愛を綴る女
Mal de pierres
第69回カンヌ国際映画祭にて撮影。左からニコール・ガルシア、アレックス・ブレンデミュール、マリオン・コティヤール、ルイ・ガレル
監督ニコール・ガルシア
脚本ジャック・フィエスキ
『愛を綴る女』(あいをつづるおんな、Mal de pierres)は2016年のフランス・ベルギーの恋愛映画。監督はニコール・ガルシア、出演はマリオン・コティヤールとルイ・ガレルなど。原作はイタリアの作家ミレーナ・アグスのベストセラー小説『祖母の手帖(英語版)』。運命の恋に一途に憧れる女性が最後にたどり着く真実の愛を描いている[4]。
2016年5月に開催された第69回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品された[1]。第42回セザール賞(フランス語版)では作品賞や監督賞、主演女優賞など計8部門にノミネートされたが、受賞はならなかった。 1950年代の南仏の小さな村で暮らす美しい女性ガブリエルは、運命の恋に一途に憧れるあまり、片想いの恋に破れたことで騒動を起こしてしまう。精神的に不安定なガブリエルの扱いに困った母アデルは、スペイン内戦から逃れて来た過去を持つ寡黙な季節労働者ジョゼがガブリエルに好意を抱いていることに気付くと、半ば強引にガブリエルをジョゼと結婚させる。ジョゼに対して「愛してないわ、絶対に愛さない」と告げるガブリエルに、ジョゼもまた「俺も愛してない」と答える。 ジョゼがアデルらの支援で始めた工務店は繁盛し、ガブリエルはジョゼの仕事を手伝うものの、ジョゼを夫として愛そうとはせず、娼婦のようにジョゼに金を払わせて関係を結ぶ。そんな生活の中で妊娠したガブリエルは流産し、さらに腎臓結石と診断されたことでアルプスの療養施設で温泉療養をすることになる。投げやりで治療にも積極的でないガブリエルだったが、インドシナの戦地で重い病を患ったために療養中の若い将校アンドレと出会うと、一目で恋に落ちる。ガブリエルはアンドレこそが運命の相手と信じていたが、アンドレとは互いに惹かれ合いつつも友人以上の関係になれないまま、容体の悪化したアンドレはリヨンの病院に転院することになる。再び投げやりとなったガブリエルだったが、ある日、アンドレが突然戻ってくる。ガブリエルはアンドレと一線を超え、愛し合う恋人同士として生活を送るようになる。しかし、体調が回復したことで退院することになったガブリエルは、アンドレの「会うための連絡を入れる」との言葉を信じ、迎えに来たジョゼとともに家に帰る。ガブリエルは妊娠していた。ガブリエルはその事実をアンドレに告げぬまま手紙を送り続けるものの、一向に返事は来ず、とうとうこれまで送った手紙が全てまとめて返送されて来てしまう。 ガブリエルは男の子を出産する。ジョゼは全てを承知の上で自分の息子として愛情を注ぐ。ガブリエルは息子にアンドレの姿を重ねるようにピアノを習わせ、アンドレが好きだったチャイコフスキーのピアノ曲『舟歌』を弾かせようとする。 成長した息子はピアノの才能が認められ、リヨンで行われるコンテストに出場することになる。ジョゼと息子とともにリヨンにやって来たガブリエルは、アンドレの住む家が近くにあることに気づくと、家族を放ってアンドレの家に向かう。ところがアンドレの家にはかつてのアンドレの部下がおり、彼からガブリエルは驚くべき真実を知らされる。実はアンドレは療養施設から転院したその日にリヨンの病院で亡くなっており、療養施設には戻っていなかったのである。戸惑うガブリエルに、療養施設に見舞いに来た日のことを訊ねられたジョゼは、これまで語ることのなかった真実を語る。 ガブリエルを見舞いに来たジョゼはアンドレと偶然に出会って話をしていたのである。アンドレはジョゼがガブリエルの夫とは気づかなかったものの、ジョゼはガブリエルとアンドレが互いに惹かれ合っていることを知ってしまう。
ストーリー