戦士の銃
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .pathnavbox{clear:both;border:1px outset #eef;padding:0.3em 0.6em;margin:0 0 0.5em 0;background-color:#eef;font-size:90%}.mw-parser-output .pathnavbox ul{list-style:none none;margin-top:0;margin-bottom:0}.mw-parser-output .pathnavbox>ul{margin:0}.mw-parser-output .pathnavbox ul li{margin:0}松本零士 > 銀河鉄道999 > 戦士の銃

戦士の銃(せんしのじゅう)は、松本零士漫画作品に登場する架空の武器

雷管先込軍用大型リボルバー拳銃(コルトドラグーン)をモチーフとした形状の次元反動銃だが、ビームを発射するため劇中では光線銃のように描かれる。別名:コスモドラグーン(空間竜騎兵拳銃(小説版「さよなら銀河鉄道999」での表記))。2979年に土星の衛星タイタンのぶどう谷にて大山トチローによって製作される[1]

この銃を自由に使いこなせるようになったとき、初めて真の「宇宙戦士」と呼ばれるという[2]

本稿では、初出の作品である『銀河鉄道999』の描写を中心に解説する。
初登場

銀河鉄道999』で鉄郎が土星の衛星タイタンにて知り合った老婆に渡され、そのまま使用する。所有者である老婆の息子の死後、長い間使用されていなかったため(アンタレスの見立てでは30年くらい)、漫画およびTV版で列車強盗を行ったアンタレスによりメンテナンスを施されるまでは銃の手入れがなされていなかった。

初出からしばらくは宇宙戦士の銃と呼ばれ、希少ではあるものの「一人前の男のステータス」程度の汎用品という設定であり、機構も次元反動銃ではなく、その機構の銃は別途メーテルが所持していた。なお、劇場版でデザインが決まるまでデザインは一定ではなく、登場するたびに形状が変わっていた。また、劇場版のアニメをほぼそのまま小説化した作品の「さよなら銀河鉄道999」では日本語で「空間竜騎兵拳銃」と表記されている。また、この作品でも鉄郎が戦士の銃を持っている事に鉄郎の仲間が驚愕する場面がある。また、この作品の中で鉄郎が戦士の銃を持っているのを初めて見た黒騎士ファウストが「それは戦士の銃!。お前がそのような立派な銃を・・・」と驚いている。

TV版においても同じ入手法であるが、劇場版でこの老婆が制作者である大山トチローの母(大山摂子)であり、デザインも変更され「戦士の銃」は宇宙に数丁しかないトチローオリジナル、という設定が加えられる。それ以降、原作でもその扱いとなり、デザインも劇場版に準じたものとなる。
構造・デザイン

※以下の記述は劇場版の設定資料の記述に基づく。この設定資料は『完全版 銀河鉄道999 PERFECT BOOK』などに掲載されている。
パテントの刻印
PATENTED 1.25.2979GRAPE VALLEY TITANTOCHIRO PATENT 1.25.2979 No.X

西部開拓時代初期のパーカッション式リボルバー拳銃をモチーフとして製作されているため、外観はそれに似たものとなっているがリボルバー式拳銃ではハンマー(撃鉄)のある部分にストライカー式自動拳銃のようなコッキングボルトがホールドオープンしたままのような形で突き出ている。シリンダー(装弾部)は実在のリボルバー拳銃同様、使用者側から見た場合一発ごとに右に回転し、実弾銃の撃鉄の位置に存在する後部のボルト[3]はセット時2cm後退、撃発時2cm前進する。グリップ上部(ボルトの付け根の真下)に暴発を防ぐための安全装置がある。上記の刻印などが各部に存在し、シリアルナンバーは上記の刻印以外にもシリンダー、グリップ底面、トリガーガードなどに打刻されている。グリップにはドクロのマークがあるが、TVアニメ版はデザインが劇場版と異なり、ドクロのマークの代わりに丸い窪みがある。

戦士の銃 五面図 “MODEL2979宇宙竜騎兵用拳銃コスモドラグーン「戦士の銃」”. DIGIMIXstudio※リンク切れのためインターネットアーカイブサービス「Wayback Machine」利用によるサイトコンテンツアーカイブ. 2020年11月29日閲覧。

登場作品

ニーベルングの指環』、『クイーン・エメラルダス』OVAなど、『999』登場の作品内に登場することが多く、近年では1990年代以降の松本零士自身の筆による漫画作品 および それを基にして製作された先述のアニメ作品などに登場した。

変わったところでは、『宇宙戦艦ヤマト』において古代進の兄古代守が持つ銃がこのように呼ばれていた時期がある。なおこの銃は十四年式拳銃リファイン形状のコスモガンであり、同一品ではない。
能力

初登場時は、この世で唯一機械化人間を倒すことのできるコスモガンとされ、宇宙最高の威力を誇っているといわれているが、「装甲惑星」で登場した金属装甲人間にはまったく歯が立たず、メーテルの持つ次元反動銃で解決したり、機械伯爵をレーザーライフルで倒したり、劇場版1作目では鉄郎同様に時間城に乗り込んだアンタレスが機械伯爵の部下をこの銃と自分の銃の二丁拳銃で倒している描写があったため信憑性は薄かった。この点は後のエターナル編において改良された結果、改善され松本作品において宇宙一の名銃となった。

威力については各作品や場面によりまちまちであり、劇場版1作目では鉄郎がクイーン・エメラルダス号に向けて放った際には、エメラルダス号の方で着弾を確認できるだけの威力があったほか、第2作ではこの銃の乱射で惑星大アンドロメダの重要施設をほぼ完全に破壊してしまった。OVA『銀河鉄道物語 ?忘れられた時の惑星?』では、先述の劇場版1作目に登場した戦闘衛星と同型のメカをこの銃で撃墜している。かと思えば、同じくOVA『忘れられた-』で鉄郎がSDFの車両に向けてこの銃を発砲した際には、フロントガラスが割れる程度ですんでいる。

また、ビームが無効化されることもある。「フィメールの思い出」で、車両妨害を起こしたフィメールに対して鉄郎が発砲したが、彼女が身に付けていた車両妨害装置によりビームが無効化されたほか、劇場版1作目では機械伯爵とリューズが逃げ込んだ防弾ガラスに対し、戦士の銃は無力だったが機械伯爵はガラス越しに自分の銃を使用していた。TV版「時間城の海賊」でもニセハーロックとレリューズが逃げ込んだ防弾ガラスの前には無力だった。

その威力から発砲した時の反動が非常に強く、初めて撃った人物は反動を抑えられずに銃口が跳ね上がったり、後ろに飛ばされて倒れこむことが多く、中には『エメラルダス』OVA(1998年)版4話で使用したル・ロウのように失神してしまった者もいる。また同OVA では精神感応能力が付加され、持ち主の気力によって威力が幾倍にも増幅される能力が設定されていた[4]ほか、撃たれた相手が消滅するという特殊効果も付加されていた。2001年に発売されたプレイステーション(以下、PSと表記)用ゲーム『松本零士999 ?Story of Galaxy Express 999?』では、拳銃型の波動砲という設定になっている。

2003年に放送された『SPACE PIRATE CAPTAIN HERLOCK』では拡張パーツとして大山トチロー謹製の「大山式密度行列砲」が登場。弾丸を模した形状でシリンダー(装弾部)部分に装填した状態で発砲することで規模はオリジナルの密度行列砲には及ばないものの、性質的には遜色のない密度行列砲の発射機構としての役割を果たした。

また999エターナル編にてメーテルから鉄郎へ政府によって没収されていたコスモドラグーンの返還が行われた際[5]に、コスモドラグーンの関連装備として収納用のトランク内に現実のドラグーンピストルを始めとした雷管拳銃に黒色火薬を装填するためのパウダーフラスコ(QUEEN EMERALDASの刻印入り)を模した付属品が2点確認できるが用途は不明。
制作数および所有者

『999』の初期設定では4丁という設定であったが、『ニーベルングの指環』でシリアルNo.0が登場し5丁に増加。続編では4丁に再変更した後、シリアルNo.3が再登場し再び5丁に戻ったりとやや複雑化している。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:37 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef