悪魔のミカタ
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悪魔のミカタ
ジャンル
学園[1]伝奇[2]ミステリ[3]
小説
著者うえお久光
イラスト藤田香
出版社メディアワークスアスキー・メディアワークス
レーベル電撃文庫
刊行期間2002年2月10日 -
巻数既刊19巻(1学期編全13巻+2学期編既刊6巻)
(2009年2月現在)
ラジオドラマ
発表期間2003年10月7日 - 2004年12月5日
テンプレート - ノート
プロジェクトライトノベル
ポータル文学ラジオ

『悪魔のミカタ』(あくまのみかた)は、うえお久光による日本ライトノベル。イラストは藤田香が担当。電撃文庫メディアワークスアスキー・メディアワークス)より2002年2月から刊行されている。

第8回電撃ゲーム小説大賞〈銀賞〉受賞作品(受賞時のタイトル「みークルズサジェスチョン/ポリッシュアップルズ」)[4]。『このライトノベルがすごい!』作品部門では2005年版で3位を獲得している[5]

本作は身に覚えのない契約で悪魔に魂をとられそうになった主人公・堂島コウが真相を晴らすべく、悪魔に代わって知恵の実の契約者の魂を回収する「代行者」として活動する物語であり、題名の「悪魔のミカタ」は、「代行者」と言う存在を知らなかったコウが自称した肩書にちなむ。
ストーリー

日炉理坂高校の2年生堂島コウのもとに、かつて宇宙人にさらわれた妹にそっくりな女の子アトリがいきなり彼の家に訪ねてくる。悪魔を自称する彼女は、コウに「願いを叶えたその契約の履行のため魂を奪いに来た」と告げるものの、コウ本人は身に覚えがなかった。このまったく身に覚えのない濡れ衣を晴らすため、コウは自身が所属するサークル「みークル」の仲間と協力して真実に立ち向かう。その中で同じサークルに属するコウの恋人・冬月 日奈が死亡し、コウは彼女を蘇生させるために悪魔のミカタになる。
登場人物

声はドラマCD版のキャスト。
堂島 コウ(昴)(どうじま こう)
声:
浪川大輔本作の主人公。日炉理坂高の二年生で同好会「みすてりぃサークル」、通称「みークル」所属。軽薄かつ冗談好きな性格。「みークル」所属の同級生、恋人である冬月日奈を生き返らせるために悪魔のミカタになる。
悪魔の少女(アトリ)
声:植田佳奈コウが知恵の実を使用したと勘違いして、魂を回収に来た「レギオン(雛形)」の女の子。赤い瞳を除けば行方不明になったコウの妹と瓜二つである。
冬月 日奈(ふゆつき ひな)
声:かかずゆみ日炉理坂高校2年生で「みークル」所属。コウの恋人。意思の強さを伺わせる真っ直ぐな瞳と太めの眉が特徴的。明るくはっきりした性格で、人を惹きつける強い魅力と心を持った少女。1巻で死亡。
小鳥遊 恕宇(たかなし じょう)
声:小林ゆう日炉理坂高校2年で「みークル」所属。コウの友人で、日奈とは幼馴染でもある。鋭い目が特徴的な長身の美少女。男性のような名前だが女性。同性愛者で、6人もの恋人がいる。
舞原 イハナ(依花)(まいばる いはな)
声:野中藍物語の舞台「日炉利坂」の支配者、「舞原家」の双子の次期頭首の妹。常に無表情を崩さない。「みークル」の一員。
舞原 サクラ(咲杳)(まいばる さくら)
声:野中藍「舞原家」の双子の次期頭首の姉。天真爛漫な明るい性格で友人も多い一方、幼いところがある。「みークル」の一員で園芸部と掛け持ちしている。
真嶋 綾(まじま あや)
声:南里侑香日炉理坂高校3年。コウ達の一学年先輩にあたる。バレー部員で、バスケ部とソフト部も掛け持っている。気が強く、ショートカットの髪型とあいまってどこか日奈を彷彿とさせる容姿と雰囲気を持つ。過去に教師にレイプされそのことで脅され、繰り返し凌辱を受けていた。
三束 元生(みつか もとなり)
声:矢部雅史日炉理坂高校3年で「みークル」の部長。綾と同クラス。皆に自分の事を本名ではなく「部長」と呼ばせている。
葉切 洋平(はぎり ようへい)
日炉理坂高校2年で、ボクシング部と「みークル」を掛け持ちしている。幼い頃からコウを深く慕っており、同級生でありながらコウに対しては敬語を崩さない。
高久 直子(たかく なおこ)
声:MAI日炉利坂高校・保険医兼カウンセラー。
山崎 誠一(やまざき せいいち)
声:寺島拓篤日路利坂高校の体育教師である熱血漢で、バレー部顧問と生徒指導担当教諭をしている。二年前、女子の体操着がブルマからスパッツに変更となったとき、最後まで抵抗運動を続けていたことから「ザ・ブルマ」の愛称で生徒に親しまれている。
山本 美里(やまもと みさと)
日炉理坂高校二年生。サクラの親友にして「ザ・ワン」事件の立役者の一人。
大隈 次郎(おおくま じろう)
日本において「特殊な事案」を扱う「内閣情報調査室/別室」の室長。悪魔のミカタを知っている。
嘉門 ねね(かもん)
「和歌丘タワーワールド」でコウが出会った女性。
MLN
「ザ・ワン」事件で生み出された生命体。
ノットB
葉切洋平につくられた、堂島コウのコピー体。
安県 正人(あがた まさひと)
夕日を連れた男と名乗っている。60年前はブラックプリンスと呼ばれていた。「案件六百六十六対策機関設置推進準備室」の資料によると100年以上生きている。
来栖美楚乃(くるす みその)

フェイト・クルス
「内閣情報調査室/別室」のメンバー来栖英子(くるす えいこ)という偽名を用いていた。予知能力者であるが、不完全であり外れることも多い。
海藤 重彦(かいどう しげひこ)
「内閣情報調査室/別室」のメンバー
中山 国光(なかやま くにみつ)
「内閣情報調査室/別室」のメンバー公的には航空自衛隊に所属している31歳。
舞原家 ライン/スタッフ/等
いん
「スタッフ」のトップ
ジィ・ニー
舞原家の実働部隊隊長(代行)。イハナのお気に入り。
みん
声:
大沢千秋「ライン」のトップ
八咫烏 星鴉(やたがらす せいあ)
コウが直々にスカウトした、妙な日本語を操るヒスパニック系の少年(名前は偽名と思われる)。666(6)巻時点でアトリの護衛をしている。性別は女。
冬月 シュウ(ふゆつき しゅう)
親代わりであった師を火事で失い、日炉理坂の冬月家に引き取られた、ジィ・ニーと同じ系統の武術を修めている少年。666(6)巻時点でアトリの護衛をしている。
レイ/ゼロ

元代行者たち
ランドール・コーンウォーク
コウの
精神世界ではレギオン(雛形)と遭遇している。
用語
悪魔
人を誘い、試し、騙すもの。超常の力を持つ知恵の実をばら撒き、誘惑に乗った者の願いを叶える代わりに契約者の魂を奪う。その実態は、「知恵の実」そのものでもある。
イーチャーズレコード
世界における過去・未来・現在を問わず、あらゆる事象を記録した伝導物質「イーチャー」の記録。永遠不変の記録といわれる。悪魔や「知恵の実」はコレと深く繋がっており(イーチャーズリンクと呼ばれる)、記録を元に契約者を探したり、必要なエネルギーを補充し、それぞれの効果を発したりする。また、悪魔のレギオンは、人間と違和感なく接するために創造主である悪魔の用意した「悪魔用記憶」に加えて、イーチャーズレコードに限定的にリンクしている。
ザ・ワン
1個体であり、集合体でもある種族。無数に存在し、すべてが本体である。世界中にバックアップが存在した。滅ぼすことは不可能と思われたが、コウにより吸収される。
イヴ
代行者が知恵の実を生み出す際に、必要とするパートナー。必要な量の魂に満ちた「It」を手にした代行者が、イヴと性交することで知恵の実を生み出す。イヴがいなくても知恵の実を生み出すことは可能らしいが、不完全で目的に沿わないものになることが多いらしい。また、イヴには生まれてくる知恵の実の性質を半分決定する権利があるらしい。そのため、代行者にとって、イヴ探しは重要である。
代行者
悪魔に代わって知恵の実の契約者の魂を回収し、「It」に食らわせることで自らの望む「知恵の実」を生み出す契約を悪魔と交わした者。通常、代行者になる方法は二つあり、ひとつは、知恵の実の「所有者」として代行者を「フェアな勝負」で倒し、知恵の実「It」を得ること。もうひとつは知恵の実の「契約者」として訪れた悪魔との知恵比べで勝利すること。あくまで悪魔の「代行」であるため、魂回収のルール上では悪魔と同様の制限を受ける。

本作において「魂」は、生命そのものを指すわけではなく「可能性」という形で描かれる。知恵の実による契約は、「ただひとつの叶えがたい可能性を現実にする代償として、それ以外のすべての可能性を差し出す」ということ。魂を奪われたものは「死」を含めたあらゆる可能性を失い、「悪魔の世界」で永遠に変化の無い時を過ごす。
知恵の実
人間の魂を回収するため、悪魔によって世界中にばら撒かれた道具。それぞれに超常の力を持ち、運命係数を辿って自らの力を必要とする者と巡り合い、「契約」を交わすことで魂と引き換えに契約者の願いをかなえる。ただしその効力は万能ではなく、それぞれ何らかの「制約」を負っている。物質ではなく
アストラル体で構成されており、時代や所有者によって様々に姿を変える。イーチャーズリンクによってエネルギーの供給を受けており、何らかの理由でリンクが断たれ、保有するエネルギーをすべて失えば消滅する。総数666種類で、それぞれに001から666までシリアルナンバーと呼ばれる数字が割り振られており、ナンバーの小さいものほど大きな力を持つ。特に001?009は「オリジナルナンバー」と呼ばれ、他の物とは一線を画す力を秘めている。この場合の「力」とは、どれだけ多様な願いをかなえられるか、その「可能性」の大きさをさす。オリジナルナンバーともなれば殆ど全ての願いを何らかの形で叶えられるとされ、同時にそれはあらゆる人間と契約可能であることも指している。なお、「666」という数には意味があり、新たな知恵の実が生まれるたびにいずれかの知恵の実が破棄され、その数を超えることは無い。廃棄された知恵の実は「元・知恵の実(ロスト)」と呼ばれ、廃棄品となった知恵の実で願いを叶えても魂を回収されることはないが、イーチャーズリンクによるエネルギー供給が絶たれているため使用回数には制限がある(例外的に補給可能な物もある)。原則的に廃棄された知恵の実は悪魔によって回収され、保有するエネルギーを失って消滅するが、中には人の手に渡っている場合がある。
日炉利坂
物語の舞台となる土地。。四方を山に囲まれた盆地であり、川が無いという地理的特徴を持つ。舞原家によって支配、運営されており、封建的な風習を色濃く残している。日本国内にありながら、半ば独立国としての様相を遥かな昔から保つ特殊な土地。外部と繋がる地域に「和歌丘」「大城跡」と呼ばれる土地があるが、土地の特殊性に言及するときは、それらの地も含めて「日炉利坂」と呼ばれることが多い。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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