恐怖新聞
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恐怖新聞
ジャンル
少年漫画
ホラー漫画
漫画
作者つのだじろう
出版社秋田書店
ソースネクスト
掲載誌週刊少年チャンピオン
レーベル少年チャンピオン・コミックス
秋田コミックセレクト
秋田文庫
ソースネクスト コレクションコミックス
発表号1973年37号 - 1975年34号
巻数全9巻(少年チャンピオン・コミックス)
全5巻(秋田コミックセレクト)
全5巻(秋田文庫)
全1巻(ソースネクスト コレクションコミックス)
話数全29話
ラジオドラマ
原作つのだじろう
放送局NHK-FM放送
番組連続ラジオ劇場
発表期間1980年8月4日 - 8月8日
OVA
原作つのだじろう
監督安濃高志
キャラクターデザイン上村栄司
アニメーション制作ぴえろプロジェクト
発売日1991年7月21日
話数全2話
映画
監督石井てるよし
制作円谷映像
封切日1996年7月26日
上映時間75分
その他オリジナルビデオ作品
ゲーム
ゲームジャンルサウンドノベル
対応機種PlayStation
開発元アトリエドゥーブル
発売元ユタカ
ディレクター野上貴之
音楽岡本智郎
メディアCD-ROM
プレイ人数1人
発売日1997年1月24日
ゲーム:恐怖新聞【平成版】 怪奇! 心霊ファイル
ゲームジャンルサウンドノベル
対応機種PlayStation 2
開発元アトリエドゥーブル
発売元コナミ
プロデューサー下道隆
ディレクター内田和伸
音楽早出延代、藤枝亮平
メディアDVD-ROM
プレイ人数1人
発売日2003年8月7日
レイティングCERO:C(15才以上対象)
映画:Jホラーシアター『予言』
監督鶴田法男
制作オズ
配給東宝
封切日2004年10月2日 
上映時間95分
その他同時上映『感染』
映画
監督大森研一
配給パラレル
封切日2011年5月21日  
上映時間71分
ドラマ
原作つのだじろう
脚本乙一(シリーズ構成)、高山直也
演出中田秀夫、服部大二、井上昌典
制作東海テレビ松竹
放送局フジテレビ系列
放送期間2020年8月29日 - 10月10日
話数全7話
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画アニメテレビドラマ
ポータル漫画アニメテレビドラマ

『恐怖新聞』(きょうふしんぶん)は、つのだじろうによる日本漫画、またそれを原作とするアニメ映画などの作品。それらの作品内に登場する架空の新聞の名称でもある。
概要

つのだじろうによる恐怖漫画。『週刊少年チャンピオン』誌(秋田書店)において、1973年から1975年まで連載された(全29話)[1]。1日読むごとに100日ずつ寿命が縮まる「恐怖新聞」によってもたらされる、不幸な未来の恐怖を描く。主人公・鬼形礼にまつわる長期的なストーリーと、鬼形が狂言回しとして登場する独立した短編作品からなる。

1970年代のオカルトブームの一端を担い[2]、アニメ、ビデオ、ゲームソフト、映画、パチスロ機、電子ブックからタイピング練習ソフトまで様々なメディアでリメイクされ続けている。

同じ作者の『うしろの百太郎』は霊に関するストーリーだが、本作には霊のみでなく、UFOや悪魔なども取り入れられている。霊に関するストーリーでは、根本的な原因が解決しないまま話が終わることもある。

単行本は少年チャンピオンコミックスで全9巻、秋田コミックセレクトで全5巻、秋田文庫として全5巻が発売されている。文庫版には収録されていない話があり、また話の順序も前後して収録されているため、多少ストーリー展開がわかりにくくなっている(#単行本収録エピソード参照)。

その他、ソースネクストより『ソースネクスト コレクションコミックス5 恐怖新聞 1?6巻』(2004年、ISBN 4861701341)として、パソコン用のCD-ROM1枚に収めた作品が発売されている。

なお、つのだは本作の前に、亡霊学級という複数の読み切りからなる短編シリーズを同じ『週刊少年チャンピオン』誌上に発表している。
あらすじ

石堂中学校に通う少年、鬼形礼(きがた れい)。彼は幽霊などの超常現象を全く信じていなかった。そんなある晩、午前零時に彼のもとに突然「恐怖新聞」と書かれた新聞が届けられる。その新聞には、霊魂の存在を実証する記事、または未来の出来事などが書かれていた。翌日、その記事は現実となってしまう。そして、級友から「恐怖新聞」にまつわる恐ろしい噂を耳にしてしまう。それは、「恐怖新聞」は1日読むごとに100日ずつ寿命が縮まるというもの。その日から鬼形礼の恐怖の日々が始まった。

鬼形礼は幽霊だけではなくUFOUMAも含む数々の超常現象に遭いながらも、恐怖新聞に助けられることも多い。しかし、最終的には恐怖新聞を読み過ぎたことにより、自分が写るはずだった写真に老人が写っていたり、年老いた自分の分身と思われるドッペルゲンガーと出会うなどして、強い危機感を持つようになる。ポルターガイスト(「恐怖新聞」を配達する悪霊の通称)の除霊に失敗し続け除霊は諦めていたが、小泉霊媒から小泉香具耶を紹介され、再び除霊を決心する。

香具耶に紫光山の霊場に連れて行かれた鬼形礼だが、雑念が多く除霊に集中できない。一時は香具耶が優勢だったが、香具耶に化けたポルターガイストに騙されて捕まった鬼形礼が重傷を負い、その後に起きた局地的な大地震により鬼形礼は死んでしまう。香具耶の方は1ヶ月の重傷、鬼形礼を殺すという目的を果たしたポルターガイストは霊界へ去った。

その後、恐怖新聞を発行する悪霊霊団が、中学校のクラス全員を殺せば生き返らせてやるという話を鬼形礼に持ちかける。しかし、だんだん体が腐り、周囲に分かるほどの腐臭を漂わせ始め、生き返ることは無理だろうということを鬼形礼は自覚するようになった。

霊団は、中学校のバス旅行で山道からバスを転落させる計画を鬼形礼に手伝わせようとしたが、逆に鬼形礼がバスを救ってしまったため、霊団もこれ以上、鬼形礼を利用して人を殺すことを諦め、地獄へと引き込もうとした。ところが多くの人命を救ったということもあり、守護神が鬼形礼を守り、霊団から救い幽界へと導いた。

バス事故の後、鬼形礼の体は行方不明になったが、もともと死んだ場所である紫光山で死体が発見され、周囲の友人にも最近の鬼形礼は幽霊だったのだということが知られるようになった。気味悪がられもしたが、幽霊であってもバスの転落を防いだことには変わらず、多くの人に感謝されて送られる葬式となった。

無事、幽界に辿り着いたはずの鬼形礼だが、現世に未練があったのか戻ってきてしまい、今度は自らが配達人として「恐怖新聞」を配達することになった所で物語は終わる。
登場人物
主要人物
鬼形礼(きがた れい)
- ラジオ版:神谷明 / OVA版:古谷徹 / PS版:堀川亮 / CD版:石井正則主人公の中学生。霊魂の存在を否定していたが、「恐怖新聞」が届くようになってから、数々の超常現象を目撃するようになる。また、「恐怖新聞」の存在を周囲に打ち明けるが、他人には「恐怖新聞」が見えないため、気味悪がられて避けられるようになる。しかし、超常現象などに悩まされる級友からは頼りにされているため、孤立しているわけではない。何度か除霊を試みるものの、ポルターガイストの強大な霊力の前に失敗している。また、恐怖新聞に関わる人間が次々と不幸になるため、鬼形は独り孤独に「恐怖新聞」と戦っていくようになる。なお、「きがたれい」は「れいがきた(霊が来た)」のアナグラムである。死後、「恐怖新聞」の配達人となるが、続編では「恐怖新聞」と戦う霊的な存在として、各主人公たちを助けている。
中神緑子(なかがみ みどりこ)
声 - OVA版:久川綾 / PS版:井上美紀「恐怖新聞」上で予言された通り、鬼形のクラスに転校してきた少女。鬼形以外で「恐怖新聞」が読める、数少ない人間の1人。兄の洋介とともに、鬼形に協力し数々の恐怖体験をする。以前の学校でのあだ名は「グリーン」だったが、作中では基本的に「中神さん」と呼ばれる。終盤、竹之市の呪いにより、命を落としてしまう。
中神洋介(なかがみ ようすけ)
声 - OVA版:田中秀幸 / PS版:平野正人中神緑子の兄。新聞記者。最初は半信半疑だったが、鬼形の予言が次々的中するのを目の当たりにし、「恐怖新聞」の存在を信じるようになる。それからは、鬼形の予言に関して惜しみなく協力するようになる。物語終盤、竹之市の幻惑により、鬼形を竹之市と誤認して暴行、逮捕されてしまう。
悪霊・怪異
恐怖新聞(きょうふしんぶん)
毎日、深夜0時に配達される新聞。霊能力の無い人間が見た場合は普通の新聞にしか見えないが、ごく近い未来(翌日など)に起きる怪異がすでに記事になっており、その内容が外れることはない。ただし、新聞を読むたびに寿命が100日縮み、しかも抵抗すればするほど強引な方法で配達されるため、購読拒否は不可能。強力な悪の霊団による一種の呪いだが、それ以外の死や他の悪霊の介入は排除しようとする。悪の霊団は、なにかしら因縁のある霊を取り込み、配達人として使役する。配達人は、生きている人間を恐怖新聞で殺すことでしか解放されない。意識不明の時のみは、読まずにすむ。鬼形の除霊のチャンスを記事にしたこともあるが、鬼形はその時に限って気を失っていたため、チャンスを逃してしまうことになった。記事は、以下のように分類される。

白の頁(霊の世界)

赤の頁(怪奇の世界)

青の頁(宇宙の世界)

黒の頁(伝説の世界)

紫の頁(悪魔の世界)

ポルターガイスト
声 - ラジオ版:関根信昭 / OVA版:屋良有作 / PS版:青野武「恐怖新聞」の配達人。生前、新聞配達をしていた人間の霊魂。強力な悪霊で、大きな霊団と結託している。ポルターガイスト現象を起こすため、この名前で呼ばれるようになる。目的は鬼形の寿命を100日ずつ奪い、死に至らしめること。毎晩のように「恐怖新聞」を配達しにくるが、直接鬼形に危害を加えることはなく、むしろ身辺で起こった怪奇現象についての鬼形の疑問に答え、鬼形に有利なアドバイスを送ったり、怪奇現象に悩まされている鬼形の知人の元へ恐怖新聞を配達し、救うこともある。さらには、鬼形に他の悪霊や悪魔が取り憑くと不機嫌になり追い払おうとするなど奇妙な協力関係とも言える。
宇宙連合
地球上の国際連合と同じような目的を持つ、宇宙の平和を守るための宇宙人たちによる組織。核兵器の保持や環境汚染などを行う人類に対して警告を発する「地球計画」のためUFOを地球上に飛来させている。
悪魔(あくま)アイニ
ある事件で鬼形にとり憑いた悪魔で、かつてスペインで彼を老婆の肉体から払ったラファエル神父から「心霊学的に言えば、ヘビとネコの動物霊が取り憑いた悪霊といえようか」と説明されている。鬼形の肉体を乗っ取ったことでポルターガイストと対立する。
宇宙人
アメリカ合衆国パスカグーラで目撃されたものと同じ、身長約150センチ、顔には目はなく顔の両側と鼻の位置には突起物があり、手がカニはさみのような形をしている。鬼形を無理矢理UFO内へと連れ去り、謎の物体で観察した後解放する。
シェリー・サーマン
ある国の大使の娘。ピアノの名手であり、国際コンクールで何度も入賞していた。得意な曲目は「展覧会の絵」。しかし、風邪をこじらせているのを母親に隠し練習を続けていたことが原因で、急性の粟粒結核で死亡する。その後、シェリーの愛用していたグランドピアノは石堂中学が買い取っており、このピアノで演奏すると鍵盤に血が流れていたり、演奏者が強引に「展覧会の絵」を演奏させられるなどの現象が起きるようになった。最終的に、このピアノは除霊されないまま売られており、今後他の場所で同様の現象を起こす可能性が鬼形によって示唆されている。
竹之市(たけのいち)
声 - OVA版:麦人中神家に取り憑く怨霊。生前に金貸しをしており、貧しい武家だった中神家に金を貸していたが、なかなか返してもらえず、刀を借金のカタに押さえようとしたところ、怒りに触れ、斬られて死亡、その直前に中神家の七代先までを呪った。ちょうど七代目が緑子と洋介である。ポルターガイストから仲間扱いされていたが、悪の霊団に参加しているのかは不明。
鬼形床左エ門勝豊(きがたしょうざえもんかつとよ)
鬼形の守護霊。あまり優れた力を持つ霊ではないため、ポルターガイストにはなす術がないことを鬼形に伝える。
死神(しにがみ)
人間の死後に魂の緒を切り幽界へ運ぶのを目的としている。悪霊の霊団に依頼され、鬼形の魂の緒を切る前に霊団と会わせる。
悪の霊団の頭(あくのれいだんのかしら)
ポルターガイストと結託していた霊団の頭。いわゆる閻魔大王のような風貌をしており、「地獄で必要な霊魂を調達している」と称しているが、本当に地獄の意向で動いているのかは不明。
霊能力者
小泉霊媒(こいずみれいばい)
鬼形礼が佐藤先生から紹介された霊媒。除霊はできないが、恐怖新聞などについてアドバイスをくれる。
有難矢教教祖(ありがたやきょうきょうそ)
新興宗教の教祖。入信料やワッペンにバッジ、月刊誌『ありがたや』などを戸室や鬼形に勧めてくる。また、修行と称して入信者を増やすよう命じる。ポルターガイストからは「金儲け主義の新興宗教」と言われている。一応は霊能力を持っているが、霊を取り憑いた人間の身体から追い出す程度。
ラファエル神父
鬼形の同級生の東さんの父。
カソリック教会の神父。悪魔アイニに取り憑かれた東とも子、鬼形に聖水を使用し悪魔祓いを行う。
桐法大師(とうほうだいし)
声 - OVA版:永井一郎新潟県の山中に住む霊能者。出羽三山などで修行した仙人のような老人で、ポルターガイストの除霊を行うが、逆に返り討ちに遭ってしまう。OVA版では浄雲法師という名前になっている。
木原霊媒(きはられいばい)
声 - OVA版:塩屋浩三竹之市の霊を払おうとするが、逆に取り憑かれてしまう。
小泉香具耶(こいずみ かぐや)
声 - PS版:柳瀬なつみ小泉霊媒の親戚。小学生のような風貌だが、鬼形礼と同い年である。恐ろしく霊感能力に優れており、テレポーテーションを使える。ポルターガイストの除霊に失敗し、1ヶ月の重傷を負う。以後は水晶玉を通して、悪の霊団に利用される鬼形礼を見守ることに徹する。
石堂中学校関係者
教師
東尾奈々子(ひがしおななこ)
石堂中の教師。「恐怖新聞」上で最初に予言が行われた人物であり、「恐怖新聞」の予言通りに登校中に自動車に撥ねられ全身打撲で即死する。
佐藤先生(さとうせんせい)
「恐怖新聞」に苦しめられている鬼形の相談に乗り、鬼形の部屋で「恐怖新聞」の存在を確かめようとするが、普通の新聞にしか見えないため新聞を破り捨てたところ、ポルターガイストの力で部屋の外に放りだされ怪我をする。
三田先生(みたせんせい)
女性教師。修学旅行の最中に何者かに噛みつかれ、同じく噛みつかれた奥山さん、鬼形とともに修学旅行を途中で切り上げ東京へ引き返すこととなる。
理科の先生(りかのせんせい)
石堂中の理科の先生。UFOに関心があり、知識も豊富である。中神洋介はUFOに関する助言を求めて彼の元を訪ねている。生徒のUFO目撃証言を聞いて、授業を実地検証に変更して校外に出たことがある。また、何度も鬼形礼の予言や話について「理科2分野1」の授業時間に取り上げてクラスで議論している。ぽっちゃりとした体形で、終始穏やかな表情をしている。なお、鬼形と石堂町内の銭湯で出くわしたことがある。
玉水綾子(たまみずあやこ)


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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