慶應義塾大学大学院経営管理研究科
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慶應義塾大学大学院経営管理研究科(英称:Graduate School of Business Administration, Keio University、略称:KBS)は、慶應義塾大学日吉キャンパス神奈川県横浜市港北区)に所在する、慶應義塾大学の経営学大学院ビジネススクール)。別称として慶應義塾大学ビジネス・スクールという名称も用いられる。
概要

1962年、慶應義塾大学大学院経営管理研究科(KBS)は、慶應義塾大学産業研究所 (KEO) より分離独立してビジネススクールとして誕生した。KBSは日本で最も歴史のあるビジネススクールである。1969年に1年制プログラムを開始、1978年日本初の2年制の大学院経営管理研究科(修士課程)として認可を受け、1991年4月には博士課程も設けた[1]。また、学位取得課程である修士課程 (MBA) と博士課程 (Ph.D) の他に、学位を授与しない社会人向けプログラムとしてエグゼクティブセミナー、ISSUEセミナーを開講している。

KBSは米国ハーバード・ビジネス・スクールの協力を得て創立された背景から、現実の企業経営の事例を基に作成されたケースを用いた教育方法であるケース・メソッドを採用している。

KBSの入試においては、『原則として大学学部卒業生』であれば出身学部は一切問われない。授与される学位は、専門職学位の『経営管理学修士(専門職)』ではなく『修士(経営学)』となっている[2][3]

マネジメント教育に関する第三者評価機関による国際認証AACSB2000年4月)、およびEQUIS2011年4月)の認証を日本で最初に取得した。ただし、2021年現在、EQUISの認証継続は停止されている[4]。2020年公開の KBS REPORT Vol 18「失われた日本の30年とKBS」 によると、EQUISは「国際化」を重視し、英語MBAプログラムの新設を求めてきたが、KBSにその設置予定はないとされている[1]。
沿革

1956年 - 第1回慶應・ハーバード大学高等経営学講座開講

1961年 - 第1回経営幹部セミナー開講

1962年 - 慶應義塾大学産業研究所 (KEO) よりビジネススクールとして分離設立

1963年 - 第1回幹部開発セミナー開講

1969年 - 1年制教育課程開講

1972年 - 旧校舎完成

1978年

大学院経営管理研究科修士課程開設

大学院経営管理研究科附属ビジネス・スクールを設置


1979年 - 研究室・事務棟および図書館完成

1983年 - 第1回マネジメント・ディベロップメント・プログラム開講

1987年 - KBS設立25年記念式典

1988年

国際単位交換プログラム発足

KBSハウス竣工


1990年 - KBSチェアシップ基金制度導入

1991年 - 大学院経営管理研究科博士課程開設

1996年 - アントルプレナー・スクール開講

2000年 - AACSB(国際マネジメント教育協会)会員校に認定

2001年 - 週末集中セミナー、ISSUEセミナー、遠隔セミナー開講

2008年 - 協生館に移転

2009年 - エセック・ビジネススクール、WHU-Otto Beisheim School of Managementとのダブルディグリー・プログラム開始

2010年 - 慶應義塾大学・京都大学神戸大学によるMBA連携の基本合意書の締結

2011年

国際認証EQUISを国内初取得

HEC経営大学院とのダブルディグリー・プログラム開始


2015年 - 職務経験15年以上を対象とする、修士課程Executive MBAプログラム開設

キャンパスと施設

KBSは慶應義塾創立150年記念事業として2008年に完成した日吉キャンパス内の協生館に位置する。同建物内にはKBSを含む3つの独立大学院のほか、健康スポーツ文化実業などの施設がある。協生館内には、3研究科の大学院生が利用できる協生館図書室がある。その蔵書数は7万冊に及び、特に企業関連図書やアニュアル・レポートが充実している。さらに学位取得課程のKBS生は学内6キャンパスの図書館も利用できる。
大学院経営管理研究科
入試

経営管理専攻として、定員はMBA・EMBA合わせて140名。「一般入試」のほかに「国際プログラム重視入試」「企業派遣者対象入試」がある。(※2019年度から新卒学生選抜制度入試は中止となる)

MBAプログラムは秋期入試と春期入試があり、書類選考合格者対象に2時間の小論文と、面接が課される。

「国際プログラム重視入試」には、出願日から2年以内に受験した試験結果がTOEFLiBT90点以上またはTOEIC860点以上(TOEIC-IPテストは不可)が必要。

EMBAプログラム入試には、所属する企業、団体等の推薦による出願(出願方式A)と個人の資格による出願(出願方式B)がある。いずれも、書類審査と面接試験があり、出願方式Bでは加えて筆記試験がある。「職務経験15年相当以上」を必要条件とする。
修士課程

2年間全日制のMBAプログラムと、「職務経験15年相当以上」を必要条件とする、2年間土曜日中心のExecutive MBA (EMBA) プログラムがある。
MBAプログラム

KBSは、単なる経営技術の専門的教育ではなく、企業の進むべき方向を確立し、それの実現に向けて各職務・部門の活動を最高度に発揮させる「総合的管理能力」を育成するための教育、訓練を行う。

修士課程における授業のおよそ3分の2は、講義中心ではなくケース・メソッドで行われる。それは、経営の原理原則だけに依存せず、そこからは予測できない要因も含めて自ら分析し合理的な意思決定を下す訓練をするためとしている。

1年次では、経営学を8つの領域「会計管理」「マーケティング」「経営科学」「組織マネジメント」「経済・社会・企業」「財務管理」「生産政策」「総合経営」に分け、基礎科目、必修科目として全員が学ぶことになる。1年次後半から2年次にかけて、それぞれの教育領域ごとに専門科目が配置され、各学生は、自分に必要な科目を選択して履修する。また、2年次にはいずれかの教員のゼミナールに所属し、1年間をかけて修士論文に取り組む。各ゼミナールの学生は4?7名程度である。

KBSの入学者は卒業までに500を越えるケースに取り組む。授業では、KBS教員や学生が教員の指導の下に作成した国内外企業の独自ケースと、ハーバード・ビジネススクールを中心とした欧米ビジネススクールのケースの両方が用いられる。KBSには過去40数年の間に開発された1000本を越えるケースが蓄積されており、外部に向けた販売も行っている。

定員100名の一学年が、2クラス、さらに10人程度のグループに分けられる。KBSのケース・メソッド授業は、事前の個人予習を前提としたグループディスカッション、教員がファシリテートするクラスディスカッション、教員による要点の整理と理論の補完のための講義の3点で構成される。1年次は、3回のクラス替えと5回のグループ替えが行われるため、2年生に進級するまでに同学年のほぼ全ての生徒と議論を交わすこととなる。また、約1週間の入学合宿(4月)と2泊3日のビジネス・ゲーム合宿(12月)等がある。

専門科目は多岐に渡り、専任教員のほか、各分野の第一線で活躍するビジネスマン等も外部講師として授業を受け持つ。授業内ゲストスピーカーとして、国内外企業の経営幹部やKBSのOB・OGが登壇することもある。慶應義塾大学大学院理工学研究科との合同授業も行われている。

教員はケース・メソッドの指導能力だけでなく、論文指導の能力が求められる。日本国内のビジネススクールの中では専任教員に占める博士号保有者の割合が高いという特徴がある[5]

KBSは学部を持たない独立した研究科で、入学者の卒業大学および専攻、国籍、年齢、出身業界はバラエティに富んでいる。修士課程の基本言語は日本語だが、提携校から交換留学生を受け入れる2・3学期には英語科目も開講される。日本語を母語としない入学者には、経営議論ができる程度の高い日本語能力が必要とされる。


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