?2時間後に最高血中濃度に達する。組織への移行性は良好であり胸水、腹水、血液脳関門を通過する。 リファンピシン(リファジン)はRNAポリメラーゼ阻害によって殺菌効果をしめす。肺、喀痰、炎症のある髄膜などへの組織移行性も良好である。 リファブチン(ミコブティン)はリファンピシンと同様にリファマイシン系抗生物質でありRNA合成阻害で殺菌効果を示す。リファンピシン耐性菌の30?40%に有効であるが、ぶどう膜炎の副作用を生じる事がある。 ピラジナミド(ピラマイド)の作用機序は不明な点が多い。肝臓で代謝をうけてピラジン酸となり抗菌活性を示すと考えられている。ピラジナミドの特性としてpH5.0?5.5の酸性環境で強い抗菌力を示すこと、細胞膜透過性が強いことがあげられる。このためマクロファージのファゴソーム内に取り込まれた結核菌に滅菌的に作用する。 エタンブトール(エブトール)は静菌的にしか作用しない抗結核薬である。エタンブトールの作用は細胞壁アラビナン合成阻害である。エタンブトールかストレプトマイシンかの選択では、エタンブトールは錠剤であるがストレプトマイシンは注射薬しかないため、エタンブトールが選ばれる傾向がある。 ストレプトマイシンは細胞のリボゾームに結合し蛋白質合成阻害を作用機序とする。アミノグリコシド系の抗生物質である。胃腸からの吸収が悪く注射薬のみである。 カナマイシンはストレプトマイシンと同様の用量と用法である。
目次
1 歴史
2 分類
2.1 一次抗結核薬
2.1.1 イソニアジド(INH)
2.1.2 リファンピシン(RFP)
2.1.3 リファブチン(RBT)
2.1.4 ピラジナミド(PZA)
2.1.5 エタンブトール(EB)
2.1.6 ストレプトマイシン(SM)
2.2 二次抗結核薬
2.2.1 カナマイシン(KM)
2.2.2 エンビオマイシン(EVM)
2.2.3 エチオナミド(TH)
2.2.4 サイクロセリン(CS)
2.2.5 パラアミノサリチル酸(PAS)
2.2.6 レボフロキサシン(LVFX)およびその他のニューキノロン系抗菌剤
2.2.7 デラマニド(DLM)
3 用量
4 活動性結核の化学療法
5 潜在性結核感染症
6 参考文献
7 脚注
8 外部リンク
歴史
分類
一次抗結核薬
イソニアジド(INH)
リファンピシン(RFP)
リファブチン(RBT)
ピラジナミド(PZA)
エタンブトール(EB)
ストレプトマイシン(SM)
二次抗結核薬
カナマイシン(KM)
Size:24 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
担当:undef