予讃線
予讃線を走行する特急「しおかぜ」
(海岸寺 - 津島ノ宮 2017年1月)
基本情報
通称瀬戸大橋線(高松駅 - 宇多津駅間)
愛ある伊予灘線(伊予市駅 - 伊予長浜駅 - 伊予大洲駅間)
国 日本
所在地香川県、愛媛県
種類普通鉄道(在来線・幹線)
起点高松駅(本線)
向井原駅(支線)
新谷駅(支線)
終点宇和島駅(本線)
内子駅(支線)
伊予大洲駅(支線)
駅数97駅(貨物駅、臨時駅含む)
電報略号ヨサホセ[1]
路線記号Y(高松駅 - 松山駅間)
U(松山駅 - 宇和島駅間(新線))
S(向井原駅 - 伊予大洲駅間(旧線))
開業1889年5月23日[2]
全通1945年6月20日
所有者四国旅客鉄道
運営者四国旅客鉄道(全線 第一種鉄道事業者)
日本貨物鉄道(高松駅 - 松山貨物駅間 第二種鉄道事業者)
使用車両使用車両を参照
路線諸元
路線距離297.6 km(高松駅 - 宇和島駅間)
23.5 km(向井原駅 - 内子駅間)
5.9 km(新谷駅 - 伊予大洲駅間)
軌間1,067 mm(狭軌)
線路数複線(高松駅 - 多度津駅間)
単線(上記以外)
電化方式直流1,500 V 架空電車線方式
(高松駅 - 伊予市駅間)
非電化(上記以外)
最大勾配33 ‰(八幡浜駅 - 伊予石城駅間、下宇和駅 - 立間駅間、伊予吉田駅 - 高光駅間)
最小曲線半径200 m
最高速度130 km/h(高松駅 - 松山駅間)
路線図
テンプレートを表示
予讃線(よさんせん)は、香川県高松市の高松駅から愛媛県松山市の松山駅を経て、愛媛県宇和島市の宇和島駅に至る四国旅客鉄道(JR四国)の鉄道路線(幹線)である。このほか、愛媛県内の向井原駅から内子駅までと、新谷駅から伊予大洲駅までの支線を持つ。この2つの支線は、内子駅から新谷駅までの内子線を経由して繋がっており、向井原駅 - 伊予大洲駅間を結ぶ短絡ルートを形成している。
日本国有鉄道(国鉄)時代は予讃本線(よさんほんせん)と呼ばれていたが、民営化後の1988年にJR四国は線路名称を改正し、予讃線に改称した。瀬戸大橋の開通後、本州・四国間連絡を担う区間の一部である高松駅 - 坂出駅 - 宇多津駅間には本四備讃線・宇野線の茶屋町駅 - 岡山駅間と共に「瀬戸大橋線」という愛称が付けられている。また、2014年3月15日から伊予市駅 - 伊予大洲駅間の海回り区間に「愛ある伊予灘線」の愛称が付けられている。
なお、旅客向けの時刻表や『鉄道要覧』では内子駅経由の短絡ルートの分岐点を伊予大洲駅としているが、実際の分岐点は五郎駅 - 伊予大洲駅間にある伊予若宮信号場である。ここでは便宜上、時刻表や『鉄道要覧』に倣い伊予大洲駅を分岐点として記述する。 四国北部の瀬戸内海沿いを走り、香川県(旧讃岐国)西部と南予地方を含む愛媛県(旧伊予国)を東西に横断する路線である。JR四国の路線では最長の距離を持つ。 高松駅 - 松山駅間はJRの前身である国鉄の時代から四国の重要幹線として位置づけられ、早くから一線スルー化や遠隔操作 (RC) 化でスピードアップに取り組んでいた。さらに1986年、向井原駅 - 伊予大洲駅間について内子経由の新線が完成し、これまで伊予灘に面した伊予長浜駅経由の従来線で運転されていた特急・急行列車は、内子線を含めた内子駅経由の短絡ルートに変更され所要時間が短縮された。民営化後も高松駅から伊予市駅までの電化による電車の投入や重軌条化、未改良だった駅構内の一線スルー化、弾性分岐器化により高速化が図られ、単線区間を運転する列車の表定速度は日本全国の幹線の中でも最高水準である。 内子駅経由の新線の開通は、従来線でしばしば起こった台風上陸などによる運転見合わせから解放されたという点でも重要である。2005年夏に、相当な豪雨のため、並行する松山自動車道や国道56号、伊予長浜駅経由の予讃線旧線と並行する国道378号が全て不通になったときも、予讃線全体では不通とならなかった。しかし依然として八幡浜駅 - 宇和島駅間は、総じて旧線と同じくらいかそれ以上に険しい道のりであり、2006年夏に八幡浜駅 - 双岩駅間で倒木に上り特急列車の先頭車が接触して損傷してからは、旧線が運転見合わせになった場合、ほぼそれに合わせて徐行または運転見合わせをするようになった。 近代的な線路と裏腹に、通票閉塞時代の面影を残す駅が多い。伊予大洲駅 - 宇和島駅間の交換駅は、双岩駅と伊予石城駅以外では両開き分岐器を使用しており一線スルー化されておらず、特急停車駅でない駅のホーム嵩も低く当時をしのばせている。 JR四国は2006年に国土交通省交通政策審議会・交通体系分科会の地域公共交通部会に提出した資料で、長期的に望まれる投資として伊予市駅 - 内子駅 - 宇和島駅間の電化と、高縄半島の付け根を結ぶ伊予西条駅 - 松山駅間の短絡線建設を挙げている[3]。 高松駅 - 多度津駅間はIC乗車券「ICOCA」のエリアに含まれている[4]。なお2020年3月14日には、土讃線・高徳線の一部区間と同様に、ICOCAエリアを詫間駅・観音寺駅まで拡大した[5]。 松山駅 - 高松駅間のうち単線である松山駅 - 多度津駅間の複線化の要望もあるが、2020年4月現在、採算性の問題もあって複線化の予定はないと愛媛県は回答している[6]。 キロポストは新線経由も内子線区間も含め高松駅からの距離の表示となっている。
概要
路線データ
管轄・路線距離(営業キロ):
四国旅客鉄道(第一種鉄道事業者):全長327.0km
高松駅 - 宇和島駅間 297.6km
向井原駅 - 内子駅間 23.5km
新谷駅 - 伊予大洲駅間 5.9km(新谷駅 - 伊予若宮信号場間は3.5km)
日本貨物鉄道(第二種鉄道事業者):
高松駅 - 松山貨物駅間 (200.3km)