愛少女ポリアンナ物語
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世界名作劇場
通番題名放映期間
第11作小公女セーラ1985年1月
- 1985年12月
第12作愛少女ポリアンナ物語1986年1月
- 1986年12月
第13作愛の若草物語1987年1月
- 1987年12月

愛少女ポリアンナ物語
アニメ
原作エレナ・ホグマン・ポーター
監督楠葉宏三
脚本久貴千彩子、国弘珠緒
キャラクターデザイン佐藤好春
音楽小六禮次郎
アニメーション制作フジテレビ日本アニメーション
放送局フジテレビ系列
放送期間1986年1月5日 - 1986年12月28日
話数全51話
テンプレート - ノート
プロジェクトアニメ
ポータルアニメ

『愛少女ポリアンナ物語』(あいしょうじょポリアンナストーリー)は、1986年1月5日から12月28日まで、フジテレビ系列で毎週日曜19:30 - 20:00(JST)に全51話が放送された、日本アニメーション制作のテレビアニメ。『世界名作劇場(ハウス世界名作劇場)』の第12作目に当たる。タイトルの『物語』には『ストーリー』というルビがふってあることから、『愛少女ポリアンナストーリー』とも呼称される[1]
概要

原作はエレナ・ホグマン・ポーターの『少女パレアナ(少女ポリアンナ)』(Pollyanna)および『パレアナの青春(ポリアンナの青春)』(Pollyanna Grows Up)[2]。父を亡くして孤児となったパレアナ(ポリアンナ)が、貧しさや不幸に負けずにがんばっていくという物語で、どれだけ苦しい状況でも、牧師である父親の遺言の「よかった探し」をするポリアンナが印象的で、前年の『小公女セーラ』に続くヒット作となった。

本作品では『少女パレアナ』を元にした第1部、『パレアナの青春』を元にした第2部からなる二部構成が採られている。ただし後述の通り、本作品でも原作からの改変・相違点が複数存在し、特に第2部は原作と年齢設定が異なるだけでなく、原作と比べて大幅に希望のあるストーリー展開となっている。本作品では上記の通り「よかった探し」という言葉が創作され、視聴者の間でも定着したが、原作が出版された際も、主人公の名前であるPollyannaは「極めて前向きな楽観主義者」の意味として使われ、その後心理学分野での用語「ポリアンナ効果」「ポリアンナ症候群」が生まれた。

放映年の1986年は、プロ野球中継や特別番組などによる休止がほとんどなかったこともあり[3]、全51話と多い話数で終了した。最終回では本編終了後にポリアンナからの「よかった探しを忘れないで」という内容の番組終了の挨拶が挿入された。この映像は番組自体の後提供クレジットを兼ねており、ハウス食品のロゴや提供アナウンスも含まれるため、DVDや再放送ではその部分がカットされている。
あらすじ

時代は1920年?1921年のアメリカ。西部、架空の街ベルディングスビル、ボストンを舞台にした家族愛の物語が描かれる。
第1部

第1部では、父の突然の死により、ベルディングスビルに住む叔母のパレーに引き取られた主人公のポリアンナが、徐々に周囲の人間たちを感化していくエピソードから、自動車事故により足が動かなくなったポリアンナが、危険な手術に耐え、再び自分の足で立ち上がれるようになるまでの話を描いている。
西部編
主人公ポリアンナは、西部で牧師の父ジョンと二人で生活している。父ジョンは第2話ではやくも他界。孤児になったポリアンナは、
叔母パレーに引き取られることとなった。
ベルディングスビル編
叔母のパレーに引き取られ、ベルディングスビルにやってきたポリアンナ。叔母のひどい仕打ちにもめげず、前向きに明るく「よかった探し」をする。ひたむきなポリアンナの姿に、周囲の人々は心引かれていく。街一番の大富豪で変わり者のペンデルトン、子供ながら浮浪者のような生活をするジミー、病気で塞込んで愚痴ばかり言っているスノー夫人など、癖のある様々な人物が登場する。街の人々の心を明るく変化させたポリアンナだったが、自動車事故が原因で神経を痛めて、二度と立ちあがることができない体になったと医師に宣告される。ポリアンナは、得意の「よかった探し」もできなくなってしまう。絶望的と思われたが、ボストンで手術を受ければ、再び立ちあがることができるようになるかもしれないとわかる。手術のために、叔母パレーとボストンへ旅立つ。
ボストン編
足の手術を受けるため、ボストンにやってきたポリアンナ。ポリアンナの足の手術は、当初の予測よりずっと成功率が低く、命の危険もあるという。戸惑うパレーだったが、ポリアンナの決心は固く、高いリスクの手術に挑戦することになった。ポリアンナは、長時間に及ぶ手術に耐え、手術はみごと成功する。リハビリ中のポリアンナは、長年にわたり仲違いしていたパレーとチルトンが、今でも好きどうしであることを知る。ポリアンナは、ジミーの協力を借りて二人を仲直りさせようと試みる。
第2部

第2部では、手術後のリハビリのためボストンのカリウ家で暮らすことになったポリアンナが、カリウ夫人の甥で行方不明のジェミーを探し出そうと奮闘するストーリーが中心に展開する。ボストン編では、お隣のお嬢様サディや、スラムで暮らすミッキーといった個性的なキャラクターも登場する。怪我から回復したポリアンナがベルディングスビルに戻った直後に悲劇が起こり、ポリアンナ一番の親友であるジミーの過去と正体が明らかになる。
ボストン編
リハビリのため、ボストンの大富豪カリウ家で暮らすことになったポリアンナ。カリウ夫人は、身内につぎつぎに先立たれ、最愛の甥ジェミー・ケントが行方不明になり、ひとり不幸な毎日を送っていた。カリウ夫人は行方不明になった甥のジェミー・ケントを探し出そうとしていた。ボストンについた翌日、ポリアンナは、リスのチップマックがいなくなっていることに気づいた。見知らぬ大都会ボストンで必死にチップマックを探すうちに、ポリアンナは迷子になってしまう。途方にくれるポリアンナの前に、ミッキーと名乗る新聞売りの少年が現れる。チップマックを探し続けるポリアンナ。チップマックは、公園にいた車椅子の少年に保護されていた。しかし、車椅子の少年は、このリスはチップマックではなく、騎士ランスロットという名前で、自分のリスだと言う。公園で出会った車椅子の少年、若君ジェームスことジェミーが、行方不明のジェミー・ケントなのではないかと思ったポリアンナは、このジェミーを引き取るようにカリウにすすめる。
ベルディングスビル編
リハビリを終え、ベルディングスビルに戻ったポリアンナ。ポリアンナの快気祝いの席を中座し、患者のもとに向かったチルトンは、帰り道で崖から転落し、帰らぬ人に。悲しみに暮れるパレーを励まそうと努力するポリアンナだったが、なかなかうまくゆかない。パレーの気持ちを引き立てるため、ポリアンナは、パレーと仲のよいカリウ夫人と、ジェミーをベルディングスビルに招く。ジミーは、カリウ夫人に挨拶するため、義父ペンデルトンと一緒にハリントン家を訪れる。ジミーの顔を見たカリウ夫人は、ジミーに見覚えがあると言い出す。
「よかった探し」についてポリアンナによると「よかった探し」(原作では「being glad game」)は、どんなことが起きてもその中からよかったと思えることを探し出して明るく振る舞うためのゲームである。加えて見つけるのが難しければ難しいほど面白く、「よかった」を見つけた時の喜びも大きいとされる[4]。ただし、ポリアンナは自動車事故によって歩けなくなったと知った直後、あまりにも辛い状況に「よかった」が見つけられないこともあった。父ジョンから「よかった探し」のゲームを教わったポリアンナは、パレーに会うと真っ先にこのゲームを教えて一緒に楽しもうと考る。ゲームのことを話すにはジョンの話が必要不可欠だったが、パレーがジョンのことを嫌っていると知ったポリアンナは、仕方なく彼女にこのゲームを伝えることをあきらめてしまう。結局ポリアンナは、パレー以外の人に「よかった探し」を広めていき、パレーがこのゲームを知るのは物語の中盤になってからである。ジェミーは、ポリアンナと会う前から亡くなった父親の本の詩[5]を真似て、日常生活で少しでも嬉しかったり良かったと思える事があるとそれをノート(「喜びの本」)に書き出していた。このことをポリアンナに話した所、偶然この行為は「よかった探し」にそっくりだと分かり、彼女から「あなたはよかった探しの天才よ」と評された[6]
登場人物
主要人物
ポリアンナ・フィティア
- 堀江美都子「よかった探し」が得意な天真爛漫な少女。8歳?9歳。周りの人の心配事を本気で考えられるやさしい性格。子供っぽく思慮が浅いところがあるが割と頭の回転は早く、思いついたことはすぐ行動に移すタイプ。ただし、純粋すぎる言動のせいで「お世辞を言ってる」、「奇妙な子」などと周りから時々誤解されることがある[7]。いくつか癖があり、嬉しいことがあるとドアを思いきり開け閉めしたり、目の前の相手に抱きつくなどしている。また、「私、〇〇って大好きなの」が口癖[8]。夕焼けや素敵な服など綺麗なものを見るのが好きで特にプリズムの光が大好き。そばかす(昔は不美人の証とされていた)を気にしている。よく走り回っており、跳躍はバツグンである。辛いときは、母の形見である手鏡にむかって話しかけることがある。幼くして両親と死別し、パレーに引き取られハリントン家の屋根裏部屋で住み始める。本作品の放送終了後も、『愛の若草物語』のエイミーと共に角川版世界名作アニメ全集のCMに登場したことがある。主演を務めた堀江美都子は、それまで声優として参加する作品では多くの場合主題歌の歌唱も併せて手がけていたが、本作品では声優としてのみの参加となった。これに関して堀江は「声優として認めていただけたのかな」と発言している。
パレー・ハリントン / パレ―・チルトン
声 - 野沢雅子(青春期 - 室井深雪〈現・深雪さなえ〉→岡本麻弥)ジェニーの妹であり、ポリアンナの叔母。34歳。度重なる不幸の為、心を深く閉ざしているが、本来は優しく穏やかな性格。両親なきあと、一人でハリントン家を守ってきた気丈な女性。自身の首元に右手を当てる仕草が癖[9]。好きな花はバラ[10]。動物はあまり好きではない[11]。姉ジェニーのことが好きだったが、ジョン牧師が姉と結婚して以来、ハリントン家に不幸が訪れるようになり、彼のことをたいそう憎んでいた。また、かつての恋人チルトンとは、彼がジョン牧師を擁護したため、決別してしまった。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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