技能検定
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この項目では、職業能力開発促進法に基づく技能検定について説明しています。

道路交通法に基づく技能検定については「技能検定 (道路交通法)」をご覧ください。

道路運送車両法に基づく技能検定については「自動車整備士国家試験」をご覧ください。

農業機械士等の技能検定については「農業機械士」をご覧ください。

その他の「○○技能検定」については「日本の検定試験一覧」をご覧ください。

技能検定(ぎのうけんてい): Skill test(スキルテスト)とは、労働者の有する技能の程度を検定し、これを公証する日本の国家検定制度。労働者の技能と地位の向上を図ることを目的に、職業能力開発促進法に基づき、1959年(昭和34年)度より実施されている。

労働者の技能及びこれに関する知識の程度を判定する基準が、各地域によりバラバラであるとすれば、労働者の技能育成に支障が生じることから、全国的に基準を統一し、かつ検定が公正に実施されるように、検定を実施している。

技能検定に合格すると合格証書が交付され、「技能士」と称することができる。技能検定関連法には「業務独占」の規定はない。[1]

殆どの職種は職業能力開発協会(問題作成等は中央職業能力開発協会)により実施され、一部の職種では民間の指定試験機関(厚生労働大臣指定)により実施される[2]
沿革

1947年(昭和22年)に制定された職業安定法において職業補導所(2019年現在の職業訓練施設)が規定された。2019年現在の公共職業能力開発施設に相当する公共職業補導所や総合職業補導所の訓練水準の向上や補導生の意欲促進、技能の客観的評価のために、1954年(昭和29年)2月、職業補導(2019年現在の職業訓練)を3月に修了する補導生を対象に、全国統一的な初の技能検定が実施された。実施された職種は、「機械製図」、「英文タイプ」、「和文タイプ」、「木工」、「板金」、「旋盤」、「仕上げ」、「電機機器修理」、「塗装」、「建築」であった。

技能検定が国家検定制度として規定されたのは、1958年(昭和33年)に制定された旧職業訓練法においてである。この制度のもとで、1959年(昭和34年)度に第1回の技能検定が実施された。この時の職種は、「機械工」、「仕上工」、「板金工」、「建築大工」、「機械製図工」の5つであったが、1969年(昭和44年)には、64職種まで増加した。

1969年(昭和44年)に新職業訓練法(2019年現在の職業能力開発促進法)が制定されると、試験問題の作成等を担当する中央技能検定協会(2019年現在の中央職業能力開発協会)と試験の実施を担当する都道府県技能検定協会(2019年現在の都道府県職業能力開発協会)が設立され、実施体制が確立された。職種数は、1985年(昭和60年)には142に増加した。[3]職種は政令で定められていたが、1979年(昭和54年)の労働省職業訓練局の見解によれば、技能検定は職業訓練法の体系の中で実施されていることから、本来は、職業訓練で実施されている全職種について技能検定が行われるべきものであるが、すべての検定を実施するのは困難なので、社会的に必要度の高いものから順次、行われているということである[4]。なお、職業能力開発促進法の改正[5]により、2016年(平成28年)4月から職種は省令で定めることとされた。

等級については、1958年以来、1級、2級の区別があったが、1979年(昭和54年)度には、等級区分が適当でないものに対して単一等級が規定され、また、1988年(昭和63年)度には特級、1993年(平成5年)度には3級、基礎1級および基礎2級が規定された。なお、基礎1級および基礎2級については、2017年(平成29年)11月に基礎級に統合された。
等級
等級区分

技能検定には等級が定められており、職種に応じて等級を区分するものと区分しないものがある。
等級を区分するもの


特級 : 管理者または監督者が通常有すべき技能及びこれに関する知識の程度

1級 : 上級の技能者が通常有すべき技能及びこれに関する知識の程度

2級 : 中級の技能者が通常有すべき技能及びこれに関する知識の程度

3級 : 初級の技能者が通常有すべき技能及びこれに関する知識の程度

等級を区分しないもの


単一等級 : 上級の技能者が通常有すべき技能及びこれに関する知識の程度

外国人技能実習生向け随時試験

外国人研修制度の外国人研修生や技能実習制度の技能実習生に対する技能の認定に活用される区分として、随時試験と呼ばれる以下の区分が設定されている。

基礎級 : 基本的な業務を遂行するために必要な基礎的な技能及びこれに関する知識の程度

随時3級(随時に実施する3級) : 初級の技能者が通常有すべき技能及びこれに関する知識の程度

随時2級(随時に実施する2級) : 中級の技能者が通常有すべき技能及びこれに関する知識の程度

実施体制と職種

凡例

特級

1級

2級

3級

基礎級

単一等級

技能検定の実施は職種により、都道府県職業能力開発協会と、民間の指定試験機関が実施している。職種は2022年4月現在130職種である[6]

多くの職種では、一つの職種につき複数の作業・業務に細分化され、実施される等級区分も異なる場合がある。例えば機械加工職種には、ボール盤作業やフライス盤作業など計23種の選択作業があり、区分については、ボール盤作業には3級がなく、フライス盤作業には3級がある。

それぞれの技能検定の詳細は、厚生労働省所管の資格・試験(職業能力開発局)、または技能士#技能士一覧の各技能士の項目を参照のこと。
都道府県職業能力開発協会が実施する職種(110職種)


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