「五根」はこの項目へ転送されています。仏教における能力の信・精進・念・定・慧を指すものについては「五根 (三十七道品)」をご覧ください。
三科(さんか)とは部派仏教における、世界を在らしめる『一切法』を分類した三範疇、五蘊(五陰)・十二処・十八界をいう。蘊・処・界、または陰・界・入と略すこともある[1]。また、六根・六境・六識の三範疇をいうこともある。 五蘊(ごうん、梵: panca-skandha) - 五陰(ごおん、旧訳)とも。人間の肉体と精神を五つの集まりに分けて示したもの。 パーリ経典による六六経 十二処
目次
1 五蘊(五陰)・十二処・十八界
1.1 五蘊
1.2 十二処
1.3 十八界
1.4 心・意・識の同義
2 その他
3 脚注
3.1 注釈
3.2 出典
4 参考文献
5 関連項目
五蘊(五陰)・十二処・十八界
五蘊
色(しき、梵: r?pa) - すべての物質。
受(じゅ、梵: vedan?) - 感受作用。
想(そう、梵: sa?jn?) - 表象作用。
行(ぎょう、梵: sa?sk?ra) - 意志作用。
識(しき、梵: vijn?na) - 認識作用。
十二処
処、入 (?yatana)
→ 受
・
ヴ
ェ
|
ダ
ナ
|
→ 渇
愛
・
タ
ン
ハ
|
六根
感覚器官<–>六境
感覚器官の対象
↓↓
↓触 (パッサ)
↓↑
識 (ヴィンニャーナ)
六根とは、目、耳、鼻、舌、体、心
六境とは、色(ルーパ)、音、匂い、味、触覚、意の知覚対象(法)
名色(ナーマルーパ)は、識(ヴィンニャーナ)により生じる
処(六根と六境と識)は、名色(ナーマルーパ)により生じる
触は、処(六根と六境と識)により生じる
感受(受, ヴェーダナー)は触により生じる
渇愛(タンハー)は感受により生じる
⇒Source: MN 148 (Thanissaro, 1998) details
六境(ろっきょう、梵: ?a?-vi?aya) - 客観の側の六種の対象[3]のこと。六外入処(ろくげにゅうしょ)とも。
色(しき、梵: r?pa) - 眼根によって見られる色彩と形象[4][5]
「色 (仏教)」も参照
.mw-parser-output ruby>rt,.mw-parser-output ruby>rtc{font-feature-settings:"ruby"1}.mw-parser-output ruby.large{font-size:250%}.mw-parser-output ruby.large>rt,.mw-parser-output ruby.large>rtc{font-size:.3em}顕色(けんじき)[8](いろ)と形色(ぎょうしき)[8](かたち)の2種類に分たれ、また、青、黄、赤、白、長、短、方、円、高(凸形)、下(凹形)、正(規則的な形)、不正(不規則な形)、雲、煙、塵、霧、影、光、明、闇の20種に分たれる[9]。
声(しょう、梵: ?abda) - 聴覚の対象[3] [5]
苦楽の感覚を発する有情身の発する音とそうでない音、意味を伝える音とそうでない音、および快い音とそうでない音との別により8種に分たれる[9]。
香(こう、梵: gandha) - 嗅覚の対象[3] [5]
良い香りと悪い香り、適度な香りとそうでない香りの別により4種に分たれる[9]。
味(み、梵: rasa) - 味覚の対象[3] [5]
甘さ、酸っぱさ、しおからさ、辛さ、苦さ、渋さの6種に分たれる[9]。
触(そく、梵: spar?a) - 身根によって感じられる堅さ、熱さ、重さなど[4][5]
滑らかさ、粗さ、重さ、軽さ、冷たさ、ひもじさ、渇きの7種、および地、水、火、風の4種の合計11種に分たれる[10]。
法(ほう、梵: manas) - 意根によって知覚される概念を含むすべての存在[4][5]
また、五根に対応する境の部分(色・声・香・味・触)を五境、そこに生じる欲を五欲(五塵)と表現したりもする[11]。