恐怖感
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この項目では、感情の恐怖について説明しています。映画については「恐普B(2010年の映画)」をご覧ください。
マリア・ヤクチコワ(英語版) Fear. 1893-95年頃の作品 恐怖や驚きの表情を示す少女

恐怖(きょうふ)、または恐れ(おそれ)(: fear)とは、動物人間のもつ感情の一つで、こわいと思うことやその気持ち[1]

ブリタニカ国際百科事典によると、恐れの中でも具体的な事態になっておらず明確な対象があるものが「心配」だという。また、具体的な事態になっておらず、かつ明確な対象もないものが「不安」だという[2]

特定の事態やものに対して強い恐怖を感じる状態を(それを本人が不都合と感じている場合などに)疾患として位置づける場合、恐怖症と言う。恐怖症は認知行動療法などによって治療できる場合がある。目次

1 概説

1.1 恐怖される状態、恐怖の対象


2 徴候と症状

3 心理学的説明・研究

4 管理

4.1 医薬品

4.2 心理療法

4.3 その他の治療法

4.4 セルフヘルプ


5 動物

6 脚注

7 関連項目

概説

ブリタニカ国際百科事典によると、恐れとは典型的な情動のひとつで、有害な事態や危険な事態に対して有効に対処することが難しいような場合に生じる、とのことである[2]河合隼雄は、「人間は自分の人生観世界観システムを持ちながら生きているが、それをどこかで揺り動かすもの」と定義したうえで、恐怖はない方がいいように見え、ずっとそういう状態が続くと安心ではあるが、死んでいるのと同じである。生きる体験の中には必ず恐怖が入ってくる。存在を揺るがされるということは、うまくすれば、新しいことが開かれるが、下手をすれば破局を迎える。つまり、恐怖はその両者のちょうど境目になる。さらに、例えば恐怖の対象に「」があるが、気分的に死への傾倒が強い人には、それは恐怖たりえず、それにどんどん寄り添っていくと生と死の境界自体がなくなり、恐怖は消える。そうなれば、も死も何の役にも立たなくなると述べている。現代人は本来的な恐怖というものが非常に少なくなっており、現代人の状態は非常にアンビバレンスであるとしている[3]

事態から逃避しようとする行動の傾向、心拍数の増加、顔面から血の気が引く、震え発汗などといった身体的反応が伴う[2]。恐れが強い場合は、行動に麻痺が起きる[2]
恐怖される状態、恐怖の対象

14世紀から18世紀ごろの西ヨーロッパではペスト(黒死病)にかかることが非常に恐れられた。18世紀末のフランスではロベスピエールらによって一方的に「反対者」と見なされて処刑されることが恐れられた(恐怖政治)。19世紀英国において最も恐れられた事態は、人々に忘れ去られ、死んだのに誰にも嘆かれず、貧困状態で死に、最後には解剖台に乗せられることであった。20世紀では、多くの人が小児麻痺、身体の一部を不具にし、残りの人生で動かなくなるという病気を患うことを恐れた。2001年9月11日以降のアメリカ(やヨーロッパ)では、テロリズムに対する恐怖が大きく広がった。

人は、トラウマが残るような事故によって、特定の対象に対し恐怖するようになることもある。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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