抗結核薬
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抗結核薬(こうけっかくやく、: Anti-tuberculosis drugs)とは結核の化学療法で用いる薬物である。
目次

1 歴史

2 分類

2.1 一次抗結核薬

2.1.1 イソニアジド(INH)

2.1.2 リファンピシン(RFP)

2.1.3 リファブチン(RBT)

2.1.4 ピラジナミド(PZA)

2.1.5 エタンブトール(EB)

2.1.6 ストレプトマイシン(SM)


2.2 二次抗結核薬

2.2.1 カナマイシン(KM)

2.2.2 エンビオマイシン(EVM)

2.2.3 エチオナミド(TH)

2.2.4 サイクロセリン(CS)

2.2.5 パラアミノサリチル酸(PAS)

2.2.6 レボフロキサシン(LVFX)およびその他のニューキノロン系抗菌剤

2.2.7 デラマニド(DLM)



3 用量

4 活動性結核の化学療法

5 潜在性結核感染症

6 参考文献

7 脚注

8 外部リンク

歴史

結核の最初の有効な治療薬は1944年ワクスマンらが放線菌の培養濾液から抽出したストレプトマイシンであった。それまでの結核の治療は自然治癒力を助長し、それを妨害するものを防ぐという原則に基づき大気、安静、栄養療法が主な柱となっていた。ストレプトマイシンの発見に引き続きパラアミノサリチル酸が合成され、1950年にはイソニアジド1952年ピラジナミドの抗結核作用が発見された。1961年エタンブトール、1961年に放線菌の培養濾液より抽出したリファマイシンに手を加えた半合成抗菌薬リファンピシンが登場した。リファンピシンは重症肺結核に対しても菌陰性化を可能とした画期的な薬剤であった。従来のストレプトマイシン、イソニアジド、パラアミノサリチル酸の3剤併用療法では初回治療に約3年の治療期間が必要であったが、リファンピシンの登場でリファンピシンとイソニアジドを軸とする多剤併用療法で9ヶ月で治療が可能となった。さらにピラジナミドを加えた場合は6ヶ月で治療可能となった。
分類

抗結核薬は抗菌力が強く初回治療に標準的に用いるべき一次抗結核薬と、抗菌力が劣るが一次薬が使用できない場合に用いる二次抗結核薬に分けられる。
一次抗結核薬
イソニアジド(INH)

イソニアジド(イスコチン)は細胞壁のミコール酸の合成阻害によって抗菌活性を有する。経口摂取した場合は内服後1?2時間後に最高血中濃度に達する。組織への移行性は良好であり胸水腹水血液脳関門を通過する。
リファンピシン(RFP)

リファンピシン(リファジン)はRNAポリメラーゼ阻害によって殺菌効果をしめす。肺、喀痰、炎症のある髄膜などへの組織移行性も良好である。
リファブチン(RBT)

リファブチン(ミコブティン)はリファンピシンと同様にリファマイシン系抗生物質でありRNA合成阻害で殺菌効果を示す。リファンピシン耐性菌の30?40%に有効であるが、ぶどう膜炎副作用を生じる事がある。
ピラジナミド(PZA)

ピラジナミド(ピラマイド)の作用機序は不明な点が多い。肝臓で代謝をうけてピラジン酸となり抗菌活性を示すと考えられている。ピラジナミドの特性としてpH5.0?5.5の酸性環境で強い抗菌力を示すこと、細胞膜透過性が強いことがあげられる。このためマクロファージファゴソーム内に取り込まれた結核菌に滅菌的に作用する。
エタンブトール(EB)

エタンブトール(エブトール)は静菌的にしか作用しない抗結核薬である。エタンブトールの作用は細胞壁アラビナン合成阻害である。エタンブトールかストレプトマイシンかの選択では、エタンブトールは錠剤であるがストレプトマイシンは注射薬しかないため、エタンブトールが選ばれる傾向がある。
ストレプトマイシン(SM)

ストレプトマイシンは細胞のリボゾームに結合し蛋白質合成阻害を作用機序とする。アミノグリコシド系の抗生物質である。胃腸からの吸収が悪く注射薬のみである。
二次抗結核薬
カナマイシン(KM)

カナマイシンはストレプトマイシンと同様の用量と用法である。


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