懲戒処分
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この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。

懲戒処分(ちょうかいしょぶん)とは、一定組織内において秩序維持のために科せられる制裁や、特別の監督関係または身分関係にある者に対し一定の義務違反を理由として科する制裁をいう[1]。寛大な懲戒処分である順に、戒告(譴責・口頭注意)[2]、減給、出勤停止(停職)[3][4]、降格、諭旨解雇(諭旨退職)、懲戒解雇である[5]
民間企業における懲戒処分

処置の例 [6]

始末書の提出

注意・戒告・譴責

一時的減給

降格・降職

懲戒解雇

出勤停止

諭旨解雇

民間企業における懲戒手続

民間企業において使用者が懲戒を行うためには、あらかじめ就業規則にその種類・程度を記載し、当該就業規則に定める手続を経て行わなければならない(労働基準法第89条)。また就業規則は労働者に周知させておかなければならない(労働基準法第106条)。これらの手続に瑕疵があると、たとえ労働者に懲戒に該当するような非行があったとしても、処分自体が無効とされることもありうる。
民間企業における懲戒事由および処分の内容

懲戒制度をどのようなものにするかは公序良俗に反しない限り各企業の任意であるが(民法第90条)、使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為を性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は無効となる(労働契約法第15条)。

特に裁判例では手続の適正が重視される傾向にあり、労働者の行為と懲戒との釣り合い(平等取り扱いの原則)、社会通念上の相当性、事前弁明の機会の付与などを要件としていることが多い。さらに、刑事犯罪等に該当しない場合には、事前の指導や注意、警告、段階的懲戒も必要とされることが多い。

一般的に見られる懲戒事由としては、犯罪行為、職場規律違反、経歴詐称、業務命令違反、機密漏洩・営業上の秘密漏洩、背信行為(競業避止義務・職務専念義務違反)などがあり、これに対する懲戒処分としては、戒告、譴責、減給、停職、諭旨解雇懲戒解雇などがある[7]。公務員と違って懲戒免職ではなく懲戒解雇と呼ばれる。また、停職を「出勤停止」と読み替える会社もある。

就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超えてはならず、また、総額が1賃金支払い期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない(労働基準法第91条)。賞与から減額する場合も同様である。

ただし実際には、企業は従業員の長期的キャリアを重視して、服務規律の違反があっても他の事実上ないし人事上の手段(上司による叱責、査定上の不利益、左遷、昇進取りやめ等)による処理を旨とし、懲戒処分の発動は、非行の性質・程度が重大なケースないしは企業秩序への挑戦の性格の濃いケースに限る傾向にある[8]。このような実態を反映して、労働基準法において就業規則に関係する条文数は少ない。
公務員の懲戒処分

公務員における懲戒処分とは、職員に非違行為があったとき、その職員に対する制裁としてなされる処分をいい、国家公務員法第82条、自衛隊法第46条、外務公務員法第3条、国会職員法第28条 - 第32条、地方公務員法第29条、裁判所職員臨時措置法に規定がある[注釈 1]

職員は、法律で定める事由による場合でなければ、懲戒処分を受けることはない。任命権者は非違の程度や情状によって懲戒処分の内容を決定し、処分の選択については任命権者の裁量に委ねられている。なお、一の非違行為に対して二種類以上の懲戒処分を重ねて課することはできない。また、公務員における懲戒処分については、国家公務員は人事院規則で、地方公務員は地方公共団体ごとに条例で、その詳細が定められており、その実施にあっては、通常、その旨を記した書面を交付して行うよう規定している。
懲戒事由
国家公務員法若しくは国家公務員倫理法又はこれらの法律に基づく命令に違反した場合(国家公務員)

地方公務員法若しくは同法第57条に規定する特例を定めた法律又はこれに基く条例、地方公共団体の規則若しくは地方公共団体の機関の定める規程に違反した場合(地方公務員)

職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合(両者共通)

国民全体の
奉仕者たるにふさわしくない非行のあった場合(両者共通)

懲戒処分の種類

公務員における懲戒処分は次のものがあり、法律上の処分は訓告までである。なお、降任は防衛省の特別の機関である自衛隊自衛隊法にその規定がある。

免職 - 職員の意に反してその職を失わせる処分をいう。

降任 - 現に定められている職務の等級・階級を1つまたは2つ、下位のものに下すこと。

停職 - 一定期間、職務に従事させない処分をいう。

減給 - 職員に対する制裁として一定期間、職員の給与の一定割合を減額して支給する処分をいう。

戒告(譴責:けんせき) - 職員の非違行為の責任を確認し、その将来を戒める処分をいう。

このほか、懲戒処分に至らないが不問に付することが適当でない場合として、軽微な処分として訓告その他の矯正措置を行うことがある。省庁により異なるが、一般には次の3つが知られる。なお、これらは懲戒処分ではないが、勤勉手当の扱いにおいて減額の対象となる[9]

訓告(訓諭・訓戒)

厳重注意 ※官庁により、厳重注意が三回累積すると訓告一回分相当の不利益とする懲罰としての意味合いが込められている。

口頭注意(単に「注意」と表現される場合もある) ※官庁により、口頭注意が人事評価に反映されることもある。

懲戒処分と刑罰

日本国憲法第39条に定める二重の処罰を禁止する規定との関係から、懲戒処分と刑罰を併せて科すことができるかが問題となる。この点について、懲戒処分は任命権者の懲戒権に基づく行政処分であり、国家の一般的統治権に基づき、公共の秩序維持のために科する刑罰とは目的を異にしているため、懲戒処分と刑罰を併課することは差し支えないとされる。

このことは、国家公務員一般職、国会職員および裁判所職員については国家公務員法第85条[注釈 2]、国会職員法第32条および裁判所職員臨時措置法にそれぞれ規定されている。また地方公務員や自衛隊員については、法律で明文の規定はないものの、国家公務員一般職等と同様と解しうるとされる。
懲戒処分と分限処分

懲罰的な意味合いをもつ懲戒処分とは異なり、公務の効率性を保つことを目的として行われる処分として分限処分がある。

懲戒処分と分限処分の両方の適用が可能な場合においては、(例えば免職であれば、どちらの処分によるかで退職手当の扱いなどが異なることから)その選択は任命権者の裁量により、個々の事案に即して適切に判断されるべきものである。よって、前述のとおり懲戒処分と分限処分は目的が異なることから、同一の事由について両者を併せて行うことは、いずれかの処分により職員の身分が失われない限り、可能である。
懲戒処分と失職の違い

失職とは、職員に欠格が生じ、それが人事院規則又は当該地方公共団体の条例に定める場合以外であったときに任命権者の処分を要することなく職を失うものである。よって、任命権者による処分の要否という観点から失職と懲戒処分(免職)は異なるものである。
懲戒処分の効力など

懲戒処分は、それが適法かつ有効に成立した後は、法令により変更が認められている場合及び公益上その効力を存在させることができない新たな事由が発生した場合でなければ、その効力を消滅させることはできない(懲戒処分を自ら取り消したり、あるいは撤回することはできない)。また、公務員等の懲戒免除等に関する法律に基づく免除の発動により、懲戒処分が免除されることがある。


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