[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .hatnote{margin:0.5em 0;padding:3px 2em;background-color:transparent;border-bottom:1px solid #a2a9b1;font-size:90%}

この項目では、一般概念としての扉について説明しています。

本の扉(とびら。標題紙)については「標題紙」をご覧ください。

書籍名、作品名、番組名 等の「扉」「とびら」「トビラ」については「扉 (曖昧さ回避)」をご覧ください。

バイエルスポーツ公園の記念館のドア(ドイツ ヴッパータール市彫刻の施された木製扉内側から見た扉

扉(とびら、: door、ドア)とは、建物部屋などの入口[要曖昧さ回避]などにつけられ、開口部を閉じたり、外部と遮断する機能をもつ部分[1]
概説

ドア(扉)とは、建物、部屋、乗り物などの出入口[要曖昧さ回避]、あるいは食器棚などの出し入れ口などにつけられ、開口部を閉じたり、内部と外部を遮断する機能をもつ部分のことである[2]。開口部を閉じ、内部空間と外部空間を遮断する役目をする。望む時にだけ人や([要曖昧さ回避])が出入りし、望まない時には出入りできないようにはたらく。たとえば家屋では、望まれない時に部外者、動物、、風にあおられたなどが内部に入ることを防ぐ。乗り物のドアは望まれない者が内部に入ることを防ぎ、また乗員・乗客・貨物などが外部に飛び出してしまうことを防ぐ。

ドアの基本的な機構としては蝶番式、スライド式、回転式などに分類でき、それらは「開き戸」「引き戸」「回転扉」と呼ばれる。→#機構による分類
機能と追加部品群

特に特定の人だけ出入りできるようにする場合(また特定の人だけ物を出し入れできるようにする場合)は扉に(ロック)がつけられる。これにより(キー)を持つ人だけが出入りできる。

開閉時に、手で握り、開閉するための力を入れる部分としてドアノブドアハンドルがとりつけられる。閉じた状態から(風圧などによって)勝手に開いた状態に移らないようにする場合、ラッチ[要曖昧さ回避]が組みつけられる。ラッチはドアノブやドアハンドルの動作と連動するようにされていることが多い。引き戸であれば指で触れ横方向に力を入れるための「取っ手」がつけられ、ラッチは無いことが一般的。
扉と窓の線引き

なお人の出入りや物の出し入れを主目的としない開口部を閉じるガラス製の部分は「ドア」ではなく、「」に分類されることが一般的である。人が出入りする「フランス窓」、「掃き出し」などを、「ドア」「窓」のどちらに分類するかは、業界や立場によって異なる。
歴史

ポンペイの遺跡には、おそらくアウグストゥスの時代のものと見られる大理石製のドアが残されている[3]古代ギリシア2世紀のLangazaの墓から出土したドアが、イスタンブールの博物館に保存されている[3]
機構による分類

扉の基本的な機構(構造、動作)による分類。
開き戸

蝶番で止められた部分を軸に[要曖昧さ回避]を描いて開閉する。蝶番の発明以前(発明後でも伝来していない地域)においては、戸の一端に軸材(「とぼそ」「くるる」等と呼称)を通したものも存在した。

片開き戸と両開き戸があり、突き上げて支えている戸が「突上戸(つきあげど)」、両開き戸は観音開きといわれる。

現代の建物では、ドアノブやドアハンドルを回して開閉するものが一般的である。

開き戸の付く出入口の下枠を沓摺(くつずり、英語:door sill)といい、堅木や石、ステンレスなどで作る[4]
外開き・内開き
内開きは、防犯上の都合でこじ開けや蝶番壊しに強い利点があり。一方、外開きは、玄関で靴を履き替える文化がありスペースを確保することが求められたり、地震や火災の時に荷物が崩れているとドアが開けられないなどの理由で設置される[5]
引き戸

[要曖昧さ回避]やレールに案内され、左右に戸をスライドして開閉する。上吊式の引き戸もある[6](「吊り戸」と言う)。自動扉(自動ドア)も引き戸が一般的。鉄道車両では世界的に一般的である。日本の路線バスの中扉でも使われていることが多い。

引き戸を開いたときの収納スペースを戸袋という。戸袋を持たないものも、機構的にはもちろん引き戸の一つといえる。

レールや溝の上を直線的に移動する単純な引き戸に対し、リンク機構で扉の動き(軌跡)を変化させるものは、「プラグドア」や「スライドドア」と呼び、区別することがある。
グライドスライドドアグライドスライドドアの動作。青い部分がドア本体。

間口の取れない場所や、バスなど(特に都市新バスシステムノンステップバスの前扉)に用いられている、開き戸と引き戸の長所を組み合わせ、ヒンジに当たる回転軸(支点)が、リンク機構で円弧状に移動するタイプのものを、グライドスライドドアと呼ぶ。扉の稼働部に人が立つと開かなかったり事故の原因になるため、立たないように色を変えたり注意喚起をしている場合がある。
引込み扉

引戸の操作性を持つ開戸タイプの扉で、引き代スペースを確保できない場合などに使用される。開き方は前述のグライドスライドドアに似ているが、支点にリンク機構は無く、レールなどで直線的に移動する。そのため、開いた状態では基準となる線(扉の閉位置)の両側に扉が張り出す。
折戸(折り戸、折り畳み戸)折戸の一例

折戸(おれど、おりと)、または折り戸、または折り畳み戸(英語:folding doors)とは、開いたときに折りたためるようになっている戸の総称[7]。収納部分に用いることが多いが、間仕切り用のものもある[8]。また日本の家庭のユニットバスの出入り口によく用いられる。

乗り物のバス(主に前扉に使われるが、近年のものは、路線バスを除き前扉に上記グライドスライドドアを採用したものが多い)や、一部の鉄道車両(主に特急用主体)の乗降口にも使われ、車体構造やスペースの都合で、戸袋を設けることができない場合に採用される。バス車両(中扉)や一部の客車においては折戸を2つ組み合わせた「4枚折戸」も存在する。
回転扉ロンドンのシティホールの回転扉。動画。上から見た回転扉の構造図

回転扉(英語版)(revolving door)とは、回転軸を中心に2枚から4枚の扉を放射状に設置し、それが円筒形の風除室内で回転することで、室内と室外の遮断を維持したままの出入りを実現するドアである。他のドアと同様、手動式と自動式がある。安全のために極力軽量であることが望ましい[要出典]。

回転扉を導入する利点としては、「建物の密閉性を維持して暖房の空調効果を高めること」と「外から吹き込む風によって建物内の部屋のドアが開きにくくなる現象を防げること」が挙げられる[要出典](そのため冬の寒さの厳しい北ヨーロッパで誕生、発達した[要出典])。また、東京ドームのような空気膜構造式ドーム建築物(室内の気圧を高めて屋根のドームを膨らませるもの)においては、空気漏れを防ぐために通常の出入口にも回転扉が用いられている[要出典]。

回転部分(風除室部分)を大径化したり楕円形にすることで車いすでの出入りに配慮したものや、引き戸と組み合わせることで自動車など大型物品の搬入を可能にしたもの、非常時には扉を畳んで出入り口を開放することのできるもの、個人認証などと組み合わせたセキュリティ用途のものなど、さまざまな種類の回転扉がある。

日本では、空調効果を高めるために大型商業施設や超高層ビルで導入されることが多かったが、2004年(平成16年)3月の六本木ヒルズ森タワーの自動回転扉で発生した事故以降、六本木ヒルズをはじめとして自動回転扉をスライド式自動扉に改造するなどして回転扉が撤去される事例が増えていった[9]。2013年時点で全国240台程度に減っている[10]

トルコの回転ドア

森タワーの回転ドア
(事故後の2004年4月撮影。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:57 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef