愛の戦士レインボーマン
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テレビアニメ作品については「愛の戦士レインボーマン (アニメ)」をご覧ください。

愛の戦士レインボーマン
ジャンルテレビドラマ
原作川内康範
企画衛藤公彦
脚本

伊東恒久

尾中洋一

吉原幸栄

田村多津夫

加瀬高之

監督

山田健

長野卓

砂原博泰

六鹿英雄

児玉進

出演者

水谷邦久

井上昭文

平田昭彦

塩沢とき ほか

製作
プロデューサー

片岡政義(NET)

野口光一(東宝)

制作NET

放送
放送国・地域 日本
放送期間1972年10月6日 - 1973年9月28日
放送時間金曜日 19時30分 - 20時00分
放送分30分
回数52
特記事項:
製作 : 東宝
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『愛の戦士レインボーマン』(あいのせんしレインボーマン)は、東宝製作の特撮テレビ番組川内康範原作。1972年10月6日から1973年9月28日までNET系で毎週金曜日19時30分 - 20時00分に全52話が放送された。平均視聴率は関東地区で15.5%、関西地区で20.5%。その放送に合わせて漫画が雑誌連載されている。

映像でのタイトルは『レインボーマン』だが、エンディングテーマの歌詞、最終話のエンディングでのテロップ、映像ソフトのタイトル、関連商品の記述などでは『愛の戦士レインボーマン』とされている[1][2][3]
概要

レインボーマンに変身するヤマトタケシと、死ね死ね団の戦いを描いたテレビドラマ。本作品は東宝がテレビドラマのヒーロー物に初参入した番組である[3]。また1970年代の川内康範原作作品としてはテレビアニメ『正義を愛する者 月光仮面』に次ぎ、川内原作作品としても初の変身ヒーローものである[2][3]

原作者の川内は千葉真一主演した1960年のテレビドラマ『新七色仮面』、『アラーの使者』を本作品の基としているが[4][注釈 1]、単純な勧善懲悪ものではなく、川内の東南アジアにおける旧日本兵の遺骨収集の体験が反映された、数々の特徴をもっている。すなわち、かつて日本に虐待されたと自称する外国人が組織立って日本人に復讐しようとするという敵の設定、祖国が外国から迫害を受けている現実を目の当たりにしながらも、共に戦う仲間を得ることもなく、日本を守るために孤独な戦いを続けるレインボーマンの「祖国愛」、主人公の私生活やヒーローとしての苦悩に重点を置き、主人公をヒーロー番組の人物設定にありがちな完全無欠な性格としていない点、などである。

『レインボーマン』の企画を東宝に提案したのは、『月光仮面』の時代から川内康範と関わりの深かった企画者である萬年社の衛藤公彦であるが[注釈 2]、衛藤によれば当作は番組そのものの人気もさることながら商品化収入の面でも莫大な利益を上げたことで、2年目以降の放映延長も可能だった。1年で放送を終えたのは、原作者である川内の意向があったためと語っている[6]

製作者側が望んだ川内のポリティカルな姿勢は、衛藤の期待通り番組制作全体に及び、有川貞昌は特撮の演出面に関しても、川内から様々な叱咤激励があったと語っている[7]
レインボーマン

レインボーマンは変身ヒーローの名前である。レインボーマンは必要とする能力に合わせて、七曜にちなむ7種類の姿に変化(へんげ)し、それぞれの姿にちなんだ超能力を発揮する。単独ヒーローが状況に応じて様々に姿や能力を変化させる要素(フォームチェンジ)は、当時としては斬新なものであり[2]、のちの特撮番組にも応用されている。

キャラクターデザインは、『正義を愛する者 月光仮面』の監督を務めた岡迫亘弘によるものである[8][9][注釈 3]。岡迫は7種のデザインにあたり一目で見分けられることを心がけている[9]。背面はデザインしておらず、造形側の処理による[9]

レインボーマンの7つの衣装は、造形会社「開米プロダクション」が担当している。予算の関係で皮革素材は使えず、社長の開米栄三自身が浅草の専門店へ足を運んで伸縮性のある生地(ビニールレザー)を購入し、衣装屋に縫製してもらったそうである。開米によると、原作者の川内が多忙で、打ち合わせはホテルのロビーで行なったとのこと。

敵対する勢力は、ヒーローものにありがちな架空の宇宙人や怪人ではなく、日本人を憎悪し日本国家の滅亡と日本人撲殲滅を企む組織死ね死ね団で、現実の外国人[注釈 4]によって組織された集団である[2]。第2クールで魔女イグアナと殺人プロフェッショナルを送り込んだのを皮切りに、第3クールでは悪魔武装戦隊(DAC)を結成、第4クールでは部下などを次々とサイボーグ化しレインボーマン抹殺を目論んだ。

いわゆる怪人は登場しない[10]が、殺人プロフェッショナルなど、特殊な能力を持った異形の怪人的なキャラクターは存在している。

メカの描写は、『緯度0大作戦』や『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』など東宝特撮映画の特撮シーンを流用している[11]
物語の進行

戦いは、変身ヒーローなどに多い1話完結による「怪人対主人公」ではなく[10]、約1クール(13話)からなる「政治的結社の陰謀対それを阻止する主人公」であり、登場する殺人プロフェショッナルやサイボーグはレインボーマン打倒が目的で送り込まれるケースが多い。第2話の「この1年間、よくぞ耐え抜いた」というダイバ・ダッタのセリフ、第40話の「娘・イグアナが死んでから666日が経った」というゴッドイグアナのセリフから、作中では第2話の間に1年、第25話から第40話までの間に、2年近い時間の経過があったことになる。

ヒーロー誕生から敵組織との戦いに至る流れも従来のヒーロー番組とは異質であり、第1話においてはレインボーマンは幻影のみの登場、2 - 4話ではレインボーマンとなったタケシの人間ドラマが中心で、敵組織の「死ね死ね団」は4話目にして初めて登場する。
あらすじ

アマチュアレスリングで名をはせた高校生・ヤマトタケシは小学生のころ、妹を自分の不注意で交通事故に遭わせ、脚に障害を負わせてしまう。その治療費を稼ぐため、格闘技にさらに磨きをかけプロレスラーとなり、有名になって金持ちになるべく、インドの山奥に住む奇蹟の聖者ダイバ・ダッタのもとへと旅立った。折しも第三次印パ戦争の真っ只中であり、負傷したタケシだったが、年老いたダイバはタケシに長年夢に見た伝説の七色の戦士レインボーマンの素質を見出し、タケシを弟子に迎える。

タケシが長く厳しい修行をしながらその地で見たものは、同じ人間同士が傷つき殺しあう民族間の紛争だった。ダイバは死んだ兵士を超能力を用いて蘇らせるが、生き返ったにもかかわらず、再び争いを始める兵士たち。ダイバが諭すと、その神々しさに感銘した兵士たちは武器を捨て故郷へ帰っていった。


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