戦国自衛隊_(映画)
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戦国自衛隊
G.I. Samurai
監督
斎藤光正
脚本鎌田敏夫
原作半村良
製作角川春樹
出演者

千葉真一[注釈 1]

夏木勲

渡瀬恒彦

江藤潤

岡田奈々

音楽羽田健太郎
主題歌松村とおる 「戦国自衛隊のテーマ」
撮影伊佐山巌
編集井上親弥
製作会社角川春樹事務所
配給 東宝東映
公開

1979年12月15日

1980年8月28日

1981年1月

1981年4月24日

1982年3月31日

1982年4月16日

1983年7月22日

1983年8月1日

上映時間

139分

欧米 95分

製作国 日本
言語日本語
製作費11億5000万円[1]
配給収入 13億5000万円[2]
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ポータル 映画
プロジェクト 映画

『戦国自衛隊』(せんごくじえいたい、G.I. Samurai)は、1979年日本映画アクション監督主演千葉真一監督斎藤光正製作角川春樹事務所、カラー・ビスタビジョンサイズ、139分。

千葉真一芸能生活20周年・ジャパンアクションクラブ (JAC) 発足10周年記念作品[3]
ストーリー

伊庭義明三等陸尉以下、近代武器で武装した21名の陸上自衛官および海上自衛官は、演習に参加するための移動時に突然、新潟県海岸の補給地ごと戦国時代タイムスリップしてしまった。戸惑っている彼らは当地の武将が率いる軍勢に襲撃される。その後長尾平三景虎が家来と共に近付いてきた。景虎は伊庭と初めて会った瞬間に彼らの見慣れない服装・武器にひかれ、伊庭たちを仲間にしたいと考える。タイムスリップした現実を容易には受け入れられない伊庭と自衛隊員たち。再び景虎と敵対する軍勢に大量の矢で射撃され、関おさむ二等陸士と堀健児二等陸士らが死亡。伊庭と矢野隼人陸士長が機関銃を乱射して敵の陣地へ乗り込むと、後に続いて景虎たちが敵兵と切り結び、ついには敵将の首級を挙げる。白刃で斬り合う彼らの戦いを目の当たりにしたことで、自衛官たちは戦国時代へ来てしまったことを認識。錯乱した高島春美一等海士は現代へ戻るきっかけを作るため爆薬に火を放とうとし、矢野はナイフを彼に投げ付けて刺殺。隊が落ち着かない中で徐々に自分たちが戦国時代にいる現実を否応なしに受け入れていく。

伊庭は景虎から「あなたは戦国の世で生きるべき人だ」と、一緒に天下を取ろうと誘われる。伊庭は戸惑いながらも内心で戦国時代を謳歌(おうか)していることに気づき、2人の間にはいつしか友情が芽生えていた。部下たちもそれぞれに戦国時代と向き合い、近隣の農民やその娘たちと交流。三村泰介一等陸士は娘の一人と恋に落ち、野中学一等陸士は老婆に自分の祖母の面影を思い出し、根本茂吉二等陸士は川で魚を獲る少年と出会い、その母親や兄弟と親しくなっていく。新潟の演習中に脱走し、駆け落ちをするつもりだった菊池弘次一等陸士はタイムスリップしたことをいまだに信じられず、隊を無断で離れ、婚約者の新井和子と待ち合わせをするはずの場所へ向かう。しかし山中で武装した落武者たちの襲撃によって同行した西沢剛一等陸士が殺害され、菊池も和子の名前を叫びながら崖から転落する。現代にいる和子は相馬野馬追を観ながら、菊池が来るのを待ち続ける。一方、現代に戻る術を模索していた県信彦一等陸士、木村治久三等陸曹、小野章一郎三等海尉らは、原住民と交流することは歴史を変えてしまうとして慎重な対応をしていた。

かつて伊庭にクーデター計画を潰されたとして恨んでいる矢野は弟分の加納康治一等陸士と、島田吾一三等陸曹を仲間に引き入れ、哨戒艇の護衛任務にあたっていた小野を刺殺して哨戒艇を奪い、重火器を持ち出して隊を無断で離れる。当初は矢野らに脅されていた須賀利重一等海士もやがて欲望を爆発させ、四人は周囲の村を次々と襲い略奪と殺人、強姦を繰り返す。伊庭は追跡し、隊に戻るよう説得するが、矢野はこれを拒んで戦えと挑発。矢野が船を降りようとした島田を射殺する一方、伊庭は清水英雄二等陸曹(機長)と大西里志一等陸士が操縦するヘリコプターから矢野たちの注意を引き付け、その隙にライフル射撃が得意な三村に3人を狙撃させる。哨戒艇に飛び降りた伊庭は瀕死の矢野を射殺。矢野らの棺桶として、哨戒艇を爆破した。

景虎と天下を取ることで歴史を変え、現代に戻ろうと企図した伊庭は、その目的のためにへ行くと部下に宣言し、隊員たちもこれに従う。しかし根本は知り合った少年とその家族のために、隊を離れた。景虎は越後から西へ進んで浅井朝倉連合を、伊庭は南へ進んで信濃川中島武田信玄を、それぞれ討ち破って京で再び会おうと約束し、進発した。伊庭率いる自衛隊は川中島で武田軍と正面から激突する。伊庭隊は、近代兵器による圧倒的な攻撃力で当初は戦を優位に進めるが、「空を飛ぶ鉄の船(ヘリコプター)」や「地を這う鉄の馬(戦車装甲車)」の情報を得ていた武田軍は、それに対処するための戦術を駆使して奮闘する。

結果的に現代兵器の力を過信した伊庭たちはおびただしい犠牲を払うことになり、ヘリコプターは低空ホバリングの際に忍び込んできた武田勝頼によって2人の搭乗員達を殺害されて墜落、戦車は人海戦術で動きを封じられ、装甲車は落とし穴にはまって自走不能となるなど、兵器や弾薬の喪失とともに、伊庭たちは戦闘能力を失っていく。不利に傾きつつある戦況の中、一気に決着を付けるべく、伊庭は大将である信玄のみを狙うことを決意。馬を奪い、乗馬しながら弓と矢を得て、武田忍軍をかわし、信玄がいる本陣へ単騎斬り込む。信玄と一騎討ちとなり、形勢不利となりながらも拳銃で射殺。信玄の首級を挙げ、切りかかって来た勝頼も討ち取った。

この戦いで伊庭たちは辛くも勝利を収めたものの、車輌のすべてとヘリコプターを失い、隊員も多くが戦死するなど犠牲も大きく、近代兵器は小銃拳銃のみしか残っていなかった。生き残った隊員たちは、戦国時代の過酷さを目の当たりにして昭和へ帰りたいと強く願うようになり、「補給地へ戻り、再びタイムスリップするのを待とう」と伊庭へ進言。しかし、伊庭にとっては、もはや戦国の世で天下を取ることこそが生きる目的となっており、これを認めようとしない。

先行して京へ入っていた景虎は京都御所に呼び出され、足利義昭本願寺光佐九条義隆らから、「正体不明の伊庭を天下人と認めるわけにはいかない。そのような者と手を組む景虎も朝敵とみなす」と弾劾される。伊庭たちが近代兵器を喪失し、わずかな兵力で荒れ寺へたどり着いたことを知った3人は「もはや伊庭恐れるに足りず」と、伊庭らの抹殺を細川藤孝に命令する。伊庭への友情と当世の流れの狭間で揺れる景虎だったが、その動きに待ったをかけ、自ら出陣を決意する。

景虎は苦衷の中にも決意を秘めた表情で、伊庭たちが駐留している荒れ寺へ向かう。心強い味方の到着に伊庭は笑顔を見せるが、彼から贈られたカービン銃を手にした景虎の雰囲気を察すると、天下取りを宣言して抜刀する。対峙(たいじ)する2人だったが、刀を構えてにじり寄った伊庭は、景虎に射殺されてしまう。生き残った隊員たちも、景虎の兵らが放つ矢の雨の中で次々と倒れていった。また三村は隊に付いてきた娘に拳銃を託し、自らを射殺させる。

伊庭ら戦国自衛隊員は、景虎によって丁重に弔われる。そして、火を放たれた荒れ寺は燃え盛る炎に包まれていくのだった。
キャスト

伊庭義明三等陸尉 -
千葉真一
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長尾平三景虎 - 夏木勲

三村泰介一等陸士 - 中康次

県信彦一等陸士 - 江藤潤

森下和道一等陸士 - 速水亮

菊池弘次一等陸士 - にしきのあきら

野中学一等陸士 - 三浦洋一

根本茂吉二等陸士 - かまやつひろし

丸岡正男一等陸士 - 倉石功

平井正芳一等陸士 - 高橋研

矢野隼人陸士長 - 渡瀬恒彦


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