愛玩鳥
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愛玩鳥(あいがんちょう)とは、日常生活で飼育する鳥類のこと。飼い鳥(かいどり)とも言う。
定義

愛玩鳥とは、主に姿形や鳴き声、さえずりを観賞する目的で飼われるもので、それ以外では猛々しさ(ワシタカのような猛禽)や、面白いしぐさ(ヤマガラインコオウムなど)を観賞するためにも飼われる。猛禽の場合は権威の象徴としてや、狩猟目的ではなくスポーツとしての鷹狩りのために飼われる場合もある。

食用や採卵用の家畜として飼われる鳥は家禽と呼ばれ、愛玩鳥とは区別されるが、これらの中にもチャボオナガドリのように、観賞用に品種改良された種がありこれらは愛玩鳥とされる。またかつて通信手段(伝書鳩用のカワラバト)や、狩猟用(鵜飼い鷹狩りに用いられる鷹やハヤブサなど)など、有用目的をもって飼養されたが、現在はその有用性を失い、現在はかつてあったその技術を継承するためだけに飼われている鳥も愛玩鳥とは呼ばれない。もっとも、こういった技術継承の目的とは関係なく、それらに用いられる種を飼う場合もあり、その場合は愛玩鳥とされる。これら以外に、動物園など展示目的で飼育する場合があるが、これらも愛玩鳥とはされない場合が多い。
分類

愛玩鳥として飼われる鳥類は小鳥が多い。もともと寿命が人間よりはるかに短く、環境の変化に敏感でちょっとした管理の不手際で飼育途中に死なせてしまうことも多々あるので、例外的に長命で人懐こいインコオウムを除くとのようなコンパニオンアニマル扱いされることは希である。

日本においては愛玩鳥は通例以下のように分類される。
和鳥

和鳥とは、ふるくから日本に住む在来の野鳥を指す。基本的に捕獲した野鳥を飼いならすものであり、を仕込んで楽しむヤマガラを除くとそのどれもがさえずり鳴き声を楽しむために飼われたので、オオルリウソといったごく一部を除くと、どれも姿形は地味である。自然環境下では昆虫を主食とする種が大半であり、ゆえに飼育環境下ではすり餌と呼ばれる保存の効かない特殊な飼料を用いるが、そのため管理に非常に手間がかかり、平安時代貴族の、江戸時代は裕福な商人や上級武士の優雅な趣味とされた。中にはマヒワのように、うまくやればなどの穀類を主体としたまき餌で飼育可能な、あまり手間のかからない種もあったのだが、鳴き声や姿形でどうしても他種に劣るため、それほど人気が出なかった。
法による規制

2011年時点までは鳥獣保護法で規定されたメジロのみが都道府県知事の許可を受けた場合、1世帯1羽までの捕獲、飼育が認められていたが、この当時から自然保護の観点より条例でメジロの捕獲、飼育を禁じていた自治体も多く、それを受けた環境省も2012年4月以降愛玩目的での国産野鳥の捕獲および飼育を全面的に禁止した。

ただし日本国外で捕獲した野鳥に関してはこの規制が適用されず、飼養羽数の制限もないため、現在は和鳥の名とは裏腹に、和鳥の主流は輸入された外国産鳥類となっている。であるが、需要の多いメジロやウグイスに関して言えば、輸入される種は厳密には別種や別亜種であり、またヤマガラのように別途産する韓国台湾中華民国)も捕獲を規制しており、輸入が事実上不可能な種もあるので、どの種もが一概に輸入可能であるとはいえない。さらには、1999年にはそれまで最大の野鳥輸出国であった中国が輸出を禁止し、2005年以降は相次ぐ鳥インフルエンザの流行により、とりわけ東アジア諸国間では生きた鳥の輸出入自体が禁止されたため、2021年現在は外国産和鳥の入手も困難になっている。

なお鳥獣保護法で指定された狩猟鳥については狩猟期間中に適法に捕獲したものであれば、その後それらを飼育しても法に触れることはない。ただし、狩猟鳥の中には一般的な和鳥として飼われる種は含まれていない。
一般的な和鳥として飼われる種

かつては法定7鳥と呼ばれたホオジロメジロウグイスヒバリヤマガラウソマヒワの7種が飼育可能であったため[1]、現在もこういった種を輸入して飼う場合が多い。かつてはこのほかにコマドリオオルリミソサザイノジコシジュウカラヒガラコガラなどが飼われたのでこういった種やその近縁種も輸入されることがある。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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