この項目では、ローリング・ストーンズの楽曲について説明しています。その他の用法については「悪魔を憐れむ歌 (曖昧さ回避)」をご覧ください。
「悪魔を憐れむ歌」
ローリング・ストーンズの楽曲
収録アルバム『ベガーズ・バンケット』
リリース1968年12月6日 (1968-12-06)
録音ロンドン、オリンピック・スタジオ(1968年6月)
ジャンルロック
時間6分28秒
レーベルアブコ・レコード
作詞者ジャガー/リチャーズ
プロデュースジミー・ミラー
『ベガーズ・バンケット』収録順
「悪魔を憐れむ歌」
(1)ノー・エクスペクテーションズ(en)
(2)
ミュージックビデオ
「Sympathy for the Devil」 - YouTube
「悪魔を憐れむ歌」(あくまをあわれむうた、Sympathy for the Devil)は、イギリスのロックバンド、ローリング・ストーンズの楽曲で、1968年のアルバム『ベガーズ・バンケット』のオープニングを飾る。発表当初は物議を醸したが、多くのミュージシャンによってカバーされ、ローリング・ストーン誌が2004年に選出した「ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500」にて32位にランクインした[1][注釈 1]。 「悪魔を憐れむ歌」は、チャーリー・ワッツのリムショットとロッキー・ディジョーンのコンガ、そしてビル・ワイマンのマラカス(シェケレの一種)が刻むサンバ調のリズムで始まる。当初はフォークソング調の編曲を加える予定だったが、ギターのキース・リチャーズの意見が取り入れられ、パーカッションを用いたサンバのテンポへと変更された[2][3]。ボーカルのミック・ジャガーは、1995年のローリング・ストーン誌インタビューで、サンバは原始アフリカやラテン・アメリカまたはカンドンブレのリズムのような惑乱的なグルーヴを持ち、強力な作品を作るには持って来いの媒介になるため選択したと答えている[4]。これらリズムに呪術的なコーラスが加わり、曲全体の雰囲気を醸し出している[5]。 この曲は、ミックとキース・リチャーズ共作(ジャガー/リチャーズ)とクレジットされているが、基本的に作詞、作曲はミック一人で行われており、キースは「別のリズムでやってみたらどうか」と提案したのだという[4]。歌詞にはシャルル・ボードレールの作品が影響したという意見があったが、これを聞いたジャガーは否定し、仮にフランス文学からアイデアを得たとしてもそれはボブ・ディランの歌に影響を受けたのと同程度だと回答をしている[4]。ただし、2002年のインタビューでキースは当初のフォーク・アレンジはボブ・ディラン調だったとも話している[6]。 ニッキー・ホプキンスのピアノが入るのと同時に、ミックの歌唱が始まる。実際には、歌詞は1920年代に執筆されたミハイル・ブルガーコフの小説「巨匠とマルガリータ」との著しい類似が散見され、大きく影響を受けたと解釈されている[2][5]。その典型的な部分が、歌詞と小説の冒頭にある。"Please allow me to introduce myself;" このように一人称と三人称の違いはあれ、どちらも、とある男による突然の話しかけを口火に始まる。 しかし「悪魔を憐れむ歌」の男は名乗らず、自分を「財産家で趣味の良い者」と言う。そして、世界の歴史の中でいかに自らが多くの事柄に関与してきたのかを物語り始める。イエス・キリストの処刑を皮切りに、ロマノフ朝一族を虐殺した1917年から1918年にかけてのロシア革命、第二次世界大戦の死臭漂う電撃戦、各国の元首たちが神の名の下に百年間争いに明け暮れたヨーロッパの宗教戦争が続く。ジョン・F・ケネディとロバート・ケネディの暗殺にも言及している。元々はケネディ大統領暗殺事件のみを題材に選んでいたが、レコーディング中に弟のロバート暗殺の報に触れ、歌詞に兄弟両方の事件を示唆するよう「Kennedy?」(単数)から「Kennedys?」(複数形)へと変更が加えられた[8]。 リフで男は、自分の名を当てるよう求める。アルバムの日本語詞でこの部分は、もう気づいているだろう?という問い掛け風に訳される[9]。そして、数々の企みを仕掛けて来た、という言葉を投げかける。 途中から「Woo,woo」というコーラスが聴こえてくるが、このアイディアはプロデューサーのジミー・ミラーの発案である。ミラーがコントロールルームでこの曲にのせて一人「Woo,woo」と口ずさんでいたところ、他のメンバーもこれに合わせてきたため、すぐにエンジニアにマイクをセットさせ録音したのだという。このコーラスにはストーンズのメンバーとミラーの他にニッキー・ホプキンス、マリアンヌ・フェイスフル、アニタ・パレンバーグ、スキ・ポワティエ
概要
詞曲
「どうぞ私に自己紹介をする許しを下さいませ」 ? 「悪魔を憐れむ歌」'Please excuse me,' he said, speaking correctly, but with a foreign accent, 'for presuming to speak to you without an introduction. '[注釈 2]
「申し訳ありませんが」と、彼は正確な、しかし異国風のアクセントで言った。「自己紹介もせずに出しゃばります」 ? 「巨匠とマルガリータ」
リズムギターが無いだけに際立つギター・ソロ[11] はキースの演奏による。