手塚漫画のキャラクター一覧
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手塚漫画のキャラクター一覧(てづかまんがのキャラクターいちらん)は、手塚治虫漫画作品に登場するキャラクターの一覧。主にスター・システムのキャラクターについて触れていく。
概要

手塚治虫の漫画では『火の鳥』の猿田博士を『ブラック・ジャック』では本間丈太郎にしたり、ゲストキャラクターに『リボンの騎士』のサファイアを登場させるなど、ある作品の主要人物を別の作品の脇役として登場させる手法が少なくない。またハム・エッグアセチレン・ランプ金三角などの脇役キャラクターでは、一つの作品に別の役で何度も登場することがある。この中で手塚治虫の中学時代の作品から登場し、あらゆるヒット作に出続けたキャラクターがヒゲオヤジである。これは映画のように、俳優をいくつかの作品に登場させるスター・システムを漫画に取り入れたものである。

また手塚漫画は『鉄腕アトム』に限らずSF漫画が多いため、博士やその助手を演じるキャラクターもかなり多い。喜国雅彦は『少年マンガ画報』で「手塚マンガといえば博士だ」と語っている。また、石上三登志『手塚治虫の時代』は「百万人の博士たち」、池田啓晶『手塚治虫キャラクター図鑑』は「百万人の科学者たち」の題で、博士キャラクターについてそれぞれ1章を割いている(直接の関係がないこの2冊に似通った章題があるのは、この章題が『魔法屋敷』から取ったものであるため)[1]

比較的後世に作られた手塚アニメでは、漫画では本来ある手塚キャラが配役されていたところを、別の手塚キャラに差し替えることも多く『ブラック・ジャック (テレビアニメ)』のDVDパッケージの裏には、毎回ゲスト出演する手塚キャラについてのミニ解説が掲載されている。

人気作品の登場人物ゆえにスター・システムの要素を持つキャラクターは、各リンク先を参照。
スター・キャラクターの芸名と出演歴について

実在する人物が演じる現実のスター・システムと異なり、作者である手塚が描くことで登場する手塚漫画のスターたちは、作品によってしばしば風貌や外見年齢、また人種や性別までも異なる場合がある。それゆえキャラクターの出演に関する分類も、手塚が直接「○○は××に出演した」と断言しているものを除けば、研究者が主観的に判断せざるを得ない。

その結果、『鉄腕アトム』のお茶の水博士は、石上三登志『手塚治虫の時代』では『火の鳥』の猿田彦を演じたとされているが、池田啓晶『手塚治虫キャラクター図鑑』では、お茶の水と猿田彦をそれぞれ別のキャラクターとして分類しているケースも存在している[2]

作品ごとに異なる役で登場しているキャラクターを一括して扱うとき、各作品中の役名を越えた「芸名」が必要になる。これについても、研究者によって異なる芸名が付けられていることがある。大まかな芸名の当て方としては、そのキャラクターのデビュー時における役名を取ることが多い。ただし手塚自身が芸名について何らかの記録を残していた場合は、そちらが優先される。たとえばオッサンデコビンなどは、作中の役名ではない芸名が発表されているパターンである。またブク・ブックミッチイなどは、デビュー作の役名ではなく2作品目以降の役名であるが、やはり手塚が芸名としてこの名前を掲げているため、他の研究者による資料においても、これが芸名として挙げられているパターンである[3]
一覧
あ行
アザラシー
名前どおり
アザラシのような風貌の、髭の長い老人。『漫画大学』(1950年)の単行本におけるキャラクター名鑑[4]で名前が掲載されている。『化石島』(1951年)、『月世界紳士(漫画少年版)』(1951年)など、1950年前後に活動が集中しており、他には『七色いんこ』(1981年)のモブシーンにちらりと顔が見える。
アセチレン・ランプ
ときどき後頭部に
ロウソクが立つ悪役。『ロストワールド(私家版)』(1944年ころ)中ですでに出演している、最古参クラスのキャラクターである。詳細は「アセチレン・ランプ (手塚治虫)」を参照
アッゴ
名前通り、顔の半分以上を占める巨大な
が特徴のキャラクター。『サボテン君』(1951年)のお人好しな保安官役で登場。主として1950年代の西部劇ものを中心に活動している。後年、手塚が青年誌において唯一西部開拓時代を舞台にした作品『グランドメサの決闘』(1969年)にも端役で顔を出している。アトム
アトム
鉄腕アトム』(1951年)の主人公。デビュー作は『鉄腕アトム』の前身に当たる『アトム大使』(1951年)。ほかに『世界を滅ぼす男』(1954年)で主演をつとめ、『ブラック・ジャック』(1973年)でも複数回ゲスト出演している。『ミッドナイト』(1986年)では青年姿のアトムが登場し、恩師役のお茶ノ水博士と競演しているが、『鉄腕アトム 盗まれたアトムの巻』(1965年)において、仮の電子頭脳を組み込まれた、アトムとは独立したキャラクターとして「10年分成長した青年型アトムの機体」がすでに登場していたためスターとしての「アトム」の出演歴には数えないことが多い。
アフィル
くちばしのように突き出した口と菜っ葉のように伸びた髪の毛が特徴の、ゲストや端役専門のキャラクターの一人である。名前の由来は
アヒル[5]。『ロストワールド(私家版)』(1944年ころ)で出演している。『ロストワールド』で三人組として登場したカオー・セッケングラターンとは、その後の作品で一堂に会したことはないのだが、『勇者ダン』(1962年)では、アフィルと髪型だけがそっくりな「ゾゲール博士」というキャラクターがカオー・セッケン、グラターンらを率いて登場しており、『ロストワールド』のオマージュといえる[6]
一銭ハゲ(いっせんはげ)
名前のとおり、後頭部の
円形脱毛症がトレードマークのキャラクター。悪党の子分役が多い。手塚のデビュー前の習作『オヤヂの宝島』で登場が確認されるが、商業作品でのデビューはそれからだいぶ遅れて、『化石島』(1951年)である。『冒険狂時代』(1951年)では、実在の俳優にちなんだ名前のキャラクター『ピーター・ローレイ』として活躍する。
ウイスキー
お茶の水博士花丸先生など他の博士役が太めなのに対し、長身痩躯が特徴的な博士キャラクター。デビューは『来るべき世界』(1951年)で、名前も同作の役名による。『ジャングル大帝』(1950年)では、ケン一の友人「アルベルト」として少年時代から登場した。ウラン
ウラン
『鉄腕アトム』(1951年)における
アトムの妹。彼女自身のデビューは『鉄腕アトム 透明巨人の巻』(1960年)だが、単行本化の際に彼女が初登場するくだりは編集でカットされている[7]。そのため単行本版でウランが初登場する『ウランちゃんの巻』(1960年)に添えられたまえがき漫画では「ウラン初登場の経緯を、誰も正確に覚えておらず、ウランが憤慨する」というギャグが描かれた。スター出演としては、おてんばだが根は純真な少女を演じることが多い。『ブラック・ジャック 金!金!金!』(1976年)では、天馬博士と実の親子役で共演しており、父親を演じる天馬博士が役名(カスミ)と間違えて「ウラン」と叫ぶシーンもある。
エチゼンガニ
髪型が、ハサミを振り上げた
カニのような形になっている中年男性。初登場は『日本発狂』(1974年)で、芸名もここでの役名による。


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