戦車バイアスロン
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戦車競走」とは異なります。
2013年に開催された第1回大会参加国の4輌のT-72B戦車。左からベラルーシ、ロシア、カザフスタン、アルメニア

戦車バイアスロン(せんしゃバイアスロン、ロシア語: Танковый биатлон)は、戦車を用いて、射撃と機動を行うロシアモータースポーツである。
概要

冬季に行われるスポーツであるバイアスロンと同様に、戦車による射撃と機動を組み合わせた競技である。標的を外した場合、ペナルティとしての周回が課せられる点はバイアスロンと同様であり、これに加えて障害物や標識などの破壊により時間が加算されることになる[1]

射撃をこなした後に、障害物のあるルートの踏破を行い、障害物を乗り越えたり、標識に接触あるいは破壊した場合には10秒が加算され、最終的に得られたタイムで順位を競う[2]

競技の他、火器や戦車を始めとした軍用車両の展示も行われ、走行や射撃といったエキシビションも行われる。また、開始前には会場に車両が走行や射撃に伴って巻き上げる砂塵を防止するために散水が行われるが、この散水はポンプ車等による地上放水ではなく航空機による空中放水として行われ、これもエキシビジョンの一環として扱われている。エキシビションや展示会には競技使用車両であるT-72の改良発展型であるT-90戦車や、高性能モデルのT-80U、その他軍用機なども多数参加・展示しており、T-72顧客の参加国に対する販売促進も兼ねていると考えられる。

疾走するロシアの T-72B
(2013年大会)

2013年大会におけるT-80Uによる演舞

会場に散水を行うIL-76MDP輸送機(消防機型)
(2013年大会)

ルール

最初に8から10kmのコースを周回しながら射撃を行う。射撃内容は周回ごとに異なる内容で行われる。一周目は主砲による距離1,800m、1,700m、1,500mの各標的に対する射撃、二週目は距離600から700mの対戦車ロケット弾発射機と歩兵部隊を模した標的に対する同軸機銃による射撃、三週目は距離1,200mの対戦車砲及び対戦車ミサイル発射機への砲塔上重機関銃による射撃である[2]

各周5基の標的は固定されておらず、出現してから射撃を行うまでの時間は制限されている[3]。射撃は、審判が射場を2.5km離れた位置から観測し、加えてUAVと射場のカメラによって判定される[3]。目標を失中するごとに500メートルのペナルティが課せられる。

また最後の周回では様々な地形の障害物コースを走行する必要がある。用意された障害物を通らなかった、あるいは通過方法が不適切と判定された場合には、最終タイムに10秒のペナルティが加えられる。
実施
2013年

競技は、2013年より開始された。初年度はロシアが集団安全保障条約の加盟国であるアルメニアカザフスタンベラルーシの3国を招いて、モスクワ郊外のアラビノ演習場で2013年8月12日から17日までの日程で開催された[4][5]。国際大会に先立ち、ロシア国内では予選が行われている[1]

ロシア国防相セルゲイ・ショイグは、2013年8月9日に2014年度の開催に向けて、アメリカ合衆国イタリアドイツの3国を招待していることを明らかにした[5]。ロシアのメディアは、アメリカ合衆国国防長官チャック・ヘーゲルが招待に応じたことを報じているが[3][6]ナショナル・パブリック・ラジオによれば確認されていない[7]。ロシア製戦車の宣伝という面があることはセルゲイ・ショイグの発言から指摘されており、46ヶ国の駐在武官が招待された[8]

イタリア国防相マリオ・マウロ(英語版)が、参加に前向きな回答をしていることが報じられている[9]
競技

2013年度のコースは20km[5]、射撃ミスのペナルティーは500mに設定された[2]。使用される車輌は開催国ロシアの提供するT-72Bに統一されている[10]ワンメイクレースである。


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