悪魔のロベール
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1850年頃のパリ・オペラ座での上演の際のジュール・アルヌーによるリトグラフ 初演時のポスター

ポータル クラシック音楽

『悪魔のロベール』(あくまのロベール、: Robert le Diable)は、ジャコモ・マイアベーアによる5幕のグランド・オペラである。かつては『鬼のロベール』の日本語訳題もしばしば用いられた。初演はパリ・オペラ座(サル・ペルティエ)で1831年11月21日に行われた。中世ヨーロッパに起源を持つ伝説で、自分が悪魔の申し子であると知ったノルマン人騎士悪魔ロバートの物語を素材として、ウジェーヌ・スクリーブとジェルマン・ドラヴィーニュ(フランス語版)によって自由にリブレットが創作されている。
目次

1 概要

2 作曲の経緯

3 楽曲

4 リブレット

5 バレエ「死んだ尼僧たちの踊り」

6 初演

7 初演後の世界への広がり

8 近年のリバイバル

9 役柄

10 初演時の衣装

11 あらすじ

11.1 第1幕

11.2 第2幕

11.2.1 第1場

11.2.2 第2場


11.3 第3幕

11.3.1 第1場

11.3.2 第2場


11.4 第4幕

11.5 第5幕


12 楽器編成

13 上演時間

14 主な録音・録画

15 関連作品

16 脚注

17 参考文献

18 外部リンク

概要 イザベルを演じたロール・サンティ=ダモロー

『悪魔のロベール』はパリ・オペラ座向けのグランド・オペラなので、(1)5幕(または4幕)仕立て、(2)劇的な題材、(3)歴史的な興味を惹きつけ、(4)大合唱バレエなどの多彩なスペクタクル要素、(5)異国情緒などを備えていることが基本条件となっており、フランソワ・オベールの『ポルティチの唖娘』(La Muette de Portici、1828年)、ジョアキーノ・ロッシーニの『 ギヨーム・テル』(Guillaume Tell 、1829年)に続くものである。前2作が古典派の表現によるものだったのに対し、ロッシーニの影響を色濃く残しながらも初めてロマン派的手法によって作曲されたグランド・オペラである。本作によりグランド・オペラの黄金時代の幕が開けられたのである。この後、ジャック・アレヴィの『ユダヤの女』(La Juive、1835年)、マイアベーアの『ユグノー教徒』(Les Huguenots、1836年)、『預言者』(Le Prophete、1849年)、『アフリカの女』(L’Africaine、1865年)、ガエターノ・ドニゼッティの『ラ・ファヴォリート(英語版)』( La Favorite 、1840年)、エクトル・ベルリオーズの『トロイアの人々』(Les Troyens)、ジュゼッペ・ヴェルディの『シチリアの晩鐘』(Les vepres siciliennes、1855年)や『ドン・カルロス』(Don Carlos、1867年)などが続々と生み出されていくことになる[1][2]
作曲の経緯

マイアベーアはロッシーニの手助けによって1826年にはパリに移住しており、これ以降フランスでの活躍が始まることになる。まずは1824年初演のイタリア語オペラ『エジプトの十字軍(英語版)』(Il Crociato in Egitto )をイタリア座で上演し、好評を得た。さらに、イタリア語オペラ『アンジュのマルゲリータ(英語版)』(Margherita d'Anjou 、1820年初演)のフランス語による改訂版を1826年にパリのオデオン座にて上演している。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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