戦闘機
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第二次世界大戦期の戦闘機P-51D(奥)と第5世代戦闘機F-35A(手前)

戦闘機(せんとうき、: fighter aircraft, あるいは単にfighter、: Jagdflugzeug,略称としてJager)は、敵対する航空機との空対空戦闘を主任務とする軍用機

フランス空軍ローラン・ギャロスが1915年にモラーヌ・ソルニエ Lの中心線に固定銃を装備したことで思想が生まれ、ドイツによるフォッカー アインデッカーの量産によって、固定銃を装備して敵の航空機を撃墜する機体として登場した[1]。時代が進むにつれて技術の発達、戦訓により戦闘機の任務は多様化し、技術的、思想的にも違いが生まれていった。また、高い運動性を持つため、特殊飛行の公演にも利用される。

現在の戦闘機には、従来は攻撃機が担っていた対地攻撃・対艦攻撃・爆撃をこなせる機種も多い(マルチロール機[2]

世界で最も生産された戦闘機はドイツのBf109の約35,000機。ジェット機最多はソビエト連邦MiG-15の約15,000機(超音速機ではMiG-21の約10,000機)。日本最多生産機は零式艦上戦闘機の約10,000機[3]

世界で最も広く運用されている戦闘機は多い順にF-16、Su-27系、MiG-21系、F-15F/A-18MiG-29系、F-35J-10タイフーンF-5[4]

英語では「Fighter」だが、1948年以前のアメリカ陸軍航空軍では「pursuit aircraft (追撃機)」と呼ばれていた[5]。また、兵器を搭載できる航空機全般を指して戦闘機と呼ぶ場合がある[6] が、その意味での戦闘機は軍用機を参照。

戦闘機の命名方法については軍用機の命名規則を参照。



種類分類
外形区別
単発機
搭載エンジンが1つのもの。そのため、
レシプロ機プロペラが1組、ジェット機はノズルが1つとなる[7]
双発機
搭載エンジンが2つのもの。そのため、レシプロ機はプロペラが2組、ジェット機はノズルが2つとなる[7]。ただし、レシプロ機については景雲のようにエンジンは双発でありながらプロペラが1組という例や、2重反転プロペラを1基のエンジンで駆動する例(すなわちエンジン1つに対してプロペラ2組)も存在する。
任務区別
制空戦闘機
空戦によって戦闘空域を制圧する任務。格闘性能を重要とする[7]F-22は制空戦闘機よりさらに強調された航空支配戦闘機と呼ばれ、航空脅威だけでなく地上脅威にも支配力を及ぼす戦闘機[8]
要撃機(迎撃戦闘機、要撃戦闘機、局地戦闘機、防空戦闘機)
基地や艦隊の上空の防御を担当する。上昇力、速度を必要とする。地上警戒システムとのリンクも重要[7]。制空戦闘機との区別がなくなり投入任務によって呼び名が変わる[8]
護衛戦闘機
爆撃機の護衛任務[7]
戦闘爆撃機、戦闘攻撃機、長距離侵攻戦闘機、(支援戦闘機
爆弾などを搭載し対地攻撃を行う。武装搭載量が多い[7]。戦闘機用の兵装と攻撃機用の兵装の双方を搭載できまた状況に応じて戦闘機としても攻撃機としても活動できるのが戦闘攻撃機。戦闘機に爆弾などを搭載することはできるが、対地攻撃用システムを積んでいないものは、精度は低いものになるので戦闘攻撃機とは言わない(爆装)。戦闘機としても攻撃機としても能力を兼ね備えた多用途機である。戦闘機と爆撃機の能力を兼ね備えた機体が戦闘爆撃機。攻撃機の搭載量が高まった面から見れば戦闘爆撃機と戦闘攻撃機は同じものとなった[9]

支援戦闘機は、航空自衛隊での攻撃機の名称で、任務は対艦攻撃、対地攻撃、近接航空支援と広く、状況に応じて航空脅威の対処にも使用される[10]
多任務戦闘機(マルチロール機、マルチロールファイター)
1機種で任務に応じて搭載兵装や装備品を変更することで制空戦闘、各種攻撃任務、偵察などの任務に投入できる戦闘機[10]
性能による分類(明確な区分はなく、相対的な区別である[11]。)
軽戦闘機
比較的格闘性能が高い。格闘戦が得意[12]。運動性が主で敵との空戦が主目的[13]
重戦闘機
比較的速度が高い。一撃離脱が得意[12]。速力、上昇力が主で敵爆撃機などの要撃が主任務[13]
運用する場所による分類
陸上戦闘機

陸上基地で運用する戦闘機。
水上戦闘機
水上を離着陸する戦闘機。
艦上戦闘機
空母に搭載する戦闘機。
ジェット戦闘機の分類1950年以降の世界の戦闘機の図形式年表
第1世代
亜音速のジェット戦闘機。朝鮮戦争で初のジェット機同士の空戦を経験した[14]
第2世代(1950年代)
超音速のジェット戦闘機[14]
第3世代(1960年代)
ミサイル装備を重視して格闘性能を軽視した機銃を持たないジェット戦闘機。ベトナム戦争の空戦で接近戦が頻発し、格闘性能や機銃の大切さを知り誤りに気づくことになった[14]
第4世代(1970年代)
東西で作られた格闘性能を重視したジェット戦闘機。大推進力で機敏な機動飛行が可能になった[14]
第4.5世代
高い機動力を持ち攻撃任務を行うジェット戦闘機[14]
第5世代
ステルス性を持つ先制攻撃を目的にしたジェット戦闘機[14]
第6世代


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