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)恐怖の総和
The Sum of All Fears
著者トム・クランシー
訳者井坂 清
発行日1991年8月14日
1993年5月1日
発行元 G.P. Putnam's Sons
文藝春秋
ジャンル
政治スリラー
テクノスリラー
軍事小説
写実主義小説
国 アメリカ合衆国
言語英語
形態 上製本、ペーパーバック
文庫本
ページ数798
上巻739+下巻757
前作いま、そこにある危機
次作容赦なく
公式サイトhttps://tomclancy.com/product/the-sum-of-all-fears
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『恐怖の総和』(きょうふのそうわ、The Sum of All Fears)は、トム・クランシー作、1991年刊行の政治スリラー小説である。『いま、そこにある危機』(1989年)の続編として発表され、「ニューヨーク・タイムズのベストセラーリスト」で1位でデビューした[1]。ジャック・ライアンの映画シリーズをリブートし、若い頃のCIA分析官役でベン・アフレックが主演した映画化作品『トータル・フィアーズ』が、2002年5月31日に公開された。
ジャック・ライアンシリーズの作中時系列は『いま、そこにある危機』の後、『日米開戦』の前に当たる。今やCIA副長官を務める主人公ジャック・ライアンが、パレスチナと旧東ドイツのテロリストによって、米国とソビエト連邦が核戦争に突入するよう共謀する中で、中東和平を守るため奮闘する。 第四次中東戦争の初日、イスラエル国防軍(IDF)は、敗北を食い止めるために戦術核攻撃を行う準備をしていた。攻撃の必要性は回避されたが、Mark 12核爆弾のイスラエル製コピーが、モルデカイ(モッティ)・ザディン中尉が飛ばすA-4スカイホーク攻撃機に誤って残され、その後、カフル・シャムズ近くのシリア上空で撃墜される。核兵器は失われ、ドルーズ派の農夫の畑に埋もれた。 18年後、イスラエル国家警察のベンヤミン(ベニー)・ザディン警部(偶然にも撃墜されたパイロットの兄弟)は、妻が不倫関係にあったことを知ったあと、ハシド派ユダヤ教の原理主義派に改宗し、神殿の丘でパレスチナ人の暴力的なデモを扇動しようとする。デモ隊が思いがけず平和的な抗議活動を行ったとき、ザディン警部はとにかく抗議者に催涙ガスとゴム弾を発射するよう警官に命じ、そしてデモのリーダーを至近距離から撃ち殺してしまう。米国は、イスラエルを外交的に擁護できないことに気づいているが、中東を不安定化させる危険を冒さずにイスラエルの支援を撤回することはできないことを知っている。 CIA副長官(中央情報局副長官、DDCI: Deputy Director of the Central Intelligence Agency) のジャック・ライアンの助言に従い、国家安全保障問題担当大統領補佐官のチャールズ・オールデン博士は、エルサレムをバチカンのように、ユダヤ人、イスラム教徒、ローマ・カトリック教会、および東方正教会の宗教指導者による法廷によって管理され、スイス衛兵の独立した構成部隊によって保護される独立した都市国家に変えることで、和平プロセスを加速させる計画を実行に移す。イスラエルへの配慮として、米陸軍はより高度な装備をイスラエル国防軍に提供し、米陸軍の戦車戦の専門家と復活した第10騎兵連隊
あらすじ
しかし、国家安全保障問題の特別補佐官であるエリザベス・エリオットはライアンとオールデンに恨みを抱き、彼らに対抗して計略を巡らす。まず彼女は、婚外子の父親がオールデンであるという醜聞を利用して、国家安全保障問題補佐官としてのオールデンの職を奪い、それは同時にそのストレスが眼窩吹き抜け骨折を引き起こす深刻な脳卒中でオールデンの死の一因となった。次に彼女は、妻に先立たれたJ・ロバート・ファウラー大統領との性的関係を持ち始め、和平調停におけるライアンの役割を公に除外し、自分自身の手柄にしようとファウラーを操る。ライアンが彼女を、その協定について反対するアメリカ人を不当に黙らせようとしていると非難したあと、エリオットはライアンが不倫関係にある若い未亡人の子の父親であると非難する組織的中傷を企む。ジャックの友人である護衛官のジョン・クラークとドミンゴ・シャベスは、ライアンの妻キャシーにその疑惑は誤りであると説得した(ジャックの不倫相手とされるのは、バック・ジマーの未亡人であるキャロル・ジマーで、トム・クランシーの前の小説「いま、そこにある危機」で、ライアンとクラークがコロンビアからシャベスと軍の仲間たちを救出する作戦中に殺された人物である)。のちにライアンはCIAから退職することを決意するが、日本とメキシコの政府高官の間の腐敗した取引を暴くための秘密工作をまとめる前でなかった。
一方、パレスチナ解放人民戦線(PFLP: Popular Front for the Liberation of Palestine)の少数のテロリストたちは、イスラエルに対するジハード(聖戦)に立ちはだかる失敗に激怒し、失われたイスラエルの爆弾を偶然見つけると、独自の兵器を作り上げるため、核分裂性物質として爆弾のプルトニウムを利用した。テロリストたちは、不満を抱く東ドイツの物理学者マンフレート・フロムに協力を頼み、彼はかつての共産主義国家が資本主義民主国家として再統一されたことへ復讐する策略に同意する。フロムの専門知識をもって、テロリストたちは兵器を強化し、それを核融合装置に変える。テロリストたちは、米ソの核戦争勃発を狙い、ソ連兵に成り済ました東ドイツ人によるベルリンの米軍への偽旗作戦と同時に、コロラド州デンバーで開催されるスーパーボウルで兵器を爆発させることに同意する。この東ドイツ人は核戦争が両超大国を排除し、世界社会主義を裏切ったソビエトを罰することを期待しているが、パレスチナ人たちは攻撃がイスラエルとパレスチナの和平協定を破壊し、イスラエルへの米国の援助を終わらせることを期待している。