「否定」の語義については、ウィクショナリーの「否定
」の項目をご覧ください。この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(このテンプレートの使い方)
出典検索?: "否定" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2023年12月)
数理論理学において否定 (ひてい、英: Negation) とは、命題の真と偽を反転する論理演算である。否定は英語で Not であるが、Invert とも言われ論理演算ではインバージョン(Inversion)、論理回路では Not回路やインバータ回路(Inverter)とも呼ばれ入力に対して出力が反転する。
命題 P に対する否定を ¬P, P, !P などと書いて、「P でない」とか「P の否定」、「P 以外の場合」などと読む。このような形をした命題を否定命題(negative proposition)という[1]。
命題 P の否定は含意 → と矛盾 ⊥ を用いた命題 P → ⊥ として定義されることもある(擬補元も参照)。ベン図による論理否定(NOT) の命題の否定は、 である。 他の論理演算と違い、対象となる命題が一つという事から、単項演算であることがわかる。 否定の真理値表 命題 P¬P 命題 p の否定は、以下のように複数の表記がなされる。 表記法読み方 Aの否定は、 A ¯ {\displaystyle {\overline {A}}} と書く。 C言語などでは! で表され、if (!z) ; のように使用される。 のように使用される。 VBScriptではNotで表され、z = Not x のように使用される。 Perlでは、!やnotで表され、if (!$f) {}if (not $f) {} のように使用される。 Schemeでは、notで表され、(not s)(map not (map odd? lst)) のように使用される。 ある対象に関する命題で、対象すべてに関する否定を全否定、一部に関する否定を部分否定という。これらは、述語論理において、次のように表現される。 これらは、述語論理に関するド・モルガンの法則によって、次のように書き換えることができる。 つまり、全否定「すべての x について、「P(x) でない」」は、「「ある x について P(x)」ということはない」と言い換えることができ、部分否定「「すべての x について P(x)」というわけではない」は、「ある x については「P(x) ではない」」と言い換えることができる。 全否定命題の否定は部分肯定、部分否定命題の否定は全肯定である。 否定をさらに他の観念と組み合わせて考えることもできる。可能性「?でありうる」、必然性「?にちがいない」などを論理学の枠組として扱うのが様相論理学であり、ここではそれらに対する否定が基本的法則(公理)として必要とされる。 例えば意味としては(言語形式上とは異なる) と考えられる。様相論理は一般には古典論理に必然性演算子 ◻ {\displaystyle \Box } と可能性演算子 ◊ {\displaystyle \Diamond } を導入して形式化され、「可能性演算子つきの命題」 ◊ A {\displaystyle \Diamond A} は、「命題の否定に必然性演算子をつけた命題の否定」 ¬ ◻ ¬ A {\displaystyle \lnot \Box \lnot A} として定義される。
例
「私の身長は 160 cm 以上である」
「私の身長は 160 cm 未満である」
性質
ド・モルガンの法則
真理値表
真偽
偽真
表記法
論理学
¬pノットp、
p の否定、
p でない
?ppバー
~pノットp、
チルダp
p ′ {\displaystyle p'\!} p プライム
p ¯ {\displaystyle {\bar {p}}} p バー、
バー p
! p {\displaystyle !p\!} ノットp、
bang p
電子工学
プログラミング言語
また、ビット単位の否定は~で表されy = ~x;
全否定と部分否定
全否定
∀ x ¬ A(x) 「すべての x について、「A(x) でない」」あるいは「絶対に A(x) ではない」すべての x に対して、命題 A(x) の否定を主張する命題。
部分否定
¬ ∀ x A(x) 「「すべての x について A(x)」というわけではない」あるいは「必ずしも A(x) ではない」「すべての x に対して命題 A(x) が真である」という命題を否定する命題。
全否定
∀ x ¬ A(x) = ¬ ∃ x A(x)
部分否定
¬ ∀ x A(x) = ∃ x ¬ A(x)
その他の論理的否定
「〜しなければならない(命令)」の否定は「〜しなくてよい(免除)」
「〜であるにちがいない」の否定は「〜でないかもしれない」
「〜してよい(許可)」の否定は「〜してはならない(禁止)」
「〜であるかもしれない」の否定は「〜でないにちがいない」
Size:23 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
担当:undef